わが町Ⅳ 悪女?愛人?聖女? 殺された女の本当の顔(1994年) | 勝手に映画紹介!?

わが町Ⅳ 悪女?愛人?聖女? 殺された女の本当の顔(1994年)

わが町Ⅳ 悪女? 愛人? 聖女? 殺された女の本当の顔(1994年)

 

無料のBSチャンネル“BS12”で、毎週木曜日に放送中…元々は日テレの火曜サスペンスで放送された2時間ドラマ、渡辺謙主演の「わが町」シリーズを追いかけている。アメリカ人作家エド・マクベインの代表作である「87分署」シリーズを原作とし、「太陽にほえろ!」や「金曜日の妻たちへ」の鎌田敏夫が日本風に翻案、脚本を担当。全10作あり、BS12でも順次放送。今週の放送分は4作目「わが町Ⅳ」…原作小説は「被害者の顔 87分署シリーズ」だ。BS12版のサブタイトルは日テレ放映時と異なる時もあるが、今回はWikipediaに載ってる当時のものと一緒だな。

 

西月島警察署の森田吾郎と黒土朝男が宿直を担当している夜に事件の一報が入った。現場はMANABE酒販という酒店の倉庫だという。2人は直ぐに現場へと向かうのだが…黒土の様子がどこかおかしい。やがて倉庫の中で新谷隆子という女性従業員がバッドで殴られ、倒れているのが発見され、死亡が確認された。そして現場には被害者と待ち合わせをしていたという、通報者の知人男性・水木悟もいたが、彼は盲人だった!通報者の水木や被害者の雇い主・真鍋公二に疑いの目が向く中、吾郎は、黒土と被害者の女が愛人関係だった事実を知ってしまう!

 

1作目では主演の渡辺謙、2作目では同僚役の蟹江敬三、3作目では同じく同僚の平田満のいわゆる“お当番回”だったが、この4作目では佐藤B作が“お当番”だった。ちなみに前回の“お当番”の平田満と、捜査中に撃たれて死にかかった川野太郎は、作中で特に言及されないのだが、出番がなくお休み。その都度、同じ部署の同僚がいたり、いなかったりするのも、こうして改めて見ると意外とリアルだな。ただ、アメリカの作品を無理やり翻案しているからか、刑事たちの“被弾率”がハンパなく高いんだけどね…前回までは毎回のように、誰かしら撃たれてた。

 

ということで、今回のお話だけど…謙さんとB作の宿直中に事件の一報が入り、すぐに現場へと駆け付ける(謙さんはお当番の同僚とコンビを組むことが多い)。そこは酒販会社の倉庫だったんだけど、中では酒瓶が大量に割られていて、そのすぐそばにバッドで殴られた女の死体が!そして、なんだか通報が入った段階からB作の様子がおかしい。そうなんだよ、なんと殺されていた被害者は、B作の“浮気相手”だったんだ。現実の佐藤B作も、かつては女がらみの噂が絶えなかったが(笑)、まるで当て書きされたかのごとく、女にだらしがない男の役だった!

 

実は今回の被害者…シリーズ1作目から既に名前が出ていて、その頃からB作の浮気疑惑は囁かれていた。それこそ前回の3作目では、同じ名前の人物が何者かから殺人予告を受けるというのがメインの話になっていて、“B作(が演じている刑事)の嫁が犯人じゃないか?”って同僚たちがからかう場面もあったんだけど…それが現実になる。今は、毎週見てるんだけど…当時は連ドラじゃなくて、不定期放送の2時間ドラマだったんだよ。それなのに、シリーズを俯瞰した伏線が忍ばせてあって、さすが鎌田敏夫!もしかしたら原作にもあるネタかもしれんが?

 

物語としてはなかなか面白いんだけど…被害者と顔見知りどころか、刑事本人も一時的に犯行を疑われ、その嫁はさらに濃厚な疑惑をもたれた容疑者のに、同僚たちが“見て見ぬふり”を続け、結果的に同僚の不倫を黙認するようなかたちになるのは、さすがに“おいおい”って思いたくはなる。B作も女関連のスキャンダルが絶えなかったが、何気に謙さんもねいろいろと報道された過去があるからな…。劇中の謙さんは、実際に不倫は行わないが、新婚の嫁に疑われてしまうような行動をとり…現実と重ね合わせて、色々と複雑な気持ちにもなってしまった。

 

っていうか…2作目の蟹江敬三お当番回も、何気に容疑者の女といい雰囲気になる話で、現段階で4作中2作が“刑事が不倫する話”っていうのもなんだかな。きっと、このころは…“不倫が文化”だったのだろう。って、そんなことを開き直って大っぴらに言ったのは石田純一くらいだって(笑)ホントにB作の嫁が犯人なのか?いやいやあの盲人も怪しいだろとか…真犯人が見つかるまでの紆余曲折は、なかなか緊張感があるんだけど、真相がわかってみれば、意外と大したことがない。今回、謙さんの同僚は撃たれなかったけど、今回も撃たれる刑事は出てきた。

 

 

監督:木下亮

出演:渡辺謙 佐藤B作 勝部演之 松井範雄 蟹江敬三 有森也実 左時枝 井田州彦 北村総一朗

 

 

【原作小説はこちらです】

被害者の顔 87分署シリーズ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

被害者の顔 87分署シリーズ (ハヤカワ・ミステリ文庫)






 

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