HOUSE ハウス | KURI of the DEAD

HOUSE ハウス

7人の少女が奇妙な屋敷で恐怖の体験をするファンタジーホラー。大林宣彦がはじめて手掛けた劇場用映画。

 

【STORY】

夏休みに、おばちゃまの暮らす羽臼屋敷を訪れる主人公のオシャレと6人の少女たち。都会育ちの7人は田舎の雰囲気を満喫していたが、1人また1人と屋敷に襲われていく…。

 

【REVIEW】

さて、ブログの更新は実に3年ぶりである。お久しぶり。

 

鬼才?大林宣彦の長編デビュー作となるこの作品。まったくのノーマークであったが、amazon Prime Videoさんが何度も勧めてきたので観てみたところ、とても楽しめた作品である。

 

原案は大林千茱萸(ちぐみ)とあるが、これは大林監督の実娘。Wikiによると娘が鏡の前で「鏡の中の私が私を食べに来たら怖い」といったことがヒントになり、この作品が生まれたらしい。

 

東京郊外のお嬢様学校の演劇部に所属するオシャレ。親友のファンタとともに演目「化け猫伝説」の練習に励む日々を送っている。

夏休みを前にしたある日、演劇部は恒例の合宿に行く予定だが、オシャレは父親と軽井沢の別荘に行くという格の違いを見せつける。お嬢様学校の中でもオシャレのステイタスは別格のようである。

だがしかしオシャレが帰宅すると、父親のフィアンセなる人物。宝飾デザイナーのようで長いスカーフを巻いた派手な女性である。

突然の報告を快く思わないオシャレ。「軽井沢には行かない!」と豪語して部屋を飛び出すのであった。

 

一方、演劇部。合宿の定宿がトラブルによって泊まれないようで、中止に。

ちなみに演劇部の顧問は、歌手の尾崎紀世彦。

そこへオシャレ登場。「私と一緒に、おばちゃまの所へ行かない?」と6人を誘う。

オシャレは、おばちゃまへ手紙を書き、おばちゃまの快諾を取り付けるのであった。

 

一行はおばちゃまが暮らす田舎へ。羽臼屋敷と呼ばれているらしい。

ちなみに、おばちゃまの本名は羽臼華麗。ハウスのカレーである。

ちなみに、顧問の尾崎紀世彦は、階段から落ちてお尻からバケツが抜けなくなるというアクシデントに見舞われ、後から合流することになる。

 

演劇部のメンバー7人は、

オシャレ 主人公

ファンタ オシャレの親友

ガリ メガネの優等生担当

クンフー 武闘派担当

マック 食いしん坊担当

スウィート 乙女担当、家事担当

メロディー 音楽担当

で、刑事ドラマのようなニックネームで呼ばれている。

 

東京駅を出る一行。カメオ出演の大林監督とゴダイゴ。

電車とバスを乗り継ぎ、はるばる山奥のおばちゃまの羽臼屋敷へ。

道中の回想シーンで、おばちゃまのフィアンセは戦死したことが語られる。

ちなみにこのフィアンセ役は、友情出演の三浦友和。戦闘機に乗って、実に無表情で墜落していく。

さらに道中、スイカを売る農夫に遭遇。演じるのは小林亜星である。非常にコミカルな演技。

 

ようやく到着。出迎えるおばちゃま。車イスに乗っている。

写真を撮ろうとするファンタ。しかし飼い猫の目が光り、カメラ壊れる。落ち込むファンタ。

次に、シャンデリアのガラスが落下。しかしクンフーが防御。

たいそうな出迎え方である。

 

一行は、わいわいと夕食の準備。途中で手に入れたスイカは井戸で冷やす。

夕食を食べる一行。しかしなぜかおばちゃまは食べない。

このあたりでマックが屋敷の外に出て行ったきり戻らない。

 

いかにも怪しいおばちゃま。

実はこのおばちゃま、すでに他界しており、屋敷そのものがおばちゃまの身体となっていた。そして、訪れる若い娘を食べては若返り、フィアンセを亡くして着られなかった花嫁衣装を着ることを目的としていたのであった。

ここから1人また1人と、少女たちが屋敷に襲われていくのである。

 

夕食後にスイカを食べようと、井戸に取りに行くファンタ。しかし井戸から出てきたのはマックの生首。ファンタは大騒ぎするが、誰も信じない。

スイカを食べる一行。おばちゃまも食べる。スイカを食べるおばちゃまの口の中に目玉を発見するファンタ。

このあたりで、おばちゃまは車イスを使わず、普通に立っている。マックを食べて元気になったか。

 

そして、オシャレの入浴シーン。サービスカット。

薪割りをするクンフー。すると薪がクンフーを襲いはじめるという事態に。防御するクンフー。しかしなぜかスカートが脱げる。以降クンフーは、タンクトップにパンイチというストロングスタイルを最後まで貫き通すのである。

 

風呂上がりのオシャレ。おばちゃま?の部屋へ。鏡の前に座り、おばちゃまの口紅を勝手に使う。傍らには戦死したフィアンセの写真。鏡の中の自分がおばちゃまに変化。鏡が割れ、血が流れ、オシャレの顔が燃える。

 

次にスウィート。みんなが寝る布団を探しに物置のような部屋へ。しかし布団に襲われアウト。なぜか人形の姿に。スウィートの見どころは残念ながらここだけであった。

 

スウィートの惨事に慌てた一行は、駐在所に電話をかけようとするがつながらない。この事態にオシャレは、直接駐在所に警察を呼びに行くことに。しかし様子がおかしい。すでにおばちゃまに取り憑かれてるようである。

オシャレが出て行くと家中の窓や扉が閉まり、閉じ込められる一行。さすがのクンフーも素手では開けられないようである。

 

落ち着こうとピアノを弾くメロディー。だがしかし、ピアノに食べられるメロディー。身体がバラバラになってアウト。残された指だけがピアノを弾いている。

当時の少年少女がトラウマになったとされる名シーンである。

残るは、ガリとクンフーとファンタ。

 

ここで、残された3人がいる部屋にオシャレがとてつもなく大きな顔だけで登場。おばちゃまが何年も前に死んだこと、お嫁に行きたいがために嫁入り前の娘を食べること、その夜だけ花嫁になれることが語られる。

そして襲われる3人。家具が次々と飛んでくる。クンフーが応戦。しかし天井から吊り下がる照明に上半身を食べられる。パンイチの下半身のみのクンフー、近くにいた猫にキック。猫から大量の血が溢れ、家中が血の海に。畳の上に避難するガリとファンタ。

 

一方、尾崎紀世彦演じる演劇部顧問。バギーで屋敷に向かっている。例のスイカを売る農夫に遭遇。農夫は顧問に、スイカよりもバナナが好きと言われてショックを受け、なぜか骸骨に。さらに顧問はなぜか大量のバナナに変身してアウト?

また逢う日まで!

 

畳の上のガリとファンタ。ガリはトレードマークのメガネを血の海に落としてしまう。拾おうとして落下。なぜ服が溶けて全裸。しばらく泳ぎ続けるサービスカットの後、身体も溶けてアウト。

 

残るはファンタ。畳の上で号泣。そこに現れるオシャレ(おばちゃま)。

オシャレ(おばちゃま)に抱かれて眠るファンタ。オシャレ(おばちゃま)の目が光る。ファンタたぶんアウト。

 

しばらくして、オシャレの父親のフィアンセが屋敷を訪れる。

出迎えたのはオシャレ(おばちゃま)。会話中に燃えてアウトのフィアンセ。

 

おしまい。

 

今では観られない、この時代独特の演出と特殊効果が何とも生々しい。

はたして必要か、と思うほどの美少女のサービスカットの数々。嫌いではない、決して。

まだ観ぬ邦画に、これほどの作品があったのかと、新鮮な気持ちで観ることができた傑作である。

 

【MARKING】

オススメ度:★★★★★★★7

えげつない度:★★★★★5

パンイチ度:★★★★★★★8

禍々しい度:★★★★★★★8

 

【INFORMATION】

・製作年:1977年

・製作国:日本

・監督:大林宣彦

・製作:大林宣彦、山田順彦

・原案:大林千茱萸

・音楽:小林亜星、ミッキー吉野&ゴダイゴ

・出演:池上季実子、大場久美子、松原愛、神保美喜、田中エリ子、佐藤美恵子、宮古昌代、尾崎紀世彦

 

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