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そろそろ紅葉も見納めかなー

という事で、今日は業平の紅葉、『ちはやぶる』で始まる百人一首で有名な一句。
広瀬すずさんが主演の映画のタイトルにもなった。

『伊勢物語』の中で紹介されていた在原業平と藤原高子の悲恋純愛から生まれた一句です。

ちはやぶる






神代（かみよ）もきかず








龍田川（たつたがは）








からくれなゐに









水くくるとは










現代役
さまざまな不思議な事が起こっていたという神代の昔さえも、こんな様子は聞いたことがない。
龍田川が（一面に紅葉が浮いて）真っ赤な紅色に、水をしぼり染めにしているとは。

久々に再会した皇太后に大出世されていた藤原高子、その美しさと気品を讃えて、
業平が龍田川になぞられて贈った和歌でございます。

平安貴族たちは折に触れ自分の想いを風景や境遇とに関連付けて歌にし、出来映えを競う。
洗練された和歌は愛人に想いを伝える手段であり、間接的な表現ではあるが思いの丈の程度は
そのままなところが面白いし。

心と風景の共通点を見つけて伝える手法は、現代の簡明さや分かりやすさを重んじる中では
軽視されているが、その趣の深さは計り知れない。

撮影　文　熊谷

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