肌寒い日もある今日このごろです。駅に向かって歩いていると、どこからか金木犀の香りを感じました。ちょっと時期的に早いのではと思いましたが、金木犀の木にオレンジ色の花が咲いていました。臭覚を刺激して、過去の様々な思い出を蘇らせる花です。春のジンチョウゲ・夏のクチナシ・秋のキンモクセイは、その香りで私達を過去に引き戻す花です。知らず識らずのうちに季節が移ろっていることを、咲いている花で教えられることが多いと思われます。特に新型コロナウイルス感染の現状では、季節が足早に私達を追い越していく印象を受けます。
9月20日、秋の彼岸入りとなります。それを待っていたかのように、彼岸花が咲き始めました。色鮮で繊細な形状のヒガンバナの花は、とても綺麗です。この植物は人為的に植えられたものが多いようで、山里を歩いていると、史跡やお墓や古寺の周囲に咲いていることが多いようです。ヒガンバナは様々な別名があります。毒性がある植物ですので、死人花・地獄花・幽霊花など不吉な名前も多くあります。また、ハミズハナミズとも呼ばれますが、それは葉見ず花見ずであり、開花時に葉が無く、花と葉を同時に見られない特別な習性からそう呼ばれます。
公園にとても大きな平たいキノコが生えていました。秋はキノコの季節でもあります。キノコ狩りは、ちょっと登山路を離れる事が多いので遭難や事故の危険性もあります。また、キノコの知識がないと食べるのはやはり危険性があります。フグと同様に、美味しいものを食すには危険性が伴う場合があります。実りの秋となり、様々な自然の恵みが味わえる時期となりました。
タマスダレの星型の白い花が至るところで咲いています。コスモスの季節になりましたが、最近はオレンジ色のキバナコスモスが多く植えられているようです。コスモスは漢字で秋桜と書きます。春の代表的な花が桜だとすれば、この漢字のように秋を象徴する花がコスモスだと言えます。コスモスは、ギリシャ語で宇宙の秩序を意味し、花びらが整然とバランス良く並んでいることから名付けられたと言われています。この小さな可愛らしい花が、宇宙の秩序を連想させたというのも面白い話です。