さまざまな「壁」 - くくの心

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さまざまな「壁」

2005-06-02 23:07:13 | エトセトラ
 文系、理系の区分にこだわる時代は終わったのではな
いか。これからは、文系でも理系的センスを、理系にも文
系的思考が必要ではないか。そう問い続けているのが毎日
新聞の連載企画「理系白書'05」(毎週水曜朝刊掲載)だ。
今週は、元村有希子、永山悦子両記者が「文系学生 科学
を学ぶ」と題してレポートしている。

  お茶の水女子大が毎週水曜に開講する文理共通の「基礎
 ゼミ」。理学部の服田昌之・助教授(生物学)が担当する
 「科学ニュースを読みとく」は受講希望者が多く、抽選になった。
 文系6、理系13の計19人が参加する。(…)発達心理学を学ぶ1年
 の森澤友紀子さんは「高校時代、数学も理科も好きだったけど、
 先生は『急いで解け、暗記しろ』ばっかり。だから嫌いになった」
 と振り返る。そんな文系学生の目を、どうすれば科学に向けられる
 か。一つのカギは、日常生活と関連付けて、学ぶ意味を明確に示す
 ことだ。 


 約1500字の記事の前半部分をまとめると、このような感じになる。
理系科目を文系科目のような詰め込み型で教えることの弊害がよく
わかる。なぜ、高校の先生は「急いで解け、暗記しろ」と言ったの
だろうか。一つは、日本の受験システムが挙げられるだろう。大学
受験勉強は、理論よりも「テクニック」が重視される。その科目が
好きか嫌いかは関係ない。とにかく、点数が取れればいい。こうした
考え方が依然として横行している。結果として、森澤さんのように
「理系嫌い」になった生徒は多い。

 もう一つは、先生自身が数学や理科を愛していないのだ。もし、敬
愛しているのなら「暗記しろ」などといったことを軽々しく口にしない
と思う。少なくとも、正解にいたるプロセスは説明するはずだ。さらに
一歩先をいく教師なら、その科目の楽しさまで伝えるだろう。真のおも
しろさよりも点数アップ。こう考える先生が多いのは、受験システムと
自身の視野の狭さからくるのではないか。

 本来、「日常生活と関連付けて、学ぶ意味を明確に示す」のは、低年
齢時からすべきではないか。例えば、大学生と小学生を比べれば、小学
生の方が感受性が豊かだ。同じ現象をみても、小学生の方が素直な反応
を示す。大学生はなまじっか勉強しているため、感動は薄い。つまり、
年齢が低ければ低いほど文理の壁は壊せると思う。その点、中学受験な
どはネックになっているのではないか。いい学校に入り、高い教育を受
けたい。そう思うのもわかる。ただ、代償として「学ぶ意味」をどこかに
置き去りにしている気がしてならない。

 小、中、高、そして大学。日本はこの4区分の連携が薄い気がする。数
年前から沸き起こった学力低下論争は、大学が震源地だった。その後、中、
高などにも広がっていくが、意識の共有はみられない。みんなで日本の教
育を変えていく。そのような気概はないようだ。まずは、学校(小・中・高・
大)間の壁を壊し、活発な意見交換から始めるべきではないか。

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2 コメント

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「暗記」はどうよ (クールなメガネ)
2005-06-05 01:55:11
岩波の国語辞典によると



「暗記」とは「(文字を見ないでも言えるように)そらで覚えること」だそうだ。



理解や興味に裏付けられた「暗記」もありえるわけで、



「訳のわからないことを、とにかく頭に叩き込む」ことだけが「暗記」ではない。



理解した内容を頭に入れて、再現できるようにすること自体は、大切なことだ。



それぞれの文脈での「暗記」のニュアンスの違いに注意したい。
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返信遅れました (tsuyoshi)
2005-06-09 21:53:58
>クールなメガネさん



コメントありがとうございます。確かに、暗記にもいくつか種類はありますよね。本文で紹介した例は、「とにかく頭に叩き込む」型ではないでしょうか。元々、数学や理科が好きなのだから、導き方を誤らなければ嫌いにはならなかったと思います。



ホリエモンの「ホリタン」式勉強法はどうなんでしょうかね。丸暗記とうたってはいますが。
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