大英博物館ミイラ展 古代エジプト6つの物語 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

美術を、もっともっと身近なものに。もっともっと楽しいものに。もっともっと笑えるものに。

現在、国立科学博物館で開催されているのは、

“大英博物館ミイラ展 古代エジプト6つの物語” という特別展です。

 

(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております)

 

 

古代エジプト文明の研究で世界を牽引し続けてきた大英博物館。

その世界的な古代エジプトコレクションの中から、

選りすぐられた希少な遺物約250点が、会場内に所狭しと並べられています。

星星

考古好き、博物館好き必見の展覧会です。

 

大英博物館蔵

 

 

展覧会の目玉は何と言っても、6体のミイラです。

今回来日したミイラは、社会的立場や年齢、暮らしていた時代もさまざま。

 

大英博物館蔵

 

 

そんな6体のミイラそのものや棺と併せて、

CTスキャン画像をもとに高精度に復元された画像や映像も紹介されています。

また、CTスキャンによって判明することも多いそうで、

そんな最新発見の新事実の数々も紹介されていました。

例えば、こちらのテーベの神官だったネスペルエンネブウなる人物のミイラ。

 

カルトナージュ棺に納められたネスペルエンネブウのミイラと、CTスキャン画像から作成した3次元構築画像

第3中間期・第22王朝、前800年頃、大英博物館蔵、© The Trustees of the British Museum

 

 

頭の上にかぶっているのは、

ベレー帽ではなく、粘土製のお椀なのだそうです。

このように、ミイラの包帯の中にお椀があるのは前例がないのだとか。

何ゆえ、頭にお椀を?

どーでもいいっちゃどーでもいいですが、気になるっちゃ気になる。

古代エジプトのプチミステリーです。

 

 

ちなみに。

6体のミイラの中で個人的にもっとも印象に残っているのは、

6体の中では一番新しいグレコ・ローマン時代の若い男性のミイラです。

 

若い男性のミイラと、CTスキャン画像から作成した3次元構築画像

プトレマイオス朝時代後期~ローマ支配時代初期、前100~後100年頃、大英博物館蔵、© The Trustees of the British Museum

 

 

両手を胸の上でクロスさせ、少しだけ首を傾げています。

このポーズ、どこかで目にしたことがあるような・・・・・あっ!

グレコ・ローマン時代のパーフェクトヒューマンです。

 

それともう一つ印象的だったのは、

エジプト北部の都市ハワラの遺跡から発掘された子どものミイラ。

 

子どものミイラと、CTスキャン画像から作成した3次元構築画像

ローマ支配時代、後40~後55年頃、大英博物館蔵 © The Trustees of the British Museum

 

 

こんなにも小さな子が幼くして亡くなった。

その切ない事実に胸が潰されそうになりましたが。

それとともにどうしても気になってしまったのが、

棺に描かれた少年の肖像のヘアスタイルでした。

 

大英博物館蔵

 

 

襟足、長め。

肩をゆうに超えていました。

なぜ元ヤンは自分の子どもの襟足を伸ばしたがるのか。

長年、そのことを謎に思っていましたが、

もしかしたら、彼らは古代エジプト文明に憧れていたのかもしれませんね。

 

 

さてさて。

展覧会では、ミイラ以外にも気になる遺物が多々ありました。

まずは、こちらの 《男性のミイラ肖像画》 から。

 

大英博物館蔵

 

 

なぜか劇画調。

なぜかビックコミック風味。

一瞬、さいとうたかを先生が描いたのかと思いました。

 

続いては、こちらの木製の男性像。

 

大英博物館蔵

 

 

観れば観るほど、安田顕に見えてきました。

今にも牛乳をリバースしそうな表情をしています。

 

それと、今展では護符も多く展示されていました。

どれも小さくて可愛らしく、思わず集めたくなるデザインです。

 

大英博物館蔵

 

 

個人的にお気に入りなのは、こちらのワニの護符。

 

大英博物館蔵

 

 

色味といい、フォルムといい。

完全にラコステ。

ポロシャツの胸の部分にくっつけたいです。

 

 

ちなみに。

ミイラ推しの展覧会だけに、会場のラストではミイラ繋がりで、

国立科学博物館が所蔵する猫のミイラが特別に出展されていました。

 

猫のミイラ 国立科学博物館蔵

 

 

胴体の部分が異様に長すぎて、

ペッツの容器みたいな感じになっています。

 

なお、そのすぐ近くには、花王株式会社感覚研究所によって、

限りなく本物に近く再現された 「猫のミイラ」 の匂いが嗅げるコーナーも。

 

 

 

ミイラの匂いを嗅ぐのは人生で初めて。

恐る恐る鼻を近づけてみたところ、

いい意味で予想を裏切る、香しい匂いが鼻腔をくすぐりました。

最高級のお香のような香り。

永久的にこんな素敵な香りを発せられるのであれば、ミイラになるのも悪くないですね。

 

 

 ┃会期:2021年10月14日(木)~2022年1月12日(水)

 ┃会場:国立科学博物館

 ┃https://daiei-miira.exhibit.jp/

 

 

~読者の皆様へのプレゼント~
“大英博物館ミイラ展” の無料鑑賞券を、3組6名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
なお、〆切は、10月30日です。当選は発送をもって代えさせていただきます。

 

 



1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ にほんブログ村 美術ブログへ