現代社会・技術の評論・雑感

時論的に諸問題に持論を展開します

受動喫煙で病気になることはない-タバコより肉食過多に注意を-

2018-11-22 | 医療・健康
目次

はじめに
第1章 私とタバコ
第2章 タバコは体に悪いのか
 2-1 森下敬一(医師)の見解
 2-2 松村紀高(医師)の見解
 2-3 後藤邦汎(食養指導者)の見解
第3章 受動喫煙の害はどれほどか
 3-1 健康被害はないのでは
 3-2 年1万5千人死亡は本当か
第4章 タバコは肺ガンの原因ではない
 4-1 2000年の歴史が証明している
 4-2 戦前は肺ガンはほとんどなかった
 4-3 1965年にも「喫煙の影響は現れていない」と
 4-4 肺ガンの主因は肉食過多
 4-5 タバコの煙は発ガン物質ではない
 4-6 喫煙者減少、肺ガン激増
第5章 嫌煙運動のはじまり-肉とタバコの取り違え
第6章 受動喫煙にまどわされた肺ガン患者たち
第7章 人命より受動喫煙防止が大切か
おわりに

付録
 1.科学は人体のことは苦手である
 2.嫌煙は世界的な傾向ではない
 3.「受動喫煙は健康によくない」は一致した結論か
 4.「肉汁はジューシー」ばかりで良いのか
 5.「嫌煙」は長く続かない
 6.タバコは肺ガンの原因だけだったはずだが
 7.ガンの予防法を勉強しよう

 

はじめに
 東京オリンピックを2年後にひかえて、国と東京都の受動喫煙防止の法律・条例が改正・制定された。
 私は、今、タバコを吸わない。また、自宅勤務であり各種会合も月に1~2回ほどである。そのため煙に出会うことは少ない。だから、法律がどう変わろうと影響はない。しかし、受動喫煙をめぐる議論をみていると、あまりにもひどいものが多い。それどころか有害なものさえある。そこで、私はタバコと健康などに関し、正しく理解してもらうことを念頭に、調べかつ書いてみることにした。



第1章 私とタバコ
 まず、私のタバコ観などを少し書いておく。私は今はタバコを吸わないが、過去30年間吸ってきた。20~28歳と40~62歳とである。その経験では、利害を考えると私にとってタバコのメリットは、総合的にみてないと思ってきた。そのため、私は非喫煙者にタバコをすすめたことは只の一度もない。そのいっぽう、40歳から22年間はヘビースモーカーだったが、この間、慢性病で病院にかかったことはない。食生活を工夫し健康だったからだ。
 私は62歳でタバコをやめたが、その第一の理由は、たくさんタバコすった翌日の午前中(10~11時頃まで)は、タンを出すのになんども大きなセキをしていたためである。
「タバコは百害あって一利なし」と言う人がいる。では、私にとってはどうか。私はタバコをやめてから10数年たったが、今回、メリットがなかったかどうか振り返ってみた。そうしたところ、健康面だけでも一つあることに気がついた。それは、仕事のストレス解消についてである。喫煙時は多くをタバコに求めていた。いっぽう、やめてからは間食やコーヒーにたよっている。そのため、油断すると太りすぎや水分のとりすぎになってしまう。私にとって「タバコは百害あって一利なし」ではなかった。



第2章 タバコは体に悪いのか
 喫煙、受動喫煙の当否の議論をみていると、かなり細かくなっている。こんなときは大局的にみることが大切である。ここでは、多くの患者と向きあってきた治療家3人の観察結果などを紹介しておこう。

2-1 森下敬一(医師)の見解
 森下敬一(1928~)は大学や日赤で血液生理学を研究したのち開業医となった。また、国際自然医学会を立ち上げ研究啓蒙活動もしている。
 森下は、タバコは吸いすぎなければ害はないという見解だが、その理由のひとつは、世界の長寿村の長寿者たちは殆ど皆タバコを吸っているという事実においている。森下は世界の長寿地域(黒海とカスピ海の間のコーカサス地方、パキスタンのフンザ、南米エクアドルのビルカバンバなど)を40回も訪問した。
「世界的長寿郷は、いわゆる文明諸国とは異質な世界である。文明国というヤワな世界の常識は通用しない。
 日中、肉体を酷使する世界的長寿郷においては、酒や煙草を有害視する文明国的常識なんぞ殆ど存在しないか、皆無である。長寿郷の百歳長寿者とくに男性は、おしなべて酒好き煙草好きである。
 グルジアの或る煙草好きの長寿者に「煙草は健康に有害でありませんか」とお聞きしたら、「何を云うとるんじゃ。煙草も吸えない男なんて、角の生えていない牡牛と同じじゃ」と答えられた。それは、女性化されヤワになった文明社会への一喝であろう。
 また、別の時期、別の長寿者に同じ質問をしたところ、「ワシはなぁ、もう百年も煙草を喫っているんだぞ。ワシの親父は 124歳で死んだが、死ぬまで煙草を目から離さなかった。ワシもそうするだろう-」と云われた。
 思うに、吾々は、病弱・短命化した文明社会のマイナス要因を、酒や煙草に責任転化し、贖罪しようとしているのではないだろうか」(『シルクロード長寿郷』1992)
 (注)グルジア(ジョージア)は黒海の東、コーカサス地方の高地にある国
 森下はガン患者を中心とした重病人を、食事指導をメインに治療している。私は森下はガン患者の治癒件数(治療件数でなく)では日本一とみている。森下はガンを発生させる食物群として9項目あげているが、上位の3つは、動物性タンパク食品、精白食品(白米、精白小麦粉製品)、化学調味料類である。(『ガンは食事で治す』2010)


2-2 松村紀高(医師)の見解
 松村紀高(1940~)は内科の開業医である。松村は大変な勉強家で医者が苦手とする「食生活」にも精通している。タバコについてはあまりふれていないが、タバコより油っ濃い食べ物が危険なことをなんども書いている。
「病気の発生は、動物的に自然に支配された生活態度をとっていないこと、遺伝因子、生活習慣の蓄積、自律神経の失調の四つが微妙に絡み合って起こるといってもよかろう。この本では生活習慣の蓄積について話してみる。
 フォートによると、この世の薬害は、一に、アルコール 、二に、タバコ、という。
 しかし、一般患者を診ていると彼らの障害の主たる原因は、一に、アルコール、二に、グリーシーフード、三に、タバコ、と考えられる。
 日本では最近になって肺ガンと胃ガンの発生率が逆転した。こうなると肺や心臓を専門とする外来で診察している限りではタバコの害が大きく感じられる。
 が、体調が悪いと訴えてくる一般外来患者の多くは、その原因が、一に、アルコール、二に、グリーシーフード、による疾患ばかりだ。日本人は、まだまだグリーシーフードを処理できる肉体にはなっていないのだ。日本人は日本人の食事を摂らなければいけない。現代日本の食事は時代とともに変化し、特に外食をするとグリーシーフードばかりになってきた」(『あなたの美食は粗食』1998)
 (注)グリーシーフードとは、とても油っ濃い食べ物
 松村はこうも書いている。「タバコを吸う人に肺ガンが多いといわれる。……が、ニューギニアのツキセンタ族は朝、起きてから寝るまでタバコを吸いまくっている。が、肺ガンはいない」(『前掲書』)

2-3 後藤邦汎(食養指導者)の見解
 後藤邦汎(くにひろ、1939~)は電気技術者だったが、東洋医学系の治療法を幅広く勉強し、国立北京中医薬大学(日本校)で中医学(中国の漢方-筆者注)を学んだ。その後、食事指導をベースに重病患者の治療にあたった。
「私は、二十数年来、多くの末期ガンや重い糖尿病、高血圧の方々と接し、その生活歴、症状・治療歴をメモにとってきました。(中略)
 ガン患者の方に対しては、詳細な生活調査アンケートを行いました。ガンの原因と考えられる要素を外因と内因に分けて聞き、数年前の前兆といったものも伺いました」
(筆者注-外因と前兆の解説などは省略)」
「内因には、⑴甘党。甘いものが好きで……良く食べることがある、⑵牛乳。牛乳、バ
ター、チーズ等の乳製品を、日頃から良く食べることがある……、⑶肉・魚。イ。獣肉
が好きでほんとど毎日、たくさん食べる、ロ。魚が好きでほんとど毎日たくさん食べる…
…、⑷酒。……アルコール類をほとんど毎日飲む…、⑸タバコ。ヘビー・スモーカー、軽
度のスモーカーのいずれも………を上げました」
「……食生活の偏(かたよ)りと思われる場合の(ガンの原因となる)順位
 ⑴甘党。甘いものの偏食・多食。
 ⑵肉・魚の偏食・多食。
 ⑶牛乳・乳製品の偏食・多食。特に牛乳が好きでお茶代わりに飲むような人」
「意外に思うのは末期ガン患者に喫煙者や飲酒家が少ないことです。(中略)
 タバコやアルコールは、そのストレスを多少なりとも和らげる効果がありますから、結果として、発ガンから遠ざけることになるのだと思われます」
「ガン患者の多くは、元々タバコを吸えない人が多い(つまり、タバコは有害なものだが、ガンとはあまり関係ないことを示している)」
(『もうガンはコワクない』1996、『「ガン」あなた、あきらめないで。』1997)
 なお、後藤は「長期に薬を連用した人には、ガン患者が多い」と観察し、薬(化学薬剤)をガンの第一の原因とし、「食生活の偏り」より上位においている。

 以上、3人の見解を紹介したが3人とも治療家として日々患者と対面している人である。その3人がタバコの害は、少なくとも諸病の主因ではないと言っている。



第3章 受動喫煙の害はどれほどか
 受動喫煙に人を病気にさせるほどの害があれば大変なことである。喫煙で病気になっても本人の責任だが、他人の出した煙で病気になるのではたまらないからだ。ここでは受動喫煙でどれほど健康被害がおきるかを、2つの視点からみておこう。

3-1 健康被害はないのでは
 タバコに肯定的な人でも吸いすぎによる害を否定する人はいないだろう。問題は受動喫煙である。
 これについて、まず、私の体験をもとに喫煙と受動喫煙の濃度の差といったことを示しておこう。
 私は30年間いろいろな種類のタバコを吸ったが、40歳以降の22年間はフィルターなしの紙巻きタバコ(ピース)やパイプタバコを愛用することが多かった。これらを吸うと煙の味の濃さをひしひしと感じる。吸いはじめに軽い目まいがすることがある。たくさん吸うと、翌朝食欲がなくなっていたり、舌が焼けたようになることがある。また、たくさん吸った翌朝はバイ煙入りタンが出るが、それを出すため何回も大きなセキをしなければならなかった。私は喫煙で病気になることはないと思っていたが、フィルターなしの紙巻きタバコやパイプタバコはけっこう体には影響があるのだ。これは、フィルター付きのタバコでも程度の差はあるが同じである。
 受動喫煙の場合はどうか。私は受動喫煙の害の報道が広まるようになって、すぐ、「問題はないのでは」と思った。それは、私も他人のタバコの煙を吸うことはあったが、自分で吸った煙の濃度とくらべてあまりにも低いと実体験で知っていたからだ。これは喫煙経験のない人には分かりにくいことかも知れない。
 喫煙は巻紙やパイプを通して煙を吸い込む(主流煙)ことである。いっぽう、受動喫煙は他人のタバコの先端から出る煙(副流煙)や他人がはき出した煙(呼出煙)を吸うことである。通常、喫煙者と向き合っていても1メートルくらいは離れている。そうすると、この間を飛んでくるだけで大気で大幅に薄められる。主流煙と副流煙の濃度の差について、ある人は「副流煙はあっというまに数万分の一になる」といい、ある人は「数千分の一になる」という。これについて日本たばこ産業(IR広報部)の解説を引用しておく。
「たばこを吸われない方の吸い込む煙の量は、環境下や指標(マーカー)によって幅があります。喫煙者との比較については、Benowitzがまとめた報告(筆者注-出典略)があります。また、国内のデータとして、平成15年の『国民健康・栄養調査』(筆者注-頁略)において、喫煙者と非喫煙者の血中コニチン濃度分布が示されており、両者に数百~数千程度の差が認められております」(ネットのBusiness Journalから)。
 以上、喫煙と受動喫煙の煙の濃度の差をみてきたが、受動喫煙で病気になることは、私には考えられない。
 なお、一つ付けくわえておく。ある人は「タバコを吸っている自動車の中へ首を入れただけで私は狭心症がおこる」と言った(横田良介『心臓を長持ちさせる本』1981)。私はこういったことを否定しない。でもこれはよほど体調が悪い人におきることだと思う。

3-2 年1万5千人死亡は本当か
 今、受動喫煙の害を主張する人たちのなかに「日本で、受動喫煙が原因で死亡する人は年間1万5千人です」と断定する人がいる。交通事故の死者数は年4千人ほどだからとてつもなく大きな数字である。では、なぜ断定するのか。それは「1万5千人」は2016年に厚労省から委託を受けた研究班が発表した数字だからである。1万5千人の内訳は肺ガン 2484人、心疾患 4459人、脳卒中 8014人である。
 受動喫煙でこれほどの死者が出るとは、私にはとうてい考えられないが、どうしてこのようになったのだろうか。
 じつはこの数値は、受動喫煙で死亡した個人を基礎としていない。だから、都道府県別の内訳もない。
「1万5千人」の計算方法について責任者の片野田耕太(国立がん研究センター)は「受動喫煙暴露割合(2000年前後)と、受動喫煙による疾患リスクの増加の程度(相対リスク)から、その疾患の何%が受動喫煙によるかを計算=人口寄与危険割合、その割合を2014年の死亡数に乗じる」と書いている(「日本では受動喫煙が原因で年間1万5千人が死亡」、ネットから)。
 これに対して日本たばこ産業(IR広報部)は「本推定は、受動喫煙によってリスクが上昇するという結果に基づく科学論文から引用された肺がん、虚血性心疾患、脳卒中などのリスク比や、アンケートに基づく受動喫煙を受ける人の割合の引用など、さまざまな仮定や前提を置いて試算されたものであると考えられます。……(受動喫煙の影響は)いまだ科学的に説得力のあるかたちでの結論は得られていないものと認識しています」としている(ネットのBusiness Journalから)。
 厚労省研究班のとった手法を疫学(統計学)というようだが、問題は「1万5千人」の妥当性である。
 私は3-1でみたように受動喫煙の健康被害はきわめて低いと思う。とくに喫煙に比べてである。そのため、受動喫煙で1万5千人死ぬのなら喫煙ではこの千倍、万倍の人が死ぬと思う。かりに百歩ゆずって百倍だとしよう。そうすると喫煙で死ぬ人は年間 150万人になる。受動喫煙による死者数と合わせると、タバコで年間 151万5千人が死ぬことになる。しかし、日本人の年間死者数は 127万人(2014年)である。受動喫煙による1万5千人死亡はあり得ない数値である。



第4章 タバコは肺ガンの原因ではない
 受動喫煙の害が社会問題となったきっかは、タバコが肺ガンを起こすという研究結果である。いっぽう、私は過去30数年、タバコはガンの原因ではない思い続けてきたが、今回、あらためて勉強してみて、そのことを確信した。その理由を、順次述べていく。

4-1 2000年の歴史が証明している
 私がタバコの煙で肺ガンは起きないと考えるが、その決定的な理由はタバコは2000年以上の歴史のなかで肺ガンの原因とされてこなかったという事実である。
 歴史上、最初にタバコを吸いはじめたのは中央アメリカの先住民のインディオである。そして、北アメリカ南部、中央アメリカ、南アメリカの諸部族に広がっていた。インディオは文字をもたなかったため確定的な記録は少ないが、出土品や伝説などから、吸いはじめは紀元前からというのが定説である。喫煙は2100年以上の歴史がある。
 タバコは、コロンブスの大陸発見(1492年)によって、まず、ヨーロッパに伝わり17世紀には全世界に広まった(オーストラリアは遅れて普及)。タバコは全世界的には400 ~500 年の歴史になる。そしてこの間、毎年、億単位の人が吸ってきたが肺ガンは問題にならなかった。
 タバコで肺ガンが起きるという研究報告は1930年代からであるが、それもアメリカ、ドイツ、イギリスの一部の人によってである。タバコ肺ガン原因説は点であり、いっぽう、タバコの広がりは面である。
 私は歴史を重視すべしと思うが、これに関し一文を引用しておく。
「それほど悪いたばこなら、どうして何百年もの間多くの人々に愛され続けてきたのだろうかとの素朴な疑問が残る。私たちの祖先は、それほど愚かだったのだろうか」(日本嗜好品アカデミー編『煙草おもしろ意外史』2002)

4-2 戦前は肺ガンはほとんどなかった
 戦中・戦前(1945以前)もタバコは普及していた。ピークの1943年には年間 810億本(製造数量)になっていた。では、この時期に肺ガンが多発していたのか。ここでは2つの解説を紹介しておこう。
 食養法(通称は玄米菜食健康法)の大家に桜沢如一(ゆきかず、1983~1966)という人がいる。桜沢は日本だけでなく欧米にも食養法を広げた。彼の『新食養療法』(初版1939)には 167の病気・症状の解説があるが、ガンについては胃ガンと肝臓ガンのみである。喫煙者の多い時代だったのに肺ガンは少なかったのだ。
 つぎは秦郁彦(現代史家)の解説である。
「意外にも戦前期の医学教科書には、肺ガンの独立項目は見当たらないのである。統計も胃ガンや乳ガンはあるが……1935年の『診断と治療』誌に金沢医専の大里教授が、稀にしか見られなかった肺ガンが最近増ふてきたのに、前年末に東大の長与教室が集計した53例しか統計データが見当らないので全国集計を試みたところ、約 100例になったと報告している記事が見つかった。1950年の10分の1である」(「異様な肺ガンの急増ぶり」(『愛煙家通信No.2』2010年10月5日)ネットから)
 なお、秦は「肺ガンとタバコ」(『病気の日本近代史』2011)でも同様のことを書いている。
 以上、この2つのことからタバコと肺ガンに関係の薄いことがうかがえる。

4-3 1965年にも「喫煙の影響は現れていない」と
 戦後の肺ガンの状況はどうだろうか。私の手元の本に1965年(昭和40)頃の肺ガンにつての解説がある。執筆者は医師の本間日臣(ひおみ、当時虎の門病院)である。なお、JT調査によると1965年度の男性喫煙率は82.3%、2016年度は29.7%である。
「喫煙との因果関係が指摘されるのは、肺癌の中の扁平上皮癌のことであって、他の型のものと喫煙との関係は少ないのです。では、扁平上皮癌は肺癌全体のどの位を占めているだろうか……欧州やアメリカでは、肺癌の50%から65%を占めているという報告が多いようです。ところが現在の我が国の肺癌は、この扁平上皮癌が少なくて腺癌が多いことが特徴的です。私共の 300例を越える病理解剖例についてみますと、扁平上皮癌は約17%にすぎないのに、腺癌は60%以上を占めています。このことは、欧米と日本とでは、肺癌の種類がかなり異なっているということ、および、喫煙が扁平上皮癌と関係ありとしても、その影響は、将来は知らず現在の日本には現れていないことを示すものと考えられます。また臨床家は、非喫煙者の肺癌が実際に多数存在することを知っています」(『病気百科家庭の医学』、雑誌『婦人生活』1965年6月号の付録)
 ここで扁平上皮癌とは肺の入り口である気管支周辺のガンであり、腺癌は肺の奥のガンである。
 私はこれを読んで2つのことを思った。ひとつは「喫煙(の影響)が……現在の日本(1965年頃)には現れていない」と臨床医がみていること、もう一つは、欧州やアメリカの扁平上皮癌は欧米食(肉食過多)から来ているのではないかということである。後者は私の経験・知識にもとづく推定である。

4-4 肺ガンの主因は肉食過多
 ガンの原因はなにか。2章でみたように森下敬一は、動物性タンバク食品や精白食品(白米など)の過食をあげ、後藤邦汎は、甘いものの偏食・多食、肉・魚の偏食・多食をあげている。ただ、これはガン全体についてである。では、肺ガンの原因はなにか。これについて著書などを通して私がよく知っている5人の治療家の見解を紹介しておこう。

鈴木弘一(医師、1935~、保健所長、開業医などを歴任)
「肉食によるガンの典型的な例をいくつかあげますと、肺ガン、乳ガン、大腸ガン、膵臓ガン、甲状腺ガン、胆のうガン、腎臓ガン、膀胱ガン、骨ガン、リンパのガンなどがあります」
「世間では、「タバコ」と「肺ガン」との関係ばかり強調されていますが、それだけでは十分な説明になりません。
 あらゆる「くり返される刺激(慢性刺激)」が「発ガン要因」となることは、一般に知られていますね。したがって、煙草は発ガン要因ですから肺ガン(肺ガンの細胞)を発生させることはできますが、肺ガン(病気としての肺ガン)になったことにはなりません。肺ガンは、発生したガン細胞が周囲の抵抗(免疫)にうち勝って増殖してはじめて成り立つのです。
 この肺ガンの増殖を抑える免疫力を破壊し、肺ガンの増殖に力を貸すのが肉・卵・牛乳などの摂取や栄養失調です」(『なぜ神液はすばらしいの?』1988、ネットから)

新谷弘実(医師、1935~、アメリカと日本で内視鏡治療をしている)
「大腸ガンがアメリカでは毎年1万人ずつ増えており、現在では年間15、6万人が大腸ガンになるという結果が出ています。これが肉食に偏った食生活を続けてきたアメリカ人の現実です。もちろん前立腺ガン(男性の第一位)、乳ガン、肺ガンも同じように肉食によって多くなっていきます」(『胃腸は語る』1998)
「日本人もたばこを吸っていたけれども、昔は魚を少し食べあとは穀類と野菜ばかり食べていたから肺ガンや大腸ガンが少なかったのだ。最近ではおかず、特に肉、乳製品が多くなってきた為にその蛋白質摂取過多が肺ガンや大腸ガンの発生率を多くしている」(松村紀高『あなたの美食は粗食』からの孫引き)

松村紀高(医師、1939~、開業医)
「日本人に大腸ガン、肺ガンが増えてきた原因は、間違いなく食習慣が急激に欧米化して肉や乳製品の摂取量が増加した結果、これらのガンの発生率が増加してきたのは間違いないところだろう」(『あなたの美食は粗食』1998)

井上 明(食養・断食指導者、1948~)
「今、日本で急増しているガンは何か知っていますか。肺ガンと大腸ガンです。では大腸ガンの原因は何ですか。そうです、食物繊維の不足です。皆さんは知っているのに野菜・海草を十分摂りません。大腸ガンが増えて当然です。油の摂り過ぎも大腸ガン急増の原因です。脂肪分は胆汁を出さないと消化できません。ところが、この胆汁の中の胆汁酸が腸の中で発ガン物質に変わります。ですから油物を食べれば食べるほど大腸ガンばかりでなく、肺ガンも乳ガンも子宮ガンも増えます」(『食事改善で真の健康を作る』2004)

忠 宣叡(ちゅうのぶあき、正食療法家、1941~)
「煙草が肺ガンの大きな要因であることは周知のことですが、ほかに動物蛋白食の多食が挙げられます。そのひとつに牛乳の多飲が意外や肺ガン誘発の要因となっているのです。このように肺ガンも当然ながら食の正邪の影響下にあるということです」(『ガンは食事療法で完治させなさい』2009)

 以上5人の見解を紹介したが、共通するのは肺ガンの原因を肉・乳製品の過食などとしていることである。各人タバコに対する見方は異なるが、ここでは取り上げない。
 なお、日本人に過去もっとも多く、かつ現在でも多い胃ガンの原因ついて、桜沢如一はつぎのように書いている。「食養的に見れば明白に原因は陰陽の二種ある。陽性の第一、獣肉や卵の過食、第二、魚肉の過食、で、陰性のものは第一、野菜果物の過食、第二、酸味甘味の過食である」(『新食養療法』1964)。
 ガンは肉食だけが原因ではないということである。

4-5 タバコの煙は発ガン物質ではない
 タバコに関し発ガン物質という言葉がさかんに使われる。「煙草には4000種類以上の化学物質が含まれ、そのうち60種類以上は発がん物質である」といったように。私はこれをなんども読んできた。そのうちにこれは変だと思った。というのはタバコの煙は、4千種以上の化学物質とその他のものが一体となったものだと思ったからだ。これについて、森下敬一(医師)の解説を紹介しておこう。
「タバコ肺ガン説(で)……タバコのタール分が肺ガンの原因になる、という結論が引き出された。……「タールの悪作用」ということにマトをしぼっていけば、必然的に発ガンに行きついてしまう。だが、そのことは実際の喫煙とは、ほとんど関係ないといっていいほどかけ離れた事柄なのである。
 タバコを吸うことは、タールという純粋な化学物質を体にとり入れるのではなくて、タバコの葉を燃やすことによって生じたもろもろの成分を全体として受け入れるものだからだ」(『ガンは恐くない』2001)
 ちなみに、ある事典には「タバコの燃焼の際生ずる煙は煙霧質(エーロゾル)であり、液体の粒子からなる分散相(粒子相)と分散煤(ガス相)とから成り立っている」とあった(『ブリタニカ国際大百科事典』1995)。

4-6 喫煙者減少、肺ガン激増
 私は喫煙者が減っているのにガンが増えていることは20年前には気づいていた。統計をみなくても回りをみると分かるのだ。肺ガンとの関係については喫煙文化研究会の解説を紹介しておこう。
「長期で見ると、この50年間で男性の喫煙率は84%から30%まで50ポイント以上も下がり、男性喫煙者は昭和40年の2675万人から平成27年には1562万人と、1100万人も減少していますが、肺がんの罹患者数、死亡者数は増え続けています」(『たばこはそんなに悪いのか』2016)
 肺ガンの死者数(男女合計)は昭和40年(1965)は約7500人、平成26年(2014)は7万人以上である。
 肺がんの異常な増加に関し、高齢化とか、診断技術の向上のためといった解説がある。しかし、それでは説明できないほど増えている。タバコは肺ガンの原因ではない。



第5章 嫌煙運動のはじまり-肉とタバコの取り違え
 嫌煙運動のみなもとを知ることは、受動喫煙問題の本質に迫るのには必須である。
 嫌煙運動はアメリカから広まったというのは定説である。ここでは、私が出した結論を先に示しておこう。参考文献などは後に示す。
 私は、アメリカでは1950年代に肺ガンが多発したが、それは肉食過多のためであったのに、タバコだと取り違えたところに嫌煙運動のみなもとがあると思っている。以下は私の仮説ではあるが、ほぼ正しいと確信している。
「嫌煙運動はアメリカでおき、各国に広まった。
 1900年頃のアメリカは全粒粉の黒パン中心の食事で健康だった。そして、これは1950年頃まで続いていた。
 いっぽう、アメリカでは1930年頃からトウモロコシの生産が伸び過剰となった。余ったトウモロコシは肉牛のエサとなり牛肉の生産が徐々に増えた。そして、1950年あたりから牛肉がアメリカ人の食事にどんどん増えていった。
 肉食増加の動きに並行して、戦後(1945年以降)肺ガンが増えた。そして、1950年代末には肺ガンが大腸ガンを抜いてガン死亡の第一位となった。
 こんななか、一部の研究者たちは肺ガンはタバコが原因と発表していた。そして、それを1964年に政府(公衆衛生局長)が追認公表し、一部の大衆が支持し、アメリカ全体に広まり、今日まで続いている。
 いっぼう、アメリカでは健康問題で別な動きがあった。
 1975年に医療費の増大に悩むフォード大統領は栄養問題特別委員会(マクガバン委員会)を作った。この委員会は1977年に報告書(マクガバンレポート)を出し、「アメリカなど先進国の食事は、脂肪や動物性タンパク質が過剰で,ガン、心臓病などの原因になっている。未精白の穀物と野菜を中心とする食事に変えるべきだ」といった提言をした。
 アメリカ政府はこの報告を受け入れ政府主導で食事改善を訴え、ガンによる死亡者も減った。
 アメリカ政府は肺ガンの原因はタバコではなく肉食過多と気づいたのだが、どうしたわけかタバコの問題はそのままとしてしまった」
 以上が、私の結論である。

 以下に私が参考にしたものを紹介しておく。

「1900年頃のアメリカは全粒粉の黒パンが中心で豆類もよく食べていた。50年前(1950頃)でも、まだ穀類と野菜と豆類がたくさん食べられていた。ところがここ50年で一変した。肉類と乳類が増えた」(㈱玄米酵素(健康食品)岩崎輝明の講演(2003年)メモから)

「アメリカに移住したヨーロッパ人はトウモロコシなどの穀物栽培を開始し、広大な土地を活用して大規模な農場経営を進めていきました。その結果、1930年代には……大量の穀物が余るようになりました。そうした背景を受けて、20世紀半ばには余剰穀物を活用した畜産方法が確立され、大規模な畜産経営が広がりました」(クックドア『ステーキハウス事典』、ネットから)

「喫煙と病気の関係を報告する研究は1930年代からいくつかあったが、1950年代には、その種の報告が激増し、アメリカがん学会などの健康関連グループがそうした主張を支持した」(日本嗜好品アカデミー編『煙草おもしろ意外史』2002)

「アメリカではガンは、1900年には25人に一人発生していました。1950年には8人に一人
。1985年には、3人に一人。このままいけば2000年には、2人のうち一人はガンになるこ
とが予想されます」(久司道夫『マクロビオティック入門』1997)

「アメリカでは戦後、肺がんよる死亡者が増加し、1950年代末には大腸がんを抜いてがん死亡の第一位となりましたが、なおその騰勢は著しく、その原因が追求されていました」
「そして、たばこ肺がん説を世にアピールするマイルストーン(画期的なこと-筆者注)となったのが、1964年の米公衆衛生総監諮問委員会の「喫煙の健康影響」レポートでした。このレポートは、シガレット喫煙は男性の肺がんの原因となる……などを指摘しました」(喫煙文化研究会『たばこはそんなに悪いのか』2016)

「私が渡米したのは1960年(昭和35年)、その頃と言えば、何としても大戦で勝利を克取った世代が中堅層をなし、自信と楽観が支配したアメリカの黄金時代であった。……常に大きな肉塊が食膳を賑わし、煙草とコーヒーは常習というライフスタイルを何の疑いもなく受け入れていた時代であった」(江崎玲於奈「アメリカと日本で」(新谷弘美『胃腸は語る』1998所収))

(マクガバンレポートについて)
「1975年、アメリカのフォード大統領(当時)は上院議会に、直轄の諮問機関として栄養問題特別委員会(マクガバン委員会)を設置しました。当時のアメリカはガンや心臓病、糖尿病、肥満などの成人病(現在の生活習慣病)を患う人が急増し、国民医療費も急速に膨れ上がった」(森山晃嗣『アメリカはなぜ「ガン」が減少したか』2002)
「(1977年のマクガバンレポートの骨子は)アメリカをはじめとする先進国の食事は、脂肪や動物性タンパク質が過剰で,まったく不自然でひどい内容になっており、これがガンや心臓病、脳卒中、糖尿病などの原因となっている。健康を回復し、保つためには未精白の穀物と野菜を中心とした食事に切り替えなければならない」(森下敬一『ガンは恐くない』2001)



第6章 受動喫煙にまどわされた肺ガン患者たち
 事実でない受動喫煙の害が広がるにともない、多くの場面で被害を受ける人がおおぜいいる。ここでは、そのなかから煙の害を意識しながら亡くなっていった人たちの事例を2つ紹介しておく。いずれも10数年前の話である。
 まず、甲さん(60代前半男性、以下敬称略)のことである。甲は私の知人である。10数人が集まる会合でなんども同席したが、個人的に話したことは少なかった。あるとき、一泊研修旅行に参加した。翌朝、有志10数名ほどで旅館ちかくの川をながめに行った。そのとき、私はタバコを吸ったが、2~3メートル先にいた甲がいやな目つきで私をみていた。私は甲が煙をいやがっていることはすぐ分かった。
 それから1~2年後、甲が肺ガンで亡くなったことを知った。あのとき肺ガン闘病中の甲は回復のため煙をさけようとしていたのだ。
 つぎは乙さん(60代前半女性、以下敬称略)のことである。乙は私の知人の知人で、会ったことはない。あるとき、知人から乙の追悼文集を見せてもらった。そこには乙自身の文章ものっていたが「私はタバコを吸わなかったのになぜ肺ガンになったのか、副流煙のせいかしら」と書かれていた。以下は私の想像をまじえた話である。
 乙は、多分、自分の肺ガンの原因を副流煙だとは思っていなかったと思う。しかし、肺ガンの原因を最後まで分からなかったのだ。私は乙の文章から、肺ガンの原因を教えてくれなかった医者など治療関係者に対するうらみのようなものを感じた。
 私は、この2人が肺ガンの原因を正しく知っていたなら、もしかして助かったかも知れないと思った。肺ガンの原因ををタバコの煙とする論調の被害者だとも思った。
 この2人の事例は特殊なものではない。他にも似た話を聞くからである。



第7章 人命より受動喫煙防止が大切か
 私はここ数カ月、受動喫煙防止を徹底して主張する人たちの意見をたくさんみてきた。そうしていると不思議な気持ちなることがあった。それは、受動喫煙防止より大切なことがあるのではないかということだ。たとえば、むずかいし手術をする医師が喫煙者だったとしよう。かれの手術を受ける人は、手術の開始直前にタバコを吸ってもらい、最高の精神状態で手術しミスがないようにしてもらいたいだろう。しかし、病院敷地内全面禁煙なら手術直前にタバコを吸えない。全面禁煙は命より大切なのだろうか。
 こんなことを考えているなか、大阪府の松井知事が休憩時間に公用車内でタバコを吹い(2018.10.2)、府議会で自民党議員から追求を受けたことが報道された。大阪府の庁舎は全面禁煙である。知事も庁舎外でしかタバコを吸えない。私はこのことを知って「なんと馬鹿げたことか」と思った。知事は行政の最終決定権者である。日々諸事項をどう決めるかでストレスをためているはずだ。また、地震・津波、台風など災害の際には行政の最高指揮者であるが、指揮如何では助かる人も助からなくなる。このような重要任務にある者に、庁舎内禁煙でイライラさせていいのだろうか。私はこれは「人命より受動喫煙防止が大切」なケースだと思う。
 イライラさせていけないのは医者や知事に限ったことはではない。私はパイロットや車などの運転手もイライラのない状態で運転してもらいたい。また、演奏家や講演者にも最高の状態でやってもらいたい。でも、会場が敷地内全面禁煙ならイライラ状態でやるしかない。
 事例をあげれはきりがない。人をイライラさせてはいけないのである。



おわりに
 タバコにマナー問題はたくさんある。しかし、健康被害はそれほどないというのが私の見方である。ところが、今、日本では受動喫煙防止に大きなエネルギー・経費がさかれている。喫煙室をたくさん作り、喫煙禁止路上で取りしまりをする人まで増やしている。
 でも、お金ですむことならがまんもできよう。大きな罪は「タバコの煙を吸わなければガンの予防・治療になる」と思わせることである。私はボランティア的ではあるが代替医療の資料提供を通して、年に数名のガン患者を支援している。そのためガン患者のことは少しは分かるが、ガンになるととても大変である。短期間のうちに有効な代替医療をつかむことが必要になる。煙を吸うか吸わないかを気にしているひまはないのである。




付録

1.科学は人体のことは苦手である
「タバコで肺ガンになる」と言いはじめたのは科学者であろう。今は科学優位の時代である。科学者が言ったとなると信じたくなる。しかし、じつは科学は電気や機械には強いが、人体のことには弱いのである。だから、われわれは健康や病気ついては科学者の発言といえども疑ってかかる必要がある。何をもとにといえば経験、事実、常識である。
 科学と人体に関し山中伸弥京大教授(医学者)はタモリとの会話で、「人体の仕組みはまだ10%位しかわかっていない」などと言った(NHKテレビ「人体」シリーズの 2回目、2018.1.7再放送)。

2.嫌煙は世界的な傾向ではない
 タバコについて色々読んでいると、日本の規制はかなりきびしいことがわかる。喫煙禁止の道路が多いからだ。他の国では建物内全面禁煙でも道路では吸える。
 きびしい喫煙規制は世界的傾向でない。浅田次郎(作家)はつぎのように書いている。
「多くの嫌煙家は、禁煙が世界の趨勢であると錯覚している。正しくはアメリカ合衆国とその文化的影響下にある諸国の趨勢である。禁煙はグローバル・スタンダードではなく、アメリカン・スタンダードなのである。少なくともヨーロッパには、かくもたばこを敵視する国はない。アメリカに倣(なら)うことを正義だと信ずる人々は、政治家同様愚かしい」(「たばこ飲みのひとりごと」コネスール編著『タバコの「謎」を解く』2002)

3.「受動喫煙は健康によくない」は一致した結論か
 今回、新聞の社説をたくさん読んでみた。読んだもの全てが「受動喫煙は健康によくない」を前提に書いていた。世の中では賛否両論なのに不思議である。
 評論家の見解も調べてみた。こちらは「きびしい規制には反対だ」、「受動喫煙に害はない」といったものが多かった。嫌煙派とみられる人はわずかだった。
 この違いはどこから来ているのか。私は新聞社で社説を書いている人のなかにも「受動喫煙は健康によくない」と思っていない人もいると思った。でも、商業新聞は大衆から強い反感のあることは書けないのだろう。
 政治家や医者などの多くも嫌煙派である。しかし、かれらも大衆を意識しているのだ。

4.「肉汁はジューシー」ばかりで良いのか
 テレビから喫煙の場面は消えた。深夜放映の昔の映画でたまに見るくらいである。いっぽう、肉を食べながら「ジューシーで美味しい」とさけぶ場面はたくさんある。
 動物性食品は人間にとって必要なものである。でも、肉の食べすぎはガンにもつながり危険である。私は「ジューシー」とさけぶテレビ画面が多すぎると思う。亡国の兆しでなければよいのだが。

5.「嫌煙」は長く続かない
 ここ半年ほど、毎日タバコのことを考えてきた。そうすると、通りすがりに、普段気がつかないにおいに気がついた。焼き鳥屋からの煙と墓地からの線香の煙である。でも、それらの煙を避けて通ろうとしている人はいない。あるご婦人は、焼き鳥の煙を「いいにおいですね」と私に言った。
 いま、タバコの煙だけが異常に嫌われている。「嫌煙は長く続かないだろう」と言った人がいるが私も同感である。

6.タバコは肺ガンの原因だけだったはずだが
 当初、タバコは肺ガンの原因とされただけだった。ところが、いつのまにか全ての慢性病の原因とされている。これに関し私は塩分の取り過ぎを思い出した。これも当初は高血圧の原因だけだった。それが、いまでは全ての慢性病の原因となっている。
 すべての病気の原因ということは、すべての病気と縁が薄いということではないか。
 ここでは塩分の問題は書けないが、東洋医学系の人は減塩を説いていない。読者も「減塩が健康に良い」は仮説とし、ご自分で当否を検討していただきたい。
      
7.ガンの予防法を勉強しよう
 嫌煙問題の中心は「タバコはガンにつながる」か否かである。それが議論されて数十年になる。それなのに、相変わら30代、40代、50代の働きざかりの人がガンで亡くなっている。今回、私は嫌煙派も非嫌煙派もガン予防法をしっかり勉強すべきだと思った。そこで、一冊の本を紹介しておこう。森下敬一『ガンは食事で治す』(KKベストセラーズ、新書、2010、単行本、2018)である。この本は代替医療の本だが、現代人向けに理論的に書かれており読みやすい。タバコについての解説もある。この本を手掛かりにして、さらに勉強していけばよいと思う。




(参考1)私の現在の活動が良く現れているブログ
おどろくほど健康になれる食事法
ガンを克服するための諸情報
(参考2)下記の文章は私が過去にタバコについて書いたものです。
健康の大敵-タバコは上位にきますか?
病気の原因(1)タバコ?
食事指導の先生がタバコを吸っている?
ガンとタバコ
副流煙に罰則は必要か
官と民の違い-タバコ規制を手がかりとして-

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