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黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

新年早々のオフ会

2023年01月04日 08時51分59秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ

元旦の公休日にブログ仲間が私に会いに来ました。タブレットさんいう方です。

鉄道趣味の仲間で、JR全線完乗達成を目指されています。北海道の方で、地元で「安全問題研究会」という団体を立ち上げ、JR北海道の廃線問題について地元で講演会の司会をされたり、労働問題の雑誌に寄稿されたりされて来ました。

タブレットさんが「安全問題研究会」代表としてまとめ上げられた根室本線(富良野~新得間)廃止反対の提言
https://blog.goo.ne.jp/hitorasiku/e/ca6f4a0104e4a792d7e8183c4a892e9f

元々、福島県出身の方で、福島原発事故を機に北海道に移住されました。その関係で、鉄道だけでなく原発問題についても、自身のブログで取り上げて来られました。

その方が、嫁さんの実家のある大阪に、このお正月に来る事になり、そのついでに私にも会う事になりました。

私がタブレットさんと知り合ったのは、確か「安全問題研究会」のブログでJR福知山線事故の記事を読み、コメントを寄せたのがきっかけだったと思います。ブログ仲間としては長い付き合いになりますが、リアルでお会いするのは初めてです。

でも、元旦早々から開いている店なぞあるだろうか?それに、タブレットさんは、胃がんの手術で胃を摘出された方です。食物は大腸で消化されますので食事は普通に食べれますが、飲酒は自制されています。そういう方と、酒も飲まずにどれだけ打ち解ける事が出来るのか?

そこで、彼を折から開催中の「釜ヶ崎越冬祭り」に招待する事にしました。元旦の16時にJR天王寺駅で落ち合い、徒歩で西成のあいりん地区(旧名・釜ヶ崎)まで移動し、地区内の各所を案内した後、越冬祭りを堪能。炊き出しのカレーを食べた後、18時過ぎにJR新今宮駅で、次の再会と今後の互いの健闘を祝して別れました。

タブレットさんの住む札幌近辺には、釜ヶ崎のような場所はないので、非常に興味を示されました。帰りに数冊の寄稿雑誌とお土産をいただきました。

その後、タブレットさんがライフワークにされているJR北海道の廃線問題について、私も改めて検討してみました。この問題については、既にJR北海道が2016年(平成28年)に提言を公表しています。そこでは、JR北海道全線区の半分以上を占める13線区について、「会社単独で維持するのは困難」として、「廃止(バス転換)を前提に地元の市町村と話し合いをさせてもらう」と書かれています。

13線区の内訳は以下の通りです。いずれも輸送密度(1日1キロ当たりの輸送人数)200人未満の線区です。

既に廃止が決定した線区:①石勝線(新夕張~夕張)、②日高線(鵡川~様似)、③札沼線(北海道医療大学~新十津川)、④根室線(富良野~新得)、⑤留萌線(深川~留萌)。うち石勝・日高・札沼線については廃止が確定。残りの根室線についても災害の為に長期に渡って運休が続いている。被災しても復旧せず、逆に廃止の口実にしている非道さには、さすがに私も開いた口がふさがりません。

廃止を前提に地元協議を進める線区:⑥宗谷線(名寄~稚内)、⑦根室線(釧路~根室)、⑧根室線(滝川~富良野)、⑨室蘭線(沼ノ端~岩見沢)、⑩釧網線(東釧路~網走)、⑪日高線(苫小牧~鵡川)、⑫石北線(新旭川~網走)、⑬富良野線(富良野~旭川)。

もし、こんな提言が認められてしまったら、北海道の北部や東部から鉄道が全てなくなってしまいます。稚内や根室、網走に行くにも、バスか乗用車でしか行けなくなってしまいます。釧路湿原や知床半島、富良野のラベンダーの里など、沿線に豊富な観光資源を抱え、北見の玉葱を東京など大消費地に運ぶ重要な役割を果たしている路線も、全てなくなってしまいます。

「赤字だからバス転換すれば良い」と言いますが、バス会社も民間企業です。儲からなくなれば撤退します。鉄道を廃止した事で更に地域が寂れ、やがてバスも走らなくなります。残るのは乗用車やトラックだけとなります。お年寄りや通学の高校生など、乗用車に乗れない人は一体どうすれば良いのでしょう?非正規労働者にとっても今やマイカーは高嶺の花です。これらの人たちは「一歩も家から出るな」と言うのでしょうか?

この提言を書いた人は、バスやトラックの業界が深刻な人手不足に陥っているのを知らないのでしょうか?慢性的な低賃金・長時間労働の為に、幾ら人を募集しても集まらない。運転手の高齢化もどんどん進む中で、最後には北海道の玉葱を東京に運ぶ人もいなくなる。ただでさえ玉葱の値段が高騰する中で、北海道の玉葱が食べれなくなったら、一体どうなるのでしょうか?

そもそも鉄道と他の交通機関では、輸送力が桁違いです。鉄道なら1編成の列車で一度に数百人は運べます。しかしバスだと、せいぜい50人が限界です。乗用車では数人しか運べません。そのくせ燃料は一杯食います。これだけ地球温暖化の危機が叫ばれている時代に、何故、敢えて資源浪費の道を選ぶのか?私には全然理解できません。

そもそも、何故、鉄道が赤字になったのでしょうか?国が新幹線や高速道路の拡充にばかりお金を使い、在来線に十分な予算を振り向けて来なかったからではないですか。新幹線や高速道路の開通で、確かに終着地には早く着く事が出来るようになりました。でも、それで潤うのは終着地に住む人たちだけです。途中の市町村は、逆にダイヤ削減で不便になりました。その為に、今やどこも寂れる一方です。

私も乗り鉄の端くれなので、各地を旅行します。そこで見たのは、地方都市でありながら、駅前に人っ子一人いない商店街でした。今や、そんな町があちこちに広がっているのです。このままでは日本は、北朝鮮のミサイルや原発事故で滅ぶ前に、地方衰退で滅ぶ事になるでしょう。

JRの鉄道赤字について語る際には、それに加えて旧国鉄分割・民営化の弊害にも触れておかなければなりません。JR各社のうちで、赤字なのは北海道・九州・四国のいわゆる「三島会社」だけです。本州のJR東日本・東海・西日本の各社は、今でも黒字で莫大な内部留保を抱えています。コロナの影響でここ数年は赤字が続いていますが、既に業績回復で黒字基調に戻りつつあります。JRグループ全体では黒字なのに、不採算部門だけ取り上げ「赤字宣伝」で住民を恫喝する。そんな卑怯な真似は止めてもらいたいと思います。

この提言の「ずるい所」は、鉄道赤字が国の失策による「人災」である事をひた隠しにしながら、赤字の責任を沿線住民に押し付けている点です。「鉄道を廃止してほしくなければ、ダイヤ削減も運賃値上げも容認しろ。自治体からの補助ももっと寄こせ。(自分でダイヤ削減しておきながら、不便になった鉄道に)頑張って乗れ」。

やれ「老朽化した橋やトンネルの改修にお金がいる」「雪かきにお金がいる」と御託ばかり並べていますが、「だったら予算をもっと寄こせ」と国に要求するのが筋です。JRは確かに民間企業ですが元は国鉄。それを分割・民営化しても経営を維持できると判断したからこそ、国もそうしたのでしょう。

それが今頃になって投げ出すとは。それで乗客にばかり責任転嫁するのは筋違いです。鉄道があるからこそ、大雪の日でも通勤や通学が出来るのです。道路はそういう訳にはいきません。幹線道路は何とか除雪できても、生活道路にまでは手が回りません。雪で何日間も集落が「陸の孤島」になったニュースが、冬になると必ず流れて来ます。その時にようやく鉄道の有難味が分かっても、もう廃止されたら手遅れです。

こんな提言を出すようでは、「JR北海道は国民に喧嘩打っているのか?」と思われても仕方ありません。「儲かる路線だけ自社で営業し、儲からない路線は廃止か第三セクターで負担を住民にしわ寄せ」。そんな無責任な鉄道会社なら不要です。もはやJR北海道は、経営権を一刻も早く国に返上して、再国有化してもらった方が良いと思います。


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1 コメント

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私も、オフ会したいです (ぶた猫ぶーにゃん)
2023-01-05 15:06:12
こんにちは。年が明けてもう5日目ですね。
私もプレカリアートさんオフ会したいなあと思っています。
父親のことや、「毒オトナ社会」のことなど…
前の記事へのコメントにも書きましたが、私はこのニッポン社会に暗たんたる気持ちでいます。
この気持ち、プレカリアートさんと共有できたらと思っています。

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