北海道の海岸でゴロゴロ転がったり、魚を食べて暮らしている野生のアザラシたち。その愛嬌のある姿を見てみたいと思う方も多いと思います。
そこで関東圏（東京）在住の方が、朝起きてふと「野生のアザラシを見に行こうか」と思い立った場合、最速で野生アザラシを見るにはどこを目指すべきなのか、私の経験をベースに考えてみました。
夜中に突然、野生アザラシを見るまで発作が続く病にかかっても、なるべく早く症状を抑えることができるようになると思います。
アザラシ側の条件や交通機関の設定条件
検証するにあたって条件は以下のとおり。
野生アザラシ側の条件
・野生アザラシの種類は問わない。ゼニガタアザラシでもゴマフアザラシでもワモンアザラシでもOK。
・野生アザラシは遠くても確認できればOKとする。双眼鏡の使用は可。ただしドローンなどによる遠隔機器による確認は不可。
・野生アザラシは↓に載っている場所にはちゃんと転がっているものとする。
移動手段の制約
・使用できる交通機関は一般人が常識的に使えるもの。つまり公共交通機関と車（タクシー・レンタカーは使用可）、自転車、徒歩。自家用ジェットや飛行機のチャーター、ヘリコプターのチャーター、傭船はダメ。
・東京近郊の公共交通機関は始発から使用可能。飛行機も羽田などから始発便に乗ってOK。
・公共交通は2023年3月1日現在の時刻表で動く。
・タクシーやレンタカーなどの車の所要時間はGoogleマップの検索結果に従う。
・公共交通⇔車（タクシー・レンタカー）の乗り換え所要時間は10分とする。（飛行機で〇〇空港に9:30着だったら、タクシーで〇〇空港9:40発として出発できるよー、ということです）
検証のポイント
検証に移ります。
まずは野生のアザラシですが、日本人が朝起きて最速で見ようとするなら場所は北海道。で、関東圏から北海道を公共交通機関によって目指すことになり、羽田空港or成田空港辺りから朝早く北海道に飛ぶことは鉄板でしょう。
しかし北海道のどの空港に飛ぶか、、、これが重要です。北海道には14の公共用飛行場があり、国管理空港が4空港（新千歳、函館、釧路、稚内）、特定地方管理空港が2空港（旭川、帯広）、地方管理空港が6空港（奥尻、中標津、女満別、紋別、利尻、礼文）、共用空港が2空港（千歳飛行場、札幌飛行場（丘珠））です。それぞれの空港の位置は北海道開発局の↓サイトに掲載されています。
検証のポイントは以下の２点のバランス。
①何時に北海道の空港に着陸できるか≒羽田・成田空港発の飛行機の始発時間
道内の空港も一日に羽田・成田便が複数便飛ぶ空港（新千歳・旭川・女満別・釧路・帯広・函館）もあれば、東京便が一日に１便のみの空港（稚内・中標津・紋別）、東京直行便は無い空港（前述していない空港すべて。利尻や丘珠など）もあります。羽田や成田発で、一日の早い時間帯に着陸できる便があるかが第一のポイント。
②空港から野生アザラシ生息地までの距離
2つ目のポイントは空港から野生アザラシ生息地までの距離。空港に早く着いてもそこからの移動距離が長ければアザラシにたどり着くまでの所要時間もかかるわけで、最速を目指すには不利になります。
関東の人が野生アザラシに最速で会うために向かうべき北海道の空港はどこ？
条件としてはこんなところで。どこの空港が良いのか。
とにかく東京（羽田・成田）便が多い新千歳空港に降り立つのが最速なのか、野生アザラシがよく見かけられる地に近い稚内空港（抜海港・宗谷湾など）やオホーツク紋別空港（紋別港）、中標津空港（野付半島）が有利なのか、はたまた羽田直行便が無くても乗り継ぎで行ける離島の利尻空港がダークホースだったりするのか、、。
以下、検証していこうと思いますが、我こそは、、、という方はご自分でもぜひ推測してみてください。
みんな大好き新千歳空港ではどんな具合？
北海道の中心都市・札幌に近く、とにかく東京便の本数が多い新千歳空港。まずは最初に検証してみましょう。関東地方からやってくる飛行機の始発は全日空NH987便で6:15羽田発の7:45に新千歳着。到着時刻の早さはさすがです。
ここから野生アザラシ生息地を目指すのですが、私の経験では新千歳空港に最も近い野生アザラシ観察場所は、、、おたる水族館の裏（小樽市）です。
新千歳空港の場合、道内の空港で唯一JR乗り入れがあるので、JR使用も視野にいれましたが、時間帯が微妙で、JRはあまり便利ではなく、空港からタクシー・レンタカー使用が最速のようでした。ルールに従って、到着の10分後の7:55に新千歳空港をタクシーで飛び出し、おたる水族館までの所要時間は1時間20分。つまり9:15におたる水族館の裏にたどり着き、野生アザラシと対面できます。
新千歳空港の記録は9:15です。
こんな具合にどんどん検証していきます。
野生アザラシ最速論：東京の人は女満別空港に下りるのが最速で野生アザラシを見ることができる（と思う）
道内の各空港で↑の新千歳空港と同様に検証した結果、羽田発の女満別空港行き初便に乗り込むのが、東京の人が最速で野生アザラシを見ることができるプランになりました。女満別は羽田便がそこそこ早く到着する＆空港からアザラシ生息地までの距離が短いのです。
以下が私が考えた関東の人が朝起きて野生のアザラシを見るまでの最速論です。
羽田空港発7:00～女満別空港着8:45～女満別空港発8:55（空港待機のタクシーに飛び乗る）
空港を出てどこに向かうか、ですが網走湖。なんと女満別空港から16km、18分の距離。
従って、9:13に野生アザラシにご対面です。新千歳の記録を上回ることわずか2分ですが。
東京で早朝に目覚めた人が9:13には野生アザラシと対峙できると思うと、便利な世の中ですが、昔から比べれば異次元な世界とも考えることができます。
他の空港の検証結果
①釧路・帯広・旭川・函館の羽田直行便が複数飛ぶ空港
これらの空港は朝の東京からの始発便到着便時間は女満別と似たり寄ったり（釧路9:15、帯広8:25、旭川8:45、函館8:20）。空港から生息地までの距離が各空港ともそこそこあるので女満別には勝てなさそうです。帯広空港→大津港はもしやと思ったのですが帯広空港～大津港が55分と出たので、大津港着9:30で惜しい。（ただ、大津港の野生個体はかなりイレギュラーな個体だったので、現在は野生アザラシはまずいないのではと思います。帯広空港着で野生アザラシを見に行くなら襟裳岬に向かうのがセオリーかなと。）
②生息地が近いが羽田直行便数が1日1便チーム（稚内、オホーツク紋別、中標津）
これらの空港は羽田からの直行便の到着が12時過ぎなので最速にはなりません。ただ中標津の場合、朝に新千歳発中標津行き便があるので、6:15羽田発～7:45に新千歳着、新千歳で乗り換えて8:05新千歳発～8:55に中標津に到着できます。
が、この後に野生アザラシ生息地までは時間がかかるので残念です。中標津から野付半島や知床が近いので、有力ではあるのですが。。。
③ダークホース：札幌丘珠、利尻
札幌丘珠は羽田など内地からダイレクトに行くことが不可能なので、最速にはならないかなと。おたる水族館には新千歳より近いので残念。丘珠空港は札幌都心にも近く、もっと活用してほしいですね。。。東豊線を延長して、空港乗り入れまでやってのけたら、福岡市の福岡空港的な位置づけになれればものすごく便利になるはず。
利尻は冬期は新千歳からの便もなく、丘珠空港発の便も島に到達する時刻が15:15なので、最速には厳しいか。。。
（重要！）この記事に従って、女満別空港に降りて網走湖で野生アザラシを見るのは、2023年時点では多分難しい。。。
上述の検討のとおり、理論上は東京から野生アザラシを見るには女満別空港の始発に乗って網走湖に向かうのが最速とはなったのですが、、、。実際に行動する前に注意事項も。
まず、そもそも網走湖にアザラシがいるの？という点です。「網走 アザラシ」とかでgoogle検索しても、トップに出てくるのは10年以上前の情報を載せているうちのサイト。。。1～2年以内くらいの新しい情報がほぼ無いので、網走湖にアザラシが上がってきたのは過去の話なのかもしれません。冬前後の季節なら網走湖至近の能取岬からオホーツク海を見下ろせば沖を泳ぐ坊主頭くらいは見つけられる気がしますし、能取湖などでもアザラシの目撃情報があるようです。
同様に新千歳空港で最も近い生息地としたおたる水族館裏もそこまで野生アザラシを見られる確度が高い場所ではない、、。まぁ、野生アザラシが見られなければ水族館のアザラシを見ても楽しめます。おたる水族館はならむしろ野生モノより飼育個体の方がおすすめできる希有な水族館でもあります。
ある程度、可能性高く野生のアザラシを見るのにおすすめな場所はこちら
ある程度の確度で「野生アザラシを見たい！」ということなら、素直に抜海港、野付半島、襟裳岬や大黒島辺りのウォッチングツアーに参加されることをおすすめします。網走もおたる水族館の裏もかなりの玄人好みというか地味というか、確かに私は過去に野生のアザラシを見てはいるのですが、おすすめするには微妙かな、と思っております。
しかし、東京発で最速で野生アザラシを見るようと思ったら何時何分にアザラシを見ることができるのか、、、というのはリアルでやってみたい気も。誰か交通費を出してくれればやりたいものです。youtubeの企画みたいですが。。。
コメント