― 12日目(9月9日) ―


日本に来てから12日目ですヽ( ・∀・)ノ


いよいよこの日、ドイツに帰ります。


この日も朝からSぐちさんが車で迎えに
来てくれました。


母の車と、二台に分かれて空港に向かいます。


空港のチェックインカウンターでは、


案の定、


ひと悶着ありました。


ファウストの荷物が重量オーバー。

だったそうです。


そして、

なんだかよく分からないのですが、

得意の「話術」でうまいこと
オッケーをだしてもらったそうです。


いいね、口がウマいと。


そして、カータのエレキベース。


これが、手荷物扱いにしてもらえないとのこと。


日本に来るときは手荷物扱いにしてもらったのに、
日本から出るときは、同じ航空会社でも
手荷物扱いにしてもらえないのです。


手荷物にならないということは、


他のトランクと一緒に
ぽーんと投げられてしまったり


ベルトコンベアからワゴンに
ドサッと落とされてしまったり


そういうことが普通に起きてしまいます。


しかもこのエレキベースはソフトカバーなので
そういう衝撃には普通なら耐えられません。



航空会社はエールフランスだったのですが、

関空のカウンターでは


「規約では手荷物にはできないことになっているんです。

フランクフルト空港のカウンターでオッケーが
出たとしても、それはフランクフルトのカウンターが規約を守らず
いいかげんな措置を取った
、ということであって、


こちらが許す訳には行かないんです。規則は規則なんです。


と、ガンとして許してくれません。



おまけに、「もし壊れたとしても、エールフランスでは
責任を負いません」
という書類に同意するよう、
サインを求められました。


大事な楽器が壊れる可能性が高いのに、
それを分かっていてベルトコンベアに
乗せるのは、カータにとってはとても辛いことです。


「せめて『壊れやすい』っていうシールだけでも
貼ってくれませんか」


と言いましたが、


「そのシールは、昔は有りましたが
今はもう有りません。」


と言われてしまいました。


「規定のシールじゃなくてもいいですから、
とにかく荷物を運ぶ人が、少しでも雑に扱わないように、
注意喚起のためのマークが欲しいんです。」


とゴネて、


「じゃあ、これでいいですか?」

と貼ってもらったのが


ガムテープ。


に、


FRAGILE(ワレモノ)

とマジックで書いてもらったもの。


「はい、それでいいですから…。」


こうして、

ガムテープ付きのソフトケースに入ったエレキベースは
ベルトコンベアに乗って、流れて行きました。



そして、
悲しそうな顔をしているカータから、

先ほどの「責任を負わないことに同意する」書類
取り上げられると


「はい、ではこれでいいですので。」

と言って、チェックインが終わりました。



カータはしょんぼりしています。


「ああ…私のベース、壊れるだろうなあ…


でも、あの同意書に私、サインしなかったから、
何かあったら文句言う権利がある。」



えっ。


サインしなかったの?



「うん。だって壊れるのが分かってて、

この段階であれがどれだけ壊れやすいか説明したのに、


『壊れても文句言いません』なんて無理やりサインさせるなんて
おかしくない?


だからサインしないで置いといたの。


でも彼ら、私がサインしてないのに気付かないで
同意書を回収しちゃったのね。」



わあ、

したたかだなあ。



こういうところ、ドイツ人らしいです。


さて、これでひとまずチェックインも終わったので…


あとは飛行機に乗って飛ぶだけですヽ( ・∀・)ノ


つづきます。