呪怨 -ザ・ファイナル- | KURI of the DEAD

呪怨 -ザ・ファイナル-

口コミでその恐怖が話題となり、ハリウッドでもリメイクされるなど世界的にも注目を集めた『呪怨』の新シリーズ『呪怨 -終わりの始まり-』の続編。主演は『20世紀少年』の平愛梨。監督は前作に引き続き『感染』『シャッター』の落合正幸。

 

【STORY】

小学校教師・生野結衣の姉・麻衣は、失踪した妹が佐伯俊雄という不登校の生徒の家を訪れていたことを知る。さっそくその家を訪ねてみると、すでに解体され更地に。その場に居合わせた男性から、呪いは断ち切られたと告げられるが、彼女の周りで不可解な現象が起こり始める…。

 

【REVIEW】

日本の夏、金鳥の夏、怪談の夏・・・、夏?

ということで9月も終わり、季節はすでに秋だが、日本の幽霊モノ作品。

 

前作で失踪した、佐々木希演じる小学校教師の生野結衣。今回はその姉である、平愛梨演じる麻衣に災難が降りかかるお話しである。

ストーリーは、オリジナルと同じく一人ひとりのエピソード(タイトル)で区切られるオムニバス形式。

 

<麻衣>

失踪した生野結衣の姉・麻衣は、ある晩、妹が部屋に現れる夢を見る。ガラスのテーブルにうずまき模様を描く妹。傍らには白い少年。

麻衣は恋人と暮らしていた。またか。ちなみに長友ではない。アモーレ。

 

麻衣はホテルで働いていた。ルームサービスを運ぶ係らしい。ある部屋に食事を運ぶと、スープの中に白い少年の顔。

そんななか、知らない番号が着信があり、妹・結衣が失踪したとの連絡を受けるのであった。

 

<玲央>

母子家庭のJK。おのののか。「の」が多い。ある日、その存在をまったく知らなかった母の兄の子を引き取ることに。ちなみに下校中にこの話をしている玲央の友人・碧は、10年前に姉が失踪している。

 

一方、麻衣の元には結衣が働く小学校から解任通知書と荷物一式が届く。荷物の中には生徒の調査票。夢の中で結衣は白い少年のことを俊雄と言っていた。はたして、俊雄という白い少年と結衣の失踪には何か関係があるのだろうか?調査票には不気味なうずまき模様も。

 

玲央、帰宅。従兄弟に当たる例の少年と初遭遇。何も話さない。母を問い詰めるが、詳しくは話してくれない。

 

<絵菜>

玲央の家の向かいにある病院に入院中の少女。玲央の家の中を覗ける、うらやまけしからん環境。あるとき絵菜は、家の中で玲奈の後ろを付いて歩く白い少年を目撃する。別の部屋では、従兄弟の少年がイスに座ってぐったりしている姿を目撃。

 

一方、麻衣。ルームサービスでバースデーケーキをカップルの元へ。気がつくとカップルの姿が消えている。ケーキの向こう側に結衣が現れ、俊雄君が付いてくる、と訴える。

その夜、麻衣がシャワーを浴びている隙に、恋人が結衣の荷物を覗き見。例の伽椰子の日記を発見する。その内容にびびる恋人。即時ゴミ袋へ投入し、外に出しに行く。この時点で2人は呪われたらしく、麻衣は髪を洗っている最中に自分の手以外に他人の手があることにびびる恐怖体験。

 

一方、玲央。寝ているとタンスの扉がギーッと開き、どこからか鼻歌。そしてタンスから伽椰子の恐怖体験。

 

<まどか>

JK。玲央の友人。碧と合わせて仲良し3人組。玲央の母が不在ということで、碧と一緒に玲央の家に泊まりに来る。玲央は従兄弟の少年の部屋を覗くが、おもちゃの車がひとりでに動く不思議現象。ちなみに、ここまでこの少年の顔は映し出されていない。

 

トイレに立つまどか。従兄弟の少年を見たいと言い出す碧。連れてくるために部屋を出る玲央。碧1人。鼻歌。写真立てが突如落下。後ずさりすると背後に人が。しかしそれは従兄弟の少年だった。玲央とまどかが部屋に戻ってくる。まどかが少年に名前を聞くと「俊雄」と答える。えっと驚く玲央。ここで初めて少年の顔出し。もちろんあの顔。

 

<俊雄>

佐伯俊雄は前作で死んではいなかったようである。伽椰子の夫が彼女を葬ったあと、包丁で俊雄を殺そうとしたが、その瞬間、白バージョンが俊雄の身体から抜け出してニャーと鳴く。それで夫はアウトか? 両親を亡くした俊雄は父の妹である、玲央の母の元へ預けられるのであった。

 

一方、麻衣は例の家へ。しかしそこは更地となっていた。そこへ現れた不動産屋。前作で、伽椰子の呪いによって妻と義理の妹・葵を亡くした男である。

男は、何も知らない方がよい、家を壊して呪いは消滅した、と告げる。

 

麻衣の恋人は地下鉄の鉄道員として働いている。終電後、ホームに伽椰子らしき女性。終電を逃したと思い、出口まで案内することに。しかし後ろから、子どもがほしいと呟く声。あの日記の女性だと悟る恋人。後ろを振り返るが誰もいない。

 

<碧>

俊雄の素性を知るために、母親の死の真相をゲスにも勘ぐろうとする碧。これを注意しようとしたまどかとイザコザを起こし、ふてくされて1人でカラオケに行くことに。

途中で空しくなってカバンから写真を取り出す碧。姉は前作でベッド引きずり込みの刑をくらった弥生だった。

そこへカラオケのモニターに異常。フロントへ連絡してトイレに行って戻ると、弥生の姿が。同時に白い少年もさりげなくいる。感動の再会かと思いきや、弥生は碧の顔を掴み、天井へ持ち上げる。碧は天井に頭を突っ込み、そのままぶらーんとした状態でアウトに。どえらい死に方。

 

一方、ファミレスで俊雄の親のことを調べていたまどかは真相を知り、玲央にメール。俊雄の父・剛雄は行方不明らしい。気がつくとテーブルの下に白い少年。そして顔や手が黒こげになってアウト。あの電子レンジの猫のように。

今回、死に方になかなか工夫がある。

 

玲央は俊雄の部屋へ。俊雄は気を失いぐったり。駆け寄る玲央だが、背後から白バージョンが覆い被さってくる。驚いて部屋から出ようとした拍子に階段から転がり落ちる。そして伽椰子。この騒動に気づいた母と一緒にリビングへ逃げ込む。玲央は母に、なぜ俊雄を連れてきたのかと責め立てる。母親は思い立って包丁を手にし、帰るところが無くなれば俊雄は消えるとして自殺を図ろうとするが、背後に伽椰子でアウト。玲央は包丁を手にして俊雄の部屋に行き殺そうとするが、伽椰子に手を掴まれて上半身ごと捻られアウト。

 

<奏太>

麻衣の恋人。繰り返すが長友ではない。アモーレ。

麻衣は俊雄が現在住んでいる場所を聞き出したようで、玲央の家へ。それを尾行する奏太。誰もいないと引き返す麻衣。奏太は向かいの病院の窓から覗いている少女を発見し、会いに行く。

少女の肩に手を置いた瞬間、ビビッときて夜の病室の場面に。そこで絵菜と俊雄の会話を見せられる。俊雄はこの世に生きている存在ではなかった。

玲奈の家に引き返し、俊雄の部屋に行く奏太。俊雄の首を絞めてぐったりさせる。殺したか?

慌てて家に帰ると、捨てたはずの伽椰子の日記。奏太はコンロで燃やそうとする。しかし玄関のドアを激しく叩く音。そして郵便受けの小さい扉から伽椰子が這い出してくるのであった。

 

一方、ホテルで勤務中にふらふらと歩く奏太を目撃する麻衣。エレベータに乗り込む奏太を追いかけ、開くボタンを押すとそこには大量の白バージョン。

そして麻衣、帰宅。そこにはとんでもない形相でアウトとなった奏太の姿があった。

このままではずっと繰り返すと呟く麻衣。

 

<伽椰子>

意を決して麻衣は玲央の家へ。勝手に上がり込んで、俊雄君はいませんかと叫ぶと、おりますと返答したのは玲央と母親。笑い続ける2人。逃げる麻衣。そこへ2階から伽椰子。おなじみのムーブ。足を掴まれ振り返ると、妹・結衣の姿が。結衣は、終わりはないのと微笑む。そして伽椰子の姿に変わる。助けて、とささやく麻衣。伽椰子のアップ。おしまい。

 

問題の家が無くなっても、どこにでも出没してしまう伽椰子と俊雄。

ザ・ファイナルと銘打ったが、終わり方はいつもと同じ感じ。

なかなか呪いの連鎖は途切れそうもない。

 

主演女優のキャスティングが毎度秀逸なので、いつまで続いてくれてもいいのだが。

 

●関連作品・記事

呪怨
呪怨2
THE JUON/呪怨
呪怨 パンデミック
呪怨 ザ・グラッジ3

呪怨 -終わりの始まり-

 

 

【MARKING】

オススメ度:★★★★4

えげつない度:★★★★★5

ザ・フォーエバー度:★★★★★★★7

禍々しい度:★★★★4

 

【INFORMATION】

・製作年:2015年

・製作国:日本

・監督:落合正幸

・エグゼクティブプロデューサー:高木ジム、今山武成、村田嘉邦、久保忠佳、江守徹

・プロデューサー:山口敏功、平田樹彦

・脚本:一瀬隆重、落合正幸

・出演:平愛梨、桐山漣、おのののか、柳ゆり菜、松浦雅、RIM、矢吹春奈、堀口ひかる、黒島結菜、最所美咲、小林颯、緋田康人、袴田吉彦、佐々木希

 

【告知!】

ホラーがメインのツイッターはじめました!

@KURIoftheDEAD