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議会定数削減に名を借りた政治の私物化を許さない

2022年01月06日 21時24分54秒 | 都構想・IRカジノ反対!
 
今日、柳本あきら(元・大阪市長選候補、現・自民党衆院議員)にメールを送りました。何故、柳本さんに送ったかと言うと、今の維新による行政私物化と闘うには欠かせない方だからです。柳本さんは確かに自民党の政治家なので、反自民の私としては、本来なら共闘すべき相手ではないのかも知れません。しかし、あの強大な維新に勝つためには、ゴリゴリの保守反動、金権腐敗の政治家でない限り、どのような相手とも共闘しなければならないのは明らかです。少なくとも柳本さんは、そのようなゴリゴリの人物ではなさそうなので、都構想反対運動以来のLINE友だちの縁もあって、思い切って下記のメールを送る事にしました。↓
 
新年明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。
 
今朝(1月6日)のNHKニュースを観て驚きました。大阪府議会の定数がまた削減されるそうですね。2015年に109から88に大幅に削減されたばかりなのに。更に79にまで削減するつもりなんですね。
 
昨今、議員定数削減が一種のトレンドのようにもてはやされていますが、こんなバカな話はありません。幾ら議員定数を削減しても、世襲議員や金権議員が知名度や金の力だけで労せず当選できる今の仕組みを改めなければ、逆に有権者の意志が政治に反映されなくなり、独裁政治の固定化にしかなりません。
 
このニュースを観て、自分なりに調べてみました。そうしたら、今の大阪府議会の選挙制度が、如何に大政党(大阪の場合は維新)に有利に出来ているか、改めて思い知る結果となりました。
 
別紙の「議会定数等の比較」をご覧下さい。私がネット検索して急きょまとめた資料です。
 
その資料によると、5大都市圏(東京・横浜・名古屋・京都・大阪・神戸・福岡)を抱える7都府県議会のうちで、東京都と大阪府だけが、1選挙区当たりの人口が10万人を越えており、他の府県よりも突出して多い事が分かります。これは、それだけ有権者の声が政治に届きにくくなっているという事です。
 
しかも大阪の場合は、ただ1選挙区当たりの人口が多いだけでなく、定数1の小選挙区の占める割合が35%以上にも及びます。東京都の4.7%とは雲泥の差です。
 
 
大阪の選挙で維新が異常に強いのは、関西マスコミや吉本新喜劇を牛耳り、彼らを自分達の広告塔として私物化しているからだけではありません。この大政党(大阪では維新)有利に偏った歪(いびつ)な選挙制度に、より根本的な原因があります。
 
その為に、有権者の間では「勝ち組」に乗る心理が働き、他の府県ではたかだか1割前後の得票しかない維新が、大阪では5〜6割も集票して、過半数の議席を占有出来るのです。
 
しかし、幾ら得票率6割だと息巻いた所で、有権者が政治変革を諦め棄権に回り、たった4割の投票率しかない現状では、有権者の24%(6割×4割)の票だけで当選出来てしまうのです。
 
 

この前も、維新副代表の今井豊が不倫疑惑に加え、貝塚市長から闇献金を受け取っていた事が明るみになり、大阪府議を辞職しました。池田の維新市長も、市庁舎の中にサウナを持ち込み、公務中にサウナを利用していた事が明るみになりました。
 
(注:これらの不祥事は、もはや議員個人の問題で済まされるものではありません。維新は2020年の2度目の都構想住民投票の際も、都構想賛成を掲げる自身の政党ビラの中で、「都構想の疑問に市役所職員が丁寧にお答えいたします」と、まるで市役所を政党の下請け扱いするような事まで書いていました。都構想は、あくまで維新という一政党の公約に過ぎません。政治的に公正・中立であるべき行政機関が、特定政党の下請けに成り下がってしまって良いはずありません。こんな体たらくだからこそ、今井豊やサウナ市長みたいな輩が次々と出て来るのです)
 
これだけ維新の議員や市長の不祥事が明るみになっても、彼らは大政党(大阪では維新)に有利な選挙制度のお陰で、いくらでも政治家に舞い戻る事が出来るのです。今井豊や池田のサウナ市長も、ほとぼりが冷めた頃には、また舞い戻って来るでしょう。
 
国会議員の文書通信滞在費の削減にしてもそうです。1日100万円の同費用の無駄は確かに削減すべきですが、それを言うなら、1日500万円以上にもなる政党助成金の削減・廃止を何故言わないのか?有権者からの支持(党費や機関紙代、カンパ)で活動するのが本来の政党活動なのに、国家権力から紐付きの金を貰って、どうやって政治改革をやるつもりか?そんな政治改革なぞ、所詮は権力の掌の中で泳がされる政治ゴッコでしかない。
 
その政党助成金も、元はと言えば我々の収めた税金です。その税金を、支持もしない政党に何故くれてやらなければならないのか?企業・団体献金をいきなり全廃してしまったら、かえって闇献金が増えるから、それと引き換えに支給されるようになった政党助成金なのに、共産党以外は、未だに企業・団体献金と政党助成金の両方をもらい続けています。そちらを是正するのが先ではないでしょうか?
 
(注:共産党は企業・団体献金も政党助成金も受け取りません。たとえ共産党系の労働組合であっても、組合員個人からカンパの形で献金を受け取る事はあっても、団体ぐるみで受け取る事は今までありませんでした。私は共産党に対しても過去何度かブログで批判した事がありますが、少なくともこの清廉潔白な姿勢については、素直に評価したいと思います)
 
本当に政治を正そうと思うのなら、また議員報酬の無駄を省きたいと思うなら、有権者の自殺行為にしかならない議員定数削減よりも、もっと他にやる事が幾らでもあるはずです。それを傍に置いて、議員定数削減だけに血道を上げる事には、私は大反対です。柳本さんも、もはや異常としか言いようのない、今回の行き過ぎた府議会議員定数削減には、絶対に反対して下さい。
 
それでも、どうしても削減したいのなら、大政党有利に偏った定数1の小選挙区こそ削減して下さい。そして、大阪府を10区割りにして、全て複数定数の中選挙区にして下さい。そうすれば、中小政党や無所属の個人も当選しやすくなり、多様な意見が府議会に反映されるようになります。ひいては政治が活性化され、投票率も上がり、世襲・金権議員による政治の私物化、不祥事もなくなります。
 
府議会定数の削減反対か、さもなくば合区で小選挙区を中選挙区に戻して定数削減を図るか、どちらかにして下さい。ゆめゆめ、小選挙区を温存したまま、定数削減だけを強行し、大政党による政治の私物化を続ける愚だけは犯さないようにお願い申し上げます。
 
とりあえず私の方でも、大阪府域を10の生活圏に分割し、10の中選挙区に分けた選挙区割りの私案を考えてみました。
 
まず大阪市を中央大通り(地下鉄中央線)付近で南北に分割します。これで大阪市北部と南部の中選挙区が2つ出来ます。
 
後は、それぞれJRや私鉄の主要路線(昔の街道筋)沿いに、それぞれ8分割します。この区割りは、明治時代の郡域(豊能郡、三島郡など)、すなわち昔からの生活圏とも一致します。(但し、大阪狭山市だけは、昔の南河内郡ではなく、近くに泉北ニュータウンもある事に鑑みて、同じ南海沿線の泉北選挙区に含めました)
 
それを、それぞれの人口規模に当てはめて、選挙区定数を割り振ると、下記のようになりました。(地図が現行、表が私案の定数・区割り)
 
 
 
これで総定数は今とほとんど変わらない84となります。大阪府の総人口が883万9千人もいるのだから、最低でもこれぐらいの議員定数は必要でしょう。
 
選挙区の範囲も、今の市町村ごとの狭い範囲と比べたら、はるかに広大にはなります。しかし、この一見広大な選挙区も、衆院中選挙区時代は、大体この区割りに基づいて選挙を施行していたのですから、何ら問題はないと思います。
 
その上で、必要に応じて、貧困・格差を始めとする課題が山積する西成地域を特別に、定数3の別枠で設けても良いと思います。今の維新の府知事や市長も、西成特区構想を掲げて、表向きは格差是正に取り組むと公言しているのですから、何ら問題はないと思います。
 
なぜ西成に定数3も振り分けるのか?それは、この地域特有の事情があるからです。今、この地域は、あいりんセンターの建て替え問題を巡って揺れています。ホームレス支援団体の間でも、建て替え絶対反対派と建て替えやむ無し派に分かれて、互いに対立しています。西成の街づくり推進協議会の場でも、互いに応酬を繰り返して、全然議論にならないと聞きます。そして、肝心のホームレスはと言うと、住民票も選挙権もなく、完全に政治の蚊帳の外に置かれています。
 
西成の問題を放置してきた政治家には、それを解決する責任があります。だから、敢えて特別枠を設けてでも、彼ら当事者(あいりんセンター建て替え反対派、やむ無し派、どちらにも属さないホームレス)の声を政治に反映させる必要があります。
 
府議会立候補に伴う供託金などの制限も全て撤廃します。その代わりに、議員報酬を大幅に減らし、1人月20〜25万円程度に抑えれば良いのです。文書通信滞在費をどうするかも、この議論の中で考えていけば良いと思います。
 
こうすれば、開発利権や賄賂目当てに政治家になるような輩は影を潜め、清廉な井戸塀政治家ばかりになります。
 
そうすれば、政治が俄然面白くなり、有権者の関心も高まり、投票率も大幅に上昇する事請け合いです。その方が、議員定数削減よりも、はるかに経費削減になると思います。民意も、今よりはるかに政治に反映するようになります。もう良い事ずくめじゃないですか。今すぐにも実現して下さい。お願いします。

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1 コメント

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Unknown (プレカリアート)
2022-01-11 01:20:06
柳本あきらさんは、以前は自民党大阪市議団幹事長として、大阪市長選では現職の松井・大阪市長の対抗馬として立候補された事もありました。しかし、先の衆院選で自民党比例区選出の国会議員に当選し、大阪の地方行政に直接タッチする事はなくなりました。

その柳本あきらさんに、何故こんな、大阪府議会定数削減反対要請のメールを送ったのか?ブログで述べた理由(維新の対抗馬としての期待、LINE友達としてのよしみ)以外に、もう一つ理由があります。

それは、私が柳本さんの実家を実際に見た事で、「この人は私利私欲に溺れるような人ではない」と判断したからです。私が以前住んでいた西成のマンションから、歩いて数分の所に、彼の実家の柳本酒店があります。古くからの酒屋で、周囲の下町の古い街並みに溶け込んでいました。

柳本さんの実家の酒屋がある西成区の山王地域は、太平洋戦争の時の空襲から奇跡的に免れた為に、戦前からの古い建物が多く残っています。件の酒屋も、こんな事言っては失礼ですが、かなり古ぼけていました。銭湯帰りに山王の商店街で、倒壊寸前の傾いた古民家を目の当たりにした事がありますが、その古民家ともそんなに変わらないぐらいに古びた酒屋でした。

私はこれを見て、「この人は確かに自民党の政治家ではあるが、他の自民党の政治家とは違い、利権や汚職とは無縁の人だ」と確信しました。それもあって、反自民でアンチ保守の私と柳本さんとでは、政治的立場は全く正反対であるにも関わらず、府議会定数削減反対要請のメールを柳本さんに送らせて貰いました。

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