写真記

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3月9日(驚異の魔境アマゾン!ピライーバに挑む)

2023-03-09 | 写真
28年前の1995年7月9日にテレビ朝日で放送されたザ・スーパーサンデーという番組です。撮影を担当しました。
「驚異の魔境アマゾン 世界最大の巨大怪魚!ピライーバに挑む」と題し、俳優の近藤正臣さんが釣り人として出演しました。約40日間のロケでしたが、当時はオウム関連事件が起きていた頃で、撮影出発日は、1995年3月20日(平成7年)でしたが、その朝午前8時頃、地下鉄サリン事件が起きました。しかし大事件が起きたという認識はあったものの、オウムに絡んでいたなどの詳細はブラジルへ着いてからもしばらく解りませんでした。
インターネットなども一般的にまだ始まっていない時期でしたから、情報入手には相当手間と時間がかかりました。

ニコニコ動画(原宿)に登録すると見られます。

驚異の魔境アマゾン 世界最大の巨大怪魚!ピライーバに挑む その①ニコニコ動画(18:07)
驚異の魔境アマゾン 世界最大の巨大怪魚!ピライーバに挑む その②ニコニコ動画(20:38)
驚異の魔境アマゾン 世界最大の巨大怪魚!ピライーバに挑む その③ニコニコ動画(23:33)
驚異の魔境アマゾン 世界最大の巨大怪魚!ピライーバに挑む その④ニコニコ動画(20:16)
驚異の魔境アマゾン 世界最大の巨大怪魚!ピライーバに挑む その⑤ニコニコ動画(13:38)

アマゾンへの旅は驚きの連続であった。撮影は赤道直下ベレンから始まったが、初日の撮影中、スタッフの一人がまとわりついた何者かにウエストポーチに入れてあった財布、パスポート等が奪われる事件からのスタートとなった。

当時53歳の近藤正臣さんは実に穏やかな人柄だった。過酷なスケジュールに文句一つ言わずムードメーカー的存在に徹し非常にありがたい存在であった。トランプカードの扱いは目の前で見ても見破れない程のプロ並みの腕前であり、現地の子供たちとの関係作りに大いに役立った。大河ドラマ始め、近頃の近藤さんの素晴らしい演技には感動している。

アラグアイ川のモーターボートでの2時間ほどだと聞かされた移動は、トラブル続きで結局7時間以上かかったのだが、今思い出しても恐ろしい記憶が蘇る。真っ暗闇の中、猛スピードでのボートの移動は左右の岸をサーチライトを交互に向けながら確認して進むのだが、岸に近づき過ぎてしまい、張り出した大木にぶつかりそうになったのだ。奇跡的としか言いようがないのだが、カメラを抱えながら偶然後ろに寝そべったその時にすれすれに通りすぎたので助かったが、今思い出しても不思議だ。一秒でも遅れたら、と考えるとゾッとする。予兆は何もなかったのだから。
そんな事がありながら着いたその宿もとんでもないものだった。勿論誰もいないし、隙間だらけの蚊の大群だらけの小屋のようなもので、持参した蚊取り線香を何本もつけたまま煙に巻かれながら寝入った。翌日起きれば、目の前の川岸には小さいながらワニが挨拶に来ている、そんな場所だった。

ネグロ川の漁師「シシュア」が船で移動中、ひょいと汲み上げた川の水を使い入れてくれたインスタントコーヒーの旨さも思い出す。
また、過酷な40日間のロケ中、撮影スタッフは何とか無事に乗り越えたものの、現地コーディネーターの一人が途中熱病に冒され一時撮影隊を離れたこともあった。心配されたマラリアではなくてほっとしたものだ。

圧巻は「弓矢の漁師シャンドン」だ。二人しか乗れない手こぎの小さいボートでの漁だが、彼の目はいったいどうなっているのか、静かに弓を持ち、矢を添えて狙いを定めたその先には必ず獲物がいて、仕留めるのだ。どんなに目を懲らそうが、こちらにはまったく解らなかった。魚を射止め、振り返ったシャンドンの嬉しそうな得意げな笑顔が思い出される。
なお番組でのナレーションでは「私たち」と言っているが、この小さい船には二人しか乗れない。シャンドンとの楽しい思い出だ。
漁の最中、彼の背中には相当な蚊がたかっていたので漁が終わった後「蚊には慣れていて大丈夫なのか?」と聞いてみたら「大嫌いだ」との返事が返ってきた。

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