行政書士を副業としてやる際の注意点【メリット・デメリットを解説】

行政書士開業

今回は、行政書士の「副業」に関する記事です。

  • 行政書士を副業としてやることはできるのか?
  • 行政書士を副業としてやる際の注意点とは?

という疑問について、行政書士の資格で開業した経験から解説します。

現在、会社員をしながら、行政書士での副業を考えている方も少なくないと思います。

副業とはいえ行政書士として活動する以上やってはいけないこともあります。注意点のほか、兼業のメリットやデメリットなどについても解説しますので参考になれば幸いです。

行政書士を副業としてやることはできるのか?

副業や兼業を禁止している規定はありません。

なので、行政書士を副業としてやることは可能です。

実際に行政書士の場合、副業としてやっている人は多いですからね。

私のまわりにも、会社員をやりながら、仕事が終わってからの時間や休日を使って行政書士業をやっている先生がいます。

流れとしては、行政書士試験に合格、行政書士会へ登録、開業といった感じです。

行政書士を副業としてやる際の注意点とは?

まず、本業の就業規則で、副業が認められているかの確認をしましょう。

最近は、副業を認める会社が増えましたが、条件がついている場合もあります。後々トラブルにならないためにも、しっかりと確認を。

勤め先の就業規則で、副業が禁止されているのに「バレなければ…」と、隠れて副業をするのはおすすめできません。

ちなみに、行政書士は、一般企業に雇われて仕事をすることは禁止されています。つまり、企業内行政書士となることはできません。

その他の注意点としては、次のようなものがあります。

  • 本業以外の時間で業務ができるか
  • 依頼を最後までやり遂げられるか
  • 確定申告をする

順番に説明します。

本業以外の時間で業務ができるか

行政書士業務の多くは、官公署での手続きです。

本業の勤務時間が官公署の業務時間とかぶっていると、依頼遂行に必要な手続きができないこともあります。

副業として行政書士をやる際は、本業以外の時間でできる業務を選ぶ必要があります。

依頼を最後までやり遂げられるか

副業とはいえ、行政書士となるからには責任感を持つ必要があります。

本業に左右されて、依頼を最後までやり遂げられなかったでは許されません。

副業として行政書士をやる際は、依頼を最後までやり遂げられるという環境を作るということが必要です。

確定申告をする

副業の行政書士業で利益を得たなら、確定申告をする必要があります。

知らなかったでは済まされません。

確定申告が必要なのにもかかわらず放置していた場合、税務調査が入ったりと面倒なことになりますので注意です。

行政書士を副業としてやるメリット

次のようなものがあります。

  • 収入が増える
  • リスクが低い
  • 実務経験が積める
  • 将来への備え

順番に説明します。

収入が増える

行政書士を副業として始めたなら、少なからず収入が増えます。

どのくらい増えるかは、その人の能力や取扱業務によりますが、本業以外で稼ぐことで生活に余裕が生まれます。

リスクが低い

本業を辞めないで行政書士業に挑戦するため、専業で開業したときよりも失敗したときのリスクが低くなります。

開業にあたって登録費用などお金がかかりますが、失敗してもその使った費用を諦めればいいだけです。本業での収入があるので、生活に与えるダメージも少なくて済みます。

実務経験が積める

収入源を確保しているので、報酬の大きさに関係なく行政書士の様々な業務へ挑戦することができます。

どんな経験も、行政書士専業になったときに必ず役立ちます。

将来への備え

行政書士の資格を副業にして、いつでも使える状態にしておけば、将来何らかの事情で失業をしたときの備えになります。

また、定年退職後の収入源として行政書士業を営むことも可能です。

行政書士を副業としてやるデメリット

次のようなものがあります。

  • 本業への影響
  • 費用がかかる

順番に説明します。

本業への影響

行政書士を副業としてやることで、少ながらず本業へ影響がでます。

場合によっては、行政書士業での依頼を完遂する時間が確保できず、本業を休む必要が出てくるかもしれません。急ぎの申請もありますからね。

そのほか、

  • 行政機関の業務時間に合わせる
  • トラブルに対処する

など、本業とのスケジュール調整が必要なこともでてきます。

副業をすると「本業とのバランス」が、本当に難しいので注意です。

費用がかかる

行政書士として仕事をするには、副業だとしても行政書士会への登録料や入会金などの費用が必要になってきます。

また、行政書士資格を維持するために、定期的に「会費」を支払う必要があります。

行政書士開業が失敗してしまって廃業した場合、これらの費用はすべて戻ってきません。

行政書士を副業として成功させるには?

  • ネットでの集客に力を入れる
  • 協力してくれる人を探す

順番に説明します。

ネットでの集客に力を入れる

本業があるので、営業活動に時間をかけていられません。

なので、ブログやSNSなどネットを使った集客に力を入れるのがおすすめです。

実際にネットの集客だけで、開業した初年度からかなりの売上を上げた行政書士事務所もあります。

協力してくれる人を探す

本業がある場合、ひとりで動くには限界があります。

なので、協力者を探しておきましょう。

具体的には、家族を補助者にしたり、協力してくれる同業者を見つけておきます。

そうすれば、自分では対処できない時間帯に代わりに動いてもらえます。

副業向けの行政書士業務

副業として行政書士業を営むなら、取扱業務は慎重に選ぶ必要があります。

選ぶにあたっての基準は次の2つ。

  • 時間の調整しやすいもの
  • 売上が期待できるもの

私がおすすめする行政書士業務

次のの2つの業務は、おすすめです。急な問題が発生すると大変ですが、メールや郵送などをうまく使えば、時間の調整がしやすいです。

  • 相続・遺言
  • 契約書作成

依頼内容にもよりますが、相続も契約書作成も、それなりの報酬がもらえるので副業の収入としては満足のいくものになると思います。

副業行政書士を成功させるのは簡単ではない

最後に、これだけはお伝えしておきます。

実際のところ、行政書士業を副業で成功させることは簡単ではありません。

時間に余裕のある専業の人でも廃業していますからね。

なので、副業とはいえ安易な開業はおすすめできません。成功させるためには、しっかりと経営計画を立てて真剣に取り組む必要があります。

先日、近所の書店に行ったとき、副業行政書士の本が置いてありました。行政書士を副業としてやりたいと思っている方は、そういった書籍も参考にすることをおすすめします。