第百九十四話 国宝ハンター、感謝する! | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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前回までのあらすじ~

……日本の国宝は多いってわかっていたのに、

……なんでもっと集めようと思わなかったんだろう。

そんなきっかけから、“国宝を集める”ために旅をしている国宝ハンター・とに~。

これまでにハンティングした国宝の数は、実に1050件。

国宝ハンターを続ける理由を、彼はこう述べる。

「国宝は探し求めている時が一番楽しいんだよ。」と。



 

昨年に引き続き、今年もトーハクにて、

“新指定 国宝・重要文化財”が開催されています。

 



 

令和6年に、重要文化財から、

国宝に昇格した文化財の数は、実に6件!

展覧会では、そのうちの4件が集結していました。

まずは、京都の大報恩寺が所蔵する、

《木造六観音菩薩像》(ジャンル:彫刻)《木造地蔵菩薩立像》(ジャンル:彫刻)

合わせて1件とカウントされているようです。

2018年にトーハクで開催されていた展覧会、

“京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ”にも、

これらの仏像は、出展されていましたが。

 

 

 

その時はまだ、重要文化財だったので、

国宝ハンター的には、下に見ていました(←?)。

国宝に指定された上で、今回改めて観てみたところ、

光背も含めて、その精緻に作られたお姿に感銘を受けた次第です。

特に印象的だったのは、指先の美しさ。

まるで動きが感じられるようでした。

手が数本もあるので、テキパキと手話をしているようにも見えました。

 

続いて紹介されていた国宝は、

金峯神社が所蔵する《金峯山経塚出土紺紙金字経》(ジャンル:書籍・典籍)と、

金峯山寺が所蔵する《金峯山経塚出土紺紙金字経(ジャンル:書籍・典籍)と。

 

 

 

どちらも名前が同じなのは、もともと一緒のものだったから。

藤原道長とひ孫の師通が金峯山に埋めたお経で、

いつ頃からか、金峯神社と金峯山寺に分かれて保存されていたそう。

なお、金峯山寺のほうは、2015年に納戸から、

風呂敷に包まれて木箱に入った状態で見つかったとか。

長い間、納戸に眠っていた国宝なんて、おそらくこの1件くらいではないでしょうか。

 

 

4件目の国宝は、《三重県宝塚一号墳出土埴輪》(ジャンル:考古資料)

これまでの国宝の埴輪は、そのほとんどが人の形をしていますが。

《三重県宝塚一号墳出土埴輪》の中で、

もっとも代表的な埴輪は、船の形をしています。

 

 

 

これほど大型の船の埴輪が、

ほぼ残存している例は、他にないのだとか。

あまりにも立派で風格のあるこの埴輪を、

もし、彦摩呂が目にしたなら、きっとこう言うに違いありません。

「埴輪のクイーン・エリザベスや~」。

 

さて、残念ながら、本展に出展されていない国宝の一つは、多賀城碑。

こちらは巨大な石碑ゆえ、物理的に移動させることができません。

近いうちに、多賀城碑を観るために、宮城県に足を延ばす必要がありそうです。

 

それからもう一件出展されていなかったのが、

宮内庁が所蔵する《和漢朗詠集(雲紙)》(ジャンル:書籍・典籍)です。

しかし、よくよく思い出してみれば、こちらに関しては、

国宝に新指定されたことが発表された3月15日以降、

具体的には、3月26日に『ニッポンぶらァ~ト』の取材で訪れた、

皇居三の丸尚蔵館の“皇室のみやび”展で目にしていました。

 

 

 

ついでに、同じ展覧会で、昨年、国宝に指定されたばかりの、

《更級日記<藤原定家筆/>》(ジャンル:書籍・典籍)もハンティングしていました。

やっててよかった『ニッポンぶらァ~ト』!

 

 

今現在の国宝ハンティング数 1056/1143(1137改め)




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