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資本主義の夢(8)

2023-05-06 | yy89資本主義の夢


二宮金次郎の銅像がかつて全国の小学校の校庭にありました(合併で廃校になった小学校の金次郎が小田原駅構内に移設されています)。小学生の夢は金次郎であるべきなのか?この人(二宮 尊徳 一七八七年―一八五六年)は勤勉努力の結果、江戸時代の農村に組合(の原型)を作り銀行(の原型)を作り会社(の原型)を作って江戸時代農村の経済を活性化しました。日本資本主義の祖父(父は渋沢栄一)と呼ばれています。
信念をもって資本主義を追求する人もいますが、信念をもって社会主義を追求する人のほうが多いようです。青少年は社会主義の理想的美しさに惹かれるからでしょう。
社会主義はエリートや政治家の信念と希望でかなりのところまで行けますが、資本主義はエリートや政治家の信念だけではうまくまわりません。多くの人々が身の回りの経済の現実に希望を持たなければだめです。逆にいえば実際そうであったから、現代にまで、しぶとく生き残っています。
時代が進んで、結局、社会主義が先に挫折したようですが、資本主義も楽観や希望が希薄になってきているようなので危なくなるかもしれません。

グローバルには世界に楽観は満ちている(拙稿84章「幸福な現代人」)。どの国のGDPも数%、あるいはその数分の一だったりしても、間違いなく増加しているし、平均寿命は延びています。
なにより一人当たりGDPと各人の余命は間断なく伸びています。GDP世界順位は、中国やインドが上位に迫っていますが、日本も抜かれながらもそれほど落ちているわけではない。 
前世紀から先進国である国はそうすぐには破綻しません。今世紀中も日本は上位グループから脱落することはないでしょう。国の順位競争がすぐ個人の幸福に結びつくわけではないから、駅伝の観戦程度に応援すればよい。
中国やインド、インドネシアなどアジアの人口大国が経済や外交で活躍する時代がきたのは、百五十年前から前世紀末まで、日本が孤独な非西欧国として欧米を相手に頑張ってきた姿に感化されたからといえます。









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