TOKYO VIDEO MAGAZINE

TOKYO VIDEO MAGAZINE - VIS
http://www.vis.vc/







なかなかディレクターの名前が表に出てこないミュージックビデオですが、
こちらのTOKYO VIDEO MAGAZINEでは、
東京在住だという全12人のディレクター毎に作品(4月現在で147作品)が見られます。
大御所ではないものの、勢いのある若手~中堅の人選がナイスです。

JASRACにも申請済みで、各所に許可を得てオフィシャルに映像をアップしているとのこと。
そのため、フル視聴はできないものの、
マスターテープからダビングしたという画質は、YouTubeとは比べ物にならないです。

東京という括りにしなくても良いのでは、とも思いますが、
とにかく、毎月10日に各ディレクターの2クリップ追加し、
隔月でディレクターを二人追加していく、とのことですので期待大です。

興味を持った方は、こちらで設立の経緯など読めますよ。

Sensuous

Fit Song / CORNELIUS
監督:辻川幸一郎

SENSURROUND

発売日:2008・03・19









色鮮やかなペンキがスーパースローで飛んでいく。
時に音楽とシンクロしたりしなかったり。
アートのような、ギリギリミュージックビデオのような。
辻川幸一郎が好む、液体素材の有機的な動きを堪能できます。

特別付録「SENSURROUND」オフィシャル映像副読本より

・撮影素材は、上から落としたものをカメラを横にして撮影
・ハイビジョン対応のハイスピードカメラMemrecam Fx K3で撮影
・1,000フレーム/秒の場合、4GBの内蔵メモリーに記録できるのは2.4秒!
 詳しくは、マックレイHP



Fit Song

Fit Song / CORNELIUS
監督:辻川幸一郎


SENSURROUND
発売日:2008・03・19









角砂糖や野球のボールやスプーンやらが、
Fit、Kick、Downなどのシンプルなフレーズの歌詞とシンクロし動く。
トイストーリーの実写版のような、一分の隙もないオシャレでかわいい世界。
辻川ワールドの最高到達点!
CGを駆使しまくって生まれた、目一杯アナログな世界は、唯一無比のものだと思います。

以下、サウンド&レコーディング・マガジン2008年4月号
特別付録「SENSURROUND」オフィシャル映像読本より

・「動いているものは基本的にCG」
 「アクションの終わりに音のピークがくると気持ちいいですね。
  真ん中だと全然はまって見えない」
 「CG制作のポイントは、現実の模倣に集中すること
  模倣の段階では自分なりのセンスや味付けは全く必要ありません」(CGクリエイター犬童宗恒)
・最も時間をかけたのは角砂糖のCG
・カメラの手持ち感は後で足したのではなく、元々ハンディで撮影したとのこと
 気が遠くなります



Breezin'

Breezin' / CORNELIUS

監督:辻川幸一郎

発売日:2008・03・19









公園に舞うシャボン玉をスーパースローで撮影。
シャボン玉・イン・シャボン玉だったり、画面全体に小さなシャボン玉が広がったり。
それだけっちゃそれだけのビデオ。

・・・かと思いきや奥が深かった!

以下、サウンド&レコーディング・マガジン2008年4月号
特別付録「SENSURROUND」オフィシャル映像副読本より

・シャボン玉の作成は「シャボン玉アーティスト」によるもの
・AUTODESUK Infernoを使用し、シャボン玉の色彩の変化を付けている
・前半の大シャボン玉は、微妙なズームや再生速度の変化を付け
 シャボン玉が音に合わせた変化をしているように処理している
・後半に、クラップ音とシンクロしシャボン玉がはじけるのは、
 CGではなく素材を逆再生し合成

広告批評 No.325(2008年4月号)

広告批評 325号(2008年4月号) (325)

特集:森本千絵
発売日:2008・4・1







今月号からリニューアルし,
アートディレクションがグルーヴィジョンズから森本千絵氏へと変わりました。
レイアウトも色々変わって(切り画、手書き文字を多用)います。

また、「今月のミュージックビデオ」で紹介されるMVが
7本から4本に減ってしまいました。
純粋に、良作のミュージックビデオを紹介するコーナーとしては
おそらく日本で唯一だっただけに残念でなりません。

さらに残念なことに、来年の4月号を持っての休刊が発表されました。
今は面白いビデオがあれば、ウェブでも見れるぜ!ってことでしょうか。

とにかく、残り12本となった「寺井弘典の”今月のこの一本”」は、

 Declare Independence / Bjork
監督:Michel Gondry













地下空間のような謎めいた場所で向かい合う、軍服姿らしきオーディエンスとビヨーク。
マイクがロープに繋がれ、オーディエンスへ。
オーディエンスから伸びるロープは、カラーリングされまたビヨークへとループする。
ロープは、ビヨークの持つエネルギーが循環する様を表現している、とのことです。


ちなみに、これまでのBjork×Gondryの作品といえば、

・クマさんやハリネズミさんがかわいい、Human Behavior
・パラレルな世界に見ていて頭がおかしくなる、Beachlorette
・壮大過ぎる3D CGワールド、Joga
・レトロゲーム臭漂う、Hyperballad 

の4作品でしょうか。





CG WORLD vol.117(2008年5月号)

CG WORLD vol.117(2008年05月号 )[雑誌]

発売日:2008・3・29








「コーネリアス×辻川幸一郎 音楽と映像で生み出すビジュアルアート」というタイトルで
辻川幸一郎氏へのインタビューが掲載されていました。

広告批評 No.322(2008年1月号)

広告批評 No.322(2008年1月号) 

特集:表現者たち−女の巻−
発売日:2008・1・1








今月のミュージックビデオ、寺井弘典の"この1本"は、


少年ヤング /  電気グルーブ
監督:田中秀幸

発売日:2008・4・2










80年代的な、今見ると恥ずかしい女の子らが、
電気グルーブを歌います。
絆創膏とかぬいぐるみとか星形とかスケバンとか垂れ眼がちな表情とか、
色々細かいところがそれっぽくて、抜かりないです。

しかしサムネイルにすると、痛さ倍増ですね。
分かる人には分かる、元ネタも多く仕込まれているようです。
初回限定版のCDのみ、このビデオが収録されています。

ユキビデオ / YUKI

ユキビデオ / YUKI

発売日:2005・3・2
時間:43分









ユキのソロデビュー以降のシングルクリップ10曲と
それぞれのメイキングを収録。

奇跡的に素晴らしい映像ディレクターが集結した、秀作揃いの一枚。
次に出た「ユキビデオ2」とは比べるべくもありません。
この頃のユキは、音楽に関しても今よりも攻めていたように思います。

the end of shite / YUKI


01. the end of shite / YUKI

監督:小島淳二
発売日:2002・02・06

発売日:2005・03・02








小島淳二氏によるエロエロMV。
イスに座りセクシーなポーズを見せるユキの周りを
合成されたアニメの小人達が歩き回る。

このビデオは、広告批評 no.262の小島氏へのアンケートで、
これが私の作品だ、というものの一つに、選ばれていました。

メイキングで香盤表(スケジュール表)が映りますが、
それによると撮影は2002年1月8日、スタジオはイエロースタジオとのこと。

プリズム / YUKI


02. プリズム / YUKI
プランナー:多田琢(TUGBOAT)
監督:高田雅博
発売日:2002・03・06

発売日:2005・03・02








ドームで覆われた森の中で歌うユキと、見つめるペンギンちゃん。
一人の男が森の中で道に迷い、
ユキの仕掛けた様々な罠にかかり、ぼろぼろになっていく。

クレジットを見ると電通やら東北新社やら、
スーツの人たちが一杯絡んでいますね。
TUGBOATがミュージックビデオを手がけるというのも珍しい。
現場のスタッフの数もすごい。お金かかってます。

ちなみに、ユキのお相手の男性は、西島秀俊さん。




66db


03. 66db / YUKI

監督:生意気&掛川康典(teevee graphics)
発売日:2002・06・05

発売日:2005・03・02









粗い粒子感のある映像の中に、
光の跡や、無機的な記号、水面などが表れる。
夢の中を再現したような、感覚的な世界が続く。

この時期、妊娠中だったユキを気遣ったのであろう作品。
メイキングも映像が無駄に小さく、これは無許可撮影だからでしょうか。



スタンドアップ!シスター / YUKI

04. スタンドアップ!シスター
監督:野田凪
発売日:2002・11・20

ユキビデオ
発売日:2005・03・02









野田凪×YUKIの名作3部作の第一弾。
歌うユキから発せられる汗?よだれ?体液?あるいは・・・
とにかく液体状のものが花を咲かせ茂みとなり、丘になる。
最後は、様々な動物がアニメーションし、タイトルに変化する。

メイキングでは、あの偽タイムスライスの撮影風景も見れますよ。

センチメンタルジャーニー / YUKI

05. センチメンタルジャーニー
監督:野田凪
発売日:2002・11・20

ユキビデオ
発売日:2005・03・02









出ました!日本が誇る、野田凪氏による、
ミュージックビデオ史に残るといっても過言ではない一作。

立ち止まるユキの顔からカメラがズームバックすると、
同じ衣装を着た総勢90名を超える"偽ユキ"が、
カメラの連続撮影のように並び、動きの途中のポーズで静止している。
水たまりを飛び越え、祖母の死を見届け、着替えを済ます偽ユキ達の様子を
ワンカットで撮影。

野田さんはアイディアが素晴らしいのと、
撮影現場で、自信なさ気な所が素敵だと思います。
ただ3番目の子だけは、ちょっと違う気がします。

ネット情報によると、2003年2月号辺りのブレーンにて制作裏話が掲載されている模様です。


ちなみに、後に野田さんは、このアイディアをモチーフにし、
コカ・コーラの世界CMも手がけてます。


に、野田凪氏へのインタビューで、撮影の裏話、世界のトップクライアントの
CMを作るにあたる激務の様子が掲載されています。

・こちらのキャストは200人。
・ワンカット撮影ではなく、「マイロ」というモーションコントロールカメラを使用し、
 複数テイクから編集。


野田凪オフィシャルHPにて両方のビデオを公開してるので、
ユキからコーラへの進化具合を見比べてみましょう。


ハミングバード / YUKI

06. ハミングバード / YUKI

監督:野田凪
発売日:2003・03・19

ユキビデオ
発売日:2005・03・02








ユキと野田凪のミラクル第3段は、偽モノクロの世界。

セット、美術、アーティストなど、
映るもの全てがモノトーンに着色された中をカラーで撮影。
目を覚まし、朝ご飯を作りお出かけするユキをワンカットで追いかける。

野田凪氏の手がけるYUKIのビデオは、
”偽”が演出の核となっているようです。

”偽”タイムスライスのスタンドアップシスター。
”偽”連続写真のセンチメンタルジャーニー。
”偽”モノクロのハミングバード。

一つの演出を、別の方法でアナログ的に再現する。
それが何とも新鮮な世界を作り出しているのです。

それにしてもメイキングが36秒というのは短すぎです。
何か長く映せない事情があるのか、と勘ぐってしまいます。


ちなみに、このビデオの手法は、
ラフォーレのCMでも使われています。

Home Sweet Home / YUKI

07. Home Sweet Home / YUKI

監督:服部一成
発売日:2004・08・18

ユキビデオ
発売日:2005・03・02








宇宙空間に漂う、小惑星に立ち歌うユキ。
紙媒体を中心に活動するアートディレクター、服部一成氏が監督。
メイキングによると、撮影場所は黒澤フィルムスタジオ。