恋愛ブログ

世にも不思議な物語。
出会いの数だけドラマがある。
一日一話愛の短編物語。
〜ショートストーリー〜

4.踊るサンタ

2022年12月24日 | 冬の物語
 ジングルベルの音が聞こえてくる12月24日クリスマスイブ。
 2階の部屋にいるケンタが枕元に靴下を置いて、寝る準備を始めた。窓からは、ヒンヤリとした空気があり、雪がフワフワと降っていた。1階では、サンタに扮した父親がプレゼントを押し入れから出して、椅子の上に置いて準備をしている。
 夜中を0時回った頃、もうそろそろ寝ただろうと思い2階の部屋のドアを少し開けると布団にくるまっているケンタの姿が見えた。
 「よし。今がチャンス!」とゆっくりと足音を立てずに枕元にプレゼントを置く。その時、ケンタの目がパッとあき、がばっと起き上がった。
 やばいと思い、急いで窓から出た。窓のサッシにサンタの袖が引っかかって、ぶら下がった状態になった。
 どうやらトイレに起きたようだった。
 ベランダに飛び移り何とかバランスを保った。
 トイレから帰って来たケンタがプレゼントに気付き、開けている。このまま、寝るまで待つかと思ったが、外は凍えそうな寒さだった。隣の家の屋根がすぐ側にあり、ベランダから移り、雨どいをつたって下に降りれないこともないなと思い、下に降りることにした。
 まず隣の屋根にぴょんと飛び、雨どいを掴み下に降りていく。隣の家の犬小屋に足をかけて無事に降りることに成功したが、犬がとびかかり、サンタの服を噛もうとしている。
 やばいと犬の頭を撫でて、隣のおじさんだよと言い聞かせた。いつも餌をやっているから仲は良い。見た目は違ったが、匂いで分かったのか、「クーン。」と甘えた声を出している。
 その犬の鳴き声がうるさかったのか。ケンタが窓を開けて、こちらを見ている。2階と隣の庭で、目と目が合った。
 こういう時の為にサンタの格好をしてきて正解だった。
 気まずくなり、ツイストダンスを踊った。
 それを見たケンタが大声で、隣に泥棒がいるって母親を起こしに行った。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿