中国の「香港国家安全維持法」に基づく香港の民主派に対する弾圧で、昨年の夏に「雨傘革命」をリードした周庭(アグネス・チョウ)さんが後ろ手で逮捕連行される映像が世界中に衝撃を与えました。その後釈放された周氏は、昨年12月2日、禁錮10カ月の実刑判決を受け、重大犯罪で実刑を受けた女性成年受刑者が収監される大欖女子懲教所と呼ばれる刑務所で新年を迎えることとなりました。
ミャンマーの首都ネピドーで行われた国軍のクーデターに抗議するデモで頭部を撃たれた女性(20)が死亡したニュースも話題となり、この女性は現地でクーデターへの抵抗の象徴となっているそうです。
本来、女性はどちらかといえば、戦闘的ではなく平穏を願う立場となることが多いのですが、ジャンヌ・ダルクのように、戦闘の最前線で活躍し、人々を奮い立たせることもあります。日本においても、60年安保の東大生・樺美智子さん死亡は、多くの人に衝撃を与え、私自身も小学校低学年でしたが、そのニュースを見て強い印象を受け、私の青春に大きな影響を与えた出来事でした。
サイレントマジョリティーは、米国大統領ニクソンが演説で使用し有名になった語であり、「静かな多数派」「物言わぬ大衆」とも訳され、政策に対し一部に反対意見があっても、意思表示をしない大多数は肯定していると解釈する考え方で用いた言葉です。香港やミャンマーの抗議デモは、自分の立場を危うくするだけではなく、生命の危機もある行為ですが、それでも自分の意見をしっかりと表明する勇気は素晴らしいと私は考えます。
「サイレントマジョリティー」は、女性アイドルグループの「欅坂46」のデビュー曲でもあります。つんくがプロデュースするモーニング娘が、女性の性的な面にスポット当てて、オタクに受ける楽曲を扱うのに対して、秋元康は乃木坂46で、上品な可愛らしさを全面に出し、欅坂46では、女性の可能性をより強く感じさせる戦闘的とも言える楽曲を歌わせて評価を得ました。十代の女性アイドルが、個人的な青春を語るのではなく、本来持っている社会的なエネルギーや能力を強く認識させる演出は、革新的だと思います。
60年安保の敗北から立ち直れない若者は、「尾崎豊」の「15の夜」で、退廃的な若者を歌いました。
盗んだバイクで走り出す 行き先も解らぬまま
暗い夜の帳の中へ
誰にも縛られたくないと 逃げ込んだこの夜に
自由になれた気がした 15の夜
「想定外」の「変化」と「変革」の現代に、抗議デモの若者や不良とレッテルを貼られそうな若者の反逆的な言動は、実は必要だと思われますが、おとなしくなった日本の若者よ、それでいいのだろうか?
上品な可愛らしさを全面に出した乃木坂46の、最新の4期生の楽曲は、今回のブログの表題の「Out of the blue」です。「青の中から」という意味ではなく、「the blue」は「the blue sky」の意味で、日本の「青天の霹靂」の「快晴の空に不意に轟いた雷の音」と全く同様で、「突然」という意味のイディオムです。そのMVは、旅館の壁をぶち破るほど激しい枕投げが繰り広げられる映像で、グループも個人にも、変革を求めるプロデュース側の思惑が透けて見える楽曲となっています。トップアイドルグループとして国民的な人気を持つ乃木坂46ですが、その主役だった1期生の多くが卒業した現在、新たな模索が始まっているのでしょう。
【画像は最近の自宅周辺のものです。】
上から順に、モクレン。シャクナゲ、フジ、八重桜、川面のボート、チュウリップ、ツツジ。桜の季節から一気にツツジの季節に移り変わっています。私が最も季節の移ろいを感じたのは、川面に浮かぶボートを見たときです。川の水が温む季節となったことを、ボートを漕ぐ人たちの笑顔で感じました。