森の聲だより

痛みに耐えるときこそ

病室に入ると
横向きになってしっかり柵につかまって
不安そうなお顔の患者様がいらっしゃいました。
「アロマボランティアのものですが・・・」というと
小さく頷かれました。
「お辛いですか?」と問うと
「痛みがあるのでここを掴んでいないと・・・」
痛みに耐えるためにベッド柵をぎゅっと握っているようです。
上向きにはなれないことを伝えてくれます。
背中側にはレスキューとテープが貼ってあるPCAポンプがありました。
痛みが強い時にレスキューボタンを押すと麻薬が流れるようになって疼痛を緩和できるようになっています。
看護師さんからも事前に調子が悪いようなら
無理してアロマケアをしないよう言われてましたので
ご本人にも
「お辛いようでしたら、いつでも中止にできますので
我慢せず仰ってくださいね」とお伝えしてからアロマケアを始めました。

ギューッと柵をつかんだ左手をそっと私の手で包み込み
始める合図をすると
患者さまも目を閉じます。
そのまま続けると襲ってくる痛みに
時々奥歯をかみしめているようでした。
「大丈夫ですか?」と尋ねると
「はい」という返事をくれました。
そのままゆっくり包み込むように続けます。
冷たかった手が少し温まってきました。
ゆっくり腕全体を流していきます。
すると呼吸が深くなっていきました。
左手が終わると
「気持ちがいいのに痛みでうまく体の力が抜けなくて勿体ないです。。。」と

今度はギューッとつかんでいる右手をとり
同じように私の掌で暫く患者さまの手を包み込みます。
じわ~っと手の温もりが伝わるように。。。
そうするとさらに呼吸が深くなっていきました。
そして眉間のシワが緩んできました。
手の力が抜けて
冷たかった手がほんのり温かくなってきました。
15分ぐらいアロマケアをしていたと思います。

終えると「手が温かくなってる。気持ちよかったです」と
少し笑顔を見せてくれてました。

痛みとその恐怖で抜けずにいたカラダの力・・・・
ぎゅーっと柵を掴んでた手・・・
私は患者さまの表情や
手の温度を気にしながら
副交感神経が活性するように
そして「痛みが少しでも楽になりますように」と
祈りながらアロマケアに集中します。

何かと闘っている時
リラックスして余分な力が抜けるような
そんな時間がとても大切だと思います。
少なくとも今のこの患者さまにとっては
その時間が必要だと思いました。
ベッドの向こうにあったレスキューと同じくらいに・・・・



二拠点生活始めたフリーのアロマナースの日々のこんな活動!

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