初めてのホストクラブ(4) | 夜光虫の弁明

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…ホスト界隈、地獄極楽、また地獄…

服用抗がん剤のロンサーフには全く効果が見られず、黄疸の兆候が出ているため、主治医から使用の中止を通達された。

これで、足掛け四年に渡った抗がん剤治療による延命措置は終止符を打つことになる。

後は、通院を続けても効果的な治療法はなく、病気の進行による様々な症状を緩和させることしかできないとのこと。

TVでは多くの最先端治療が紹介されているが、健康保険など一切適用されず、それを受けるには、莫大な治療費が必要となり、今の私にはとても捻出できる金額ではない。

残された道は、全身に拡がるガン細胞と、この先どのように付き合って行くかだけとなった。







この店は、ホテルニュージャパンの並びという好立地条件で、実際、ハイソな上客が多いためか、ホストの一挙手一投足にも洗練された雰囲気が
醸し出されていた。

前職が教師だったり自衛隊員であったり、また、現役の俳優や歌手などもおり、非常にバラエティに富んだ構成で、何とも言えない華やかさを演出していた。

指名客の席に着く所作も、それぞれが自己演出しているのか、一旦テーブルの前で笑顔を見せて立ち止まり、腰を90度に曲げて深々と頭を下げるホスト。

どこか裏社会の匂いを漂わせて、ろくに挨拶もせず、深々と半円形のソファへ腰掛けるなり、無表情にお客へ冷めた視線を送るホスト。

全身から優しさを放散させながら、まるで執事の如くに挨拶をして、終始、気配りを欠かせず、一瞬たりともお客の動きから注意を逸らさないホスト。

50人ほど在籍していたホストだが、新人やBクラスのホストを除いては、一人として同じ所作をするものはおらず、様々な経験からそれぞれが自分に合ったものを見出していったのだろう。

クラスというのは、この店ではランクによって指名料が異なり、S・SA・A・Bの4段階に分かれていた。また、ランクは売上・指名数・経験などによって決められる。

ロングのパーティードレス姿で席へ着くお客がはなはだ多いことに、入店当初は違和感を覚えていたが、ウェイター主任に確認したところ、階段を降りたところにいくつか更衣室が用意されており、来店時にドレスへと着替えて、お帰りの際には元の服装へ戻られるとのこと。

男性が高級クラブで遊ぶのとは異なり、やはり女性という生き物、特にハイソな感覚を身につけている人たちには、こうしたホストクラブへ遊びに来ても、常に自身の中にあるTPOを納得させないと、十分な満足心を得られないのであろう。




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