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資本主義の夢(10)

2023-05-21 | yy89資本主義の夢


戦後資本主義の大発展には、SCAP(連合国軍最高司令官)の権威を借用した中央官僚の手腕があったといわれています。一方、その底流には逆方向に、自由に解き放されたと感じた国民個々人の巨大な楽観が沸き上がっていた、とみることができます。
この時期、福沢が夢見た尚商立国、つまりリバタリアン的世界がついに実現したといえるでしょう。
この後、シーンはまた一変して、ソ連崩壊、バブル崩壊があり、冷戦に勝利した米国一強のグローバリゼーションが始まります。インターネットサイバー新世界の広大な開拓地で米西海岸のリバタリアン起業人たちの世界制覇が顕著に見えてきます。
シリコンバレーのリバタリアンたちは、コンピュータシステムの活用に長けたその能力を生かして、規制論者たちがまだ気づいていない自由なサイバー天地で資本主義システムを最大限に活用しているかのようです。
福沢たち明治日本のリバタリアンが、今世紀米国新産業の興隆と官尊民卑の旧弊から脱却できない現代日本との対比を知ったとすれば、さぞ慨嘆するでしょう。この違いはどこから来るのか?









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