今回はJR中央線・国立駅の南口、真正面に富士山が見えることから名付けられた富士見通りを
ほんの少々進んだところにある雑居ビルの一室を訪ねます。
「フォーNANA」というベトナム料理のお店でありまして、店内の壁はビルそのものの作り付けかもですが、
ノンラー(ラタニア椰子で編んだ笠)&アオザイ姿の女性が描かれた絵が飾られているあたりから
「ああベトナム」と思うところかと。ただ水辺のようすは、ちと水郷(千葉・茨城の県境あたり)を思い出したりも。
と、ベトナム料理といってすぐに思い浮かぶのは米粉で作った麺の料理「フォー」でして、
お店の名前がすでに「フォーNANA」ですから、ランチメニューにずらりとフォーが並ぶのも当然かと。
さりながら、フォーはわりとどこででも食べられるような気がしてしまい、
敢えてフォーはずしのオーダーということに。
取りあえずはランチセットに付いてくるゴイクォン(生春巻き)、チャーゾー(揚げ春巻き)がサーブされました。
余談ながら、箸置きの人形(やはりノンラー&アオザイ姿)が妙にかわいいですな。
そこへ出てくるメインの品、牛スネ入り辛口ビーフンと鶏レモングラス炒めをシェアするということで。
東南アジアの料理と言うと、ついついタイ料理のイメージで、
ひたすらに「甘辛酸っぱい」味を思い浮かべてしまったりもしますけれど、
当然のことながらひとからげにできるものではありませんですね。
先に試したフィリピン料理しかり、シンガポール料理しかりで、今回のベトナム料理もまた。
ところで、ベトナム料理のひとつの特徴として、ひたすらに米を使うということになりましょうか。
名物のフォーはもちろん、今回食したビーフンも、春巻きの皮も、
そして鶏料理にはライスが添えられているわけでして。
ただ、そうは言っても東南アジアの各国でも米を使うではないかと思うところながら、
ベトナムは米の生産量で東南アジア随一であるそうなのですよね。
圧倒的に人口の違うインドと比べても1.5倍、日本と比べれば5倍以上もの生産高であるそうな。
日本人は米を食さなくなったと言われつつも結構食べてるんじゃない?と感覚的には思ったりしますが、
現実的にベトナムこそが米を主食にしていると言えるのかもしれませんですねえ。
広々と水田が広がる風景、ある意味、日本の原風景とも見紛う景観がベトナムには残っているのかも。
かつてはなかなか行きにくい国であったベトナムも今ではすっかり観光旅行のデスティネーションになってますな。
予て一度は出かけてみようかと思ってはおりますけれど、あいにくのコロナ禍ではいかんともしがたく。
また、先日のEテレ「ドキュランドへようこそ」で取り上げられていた「マイ・コイ 反逆の歌姫」を思い出すにつけ、
国情はミャンマーほどとまで言うつもりはないものの、また即座に観光に影響するものではないにもせよ、
行きどきであるかを考えてしまうような…。もっとも一昨年、ロシアに出かけていることを考えればですけれど。
てなことでもあり、差し当たってはやはり行ったつもりのお国料理ということになるわけですなあ。
さてはて、こんなふうに各国料理の店を訪ねて行ったつもりになるのでなくして、
実際に出かけられるのようになりますのはいつのことになりましょうかねえ…。