奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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現在、東京都庭園美術館で開催されているのは、

“奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム” という展覧会です。

 

 

 

20世紀最大の芸術運動であったシュルレアリスム。

その影響は美術界を越え、ファッション界にも大きく及ぼしていました。

例えば、ココ・シャネルとバチバチのライバル関係にあったエルザ・スキャパレッリ。

シュルレアリストたちと交流のあった彼女は、

シュルレアリスムのエッセンスをモードに取り入れ、

その個性的なデザインで、一流デザイナーの地位を築きました。

 

(注:展覧会は一部撮影可。展示室内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)

 

 

ちなみに。

引きで見ると、“なんだ意外と普通のファッションじゃん” と思われるかもしれませんが。

画面右のイヴニング・ドレスは、なんと全面に・・・・・・

 

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マッチ柄が施されています。

いや、マッチ柄って何よ?

めちゃくちゃシュールです。

 

さてさて、シュルレアリスムがファッション界に影響を与えた一方で、

シュルレアリストたちも、ファッションアイテムにインスピレーションを得て、

手袋や帽子、靴、ミシンといったアイテムを作品に取り入れました。

 

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もちろんシュルレアリストを代表するこの人も。

 

 

 

20世紀最大の鬼才、ダリ。

確かに、キャビネットが重要なモチーフとなっていますね。

 

展覧会では、そんなシュルレアリスムとファッションの相関関係を中心に、

コルセットのように “現代の視点で考えればシュルレアリスム的だよね” なファッションアイテムや、

 

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ヤン・ファーブルによる玉虫の羽根製の甲冑のようにシュルレアリスム的な現代アート作品も紹介。

 

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奇想なアールデコの館全体を、

奇想な美術作品や奇想なファッションが埋め尽くす。

奇想尽くしの展覧会となっています。

 

 

 

ファッション好き、またはシュルレアリスム好き必見の展覧会。

個人的には大好物の展覧会でした。

星星

 

 

さてさて、インパクト大のファッションは数多くありましたが、

特に印象に残っているのが、マルタン・マルジェラのジャケット (手前) です。

 

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ジャケットと言われても、それらしきものは見当たらず。

トルソーのマネキンがあるだけ。

もしや、バカには見えない素材で作られているジャケットなのでは?

と思ったら、こちらは、とあるマネキンメーカーのマネキンをかたどったジャケットなのだとか。

・・・・・・・・いや、誰が着んねん!

 

マルタン・マルジェラといえば、こんなネックレスも。

 

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誰が付けんねん!!

もし、お会いする女性がこんなネックレスを付けていたら。

「似合いますねぇ」 とか、「絵画から飛び出しているみたいですね!」 とか、

「首とか肩とか凝らないですか?」 とか、触れないわけにはいかないですよね。

出逢ってしまった人間は、いやがおうにもコメントを求められる。

攻めたファッションとは、よく言ったものです。

 

 

なお、本館は写真撮影が不可ですが、

新館での展示は全面的に写真撮影が可能となっています。

新館では、ガガ様愛用のヒールレスシューズで知られる舘鼻則孝さんをはじめ、

 

 

 

4人の日本人アーティストの作品が紹介されています。

 

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とりわけ印象的だったのが、

デザイナーの串野真也さんが手掛けた靴の数々。

 

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その斬新な発想の数々に驚かされました。

実際に履けはしないでしょうが、もし履けたとしたら、

ナイキのあの厚底シューズよりも速く走れる気がします。

 




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