Half bloom(4) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

税務署に出向いての研修会は夕方まで続いた。

 

「長かったね・・」

 

まひるは苦笑いした。

 

「まあ。 仕方ないけどね、」

 

柚が帰り支度をしていると

 

「・・神崎事務所の・・片桐さん、でしたね。」

 

若い税務署職員が話しかけてきた。

 

「え? あ、はい。」

 

「神崎先生からこの書類のコピーを頼まれていましたので・・」

 

とレジュメを手渡された。

 

「わかりました。 ありがとうございます、」

 

それを受け取ると

 

「あの・・」

 

その彼は言いずらそうに口ごもった。

 

「はい?」

 

「・・今日。 お仕事終わったら・・お時間ありますか、」

 

真面目そうなその人は小さな声で言った。

 

「ええと、」

 

真意が量れずにいると

 

「よかったら。 お食事に行きませんか、」

 

いきなり誘われた。

 

やや動揺しつつ

 

「あの。 すみません。 ちょっと・・」

 

やんわりと断った。

 

「・・そう、ですか。 すみません、」

 

すぐに気持ちを察してくれて、その人は恥ずかしそうに去って行った。

 

 

実は。

 

この前は顧客のレストラン従業員にも仕事で出向いたときに誘われた。

 

数年間、ずっと誰にも近づいて欲しくない『シールド』を張りまくっていたためか

 

そのようなことは一度もなかった。

 

成と出会ってそれが『破られた』ことで、自分に何かが起きたのか

 

そんな誘いを受けるようになってしまった。

 

 

「・・税務署職員が税理士にって・・。」

 

その様子を見ていたまひるがやや呆れてつぶやいた。

 

「すぐわかってくれたみたいだから、」

 

やんわりと彼を庇って苦笑いをした。

 

「・・ゆーちゃんのポテンシャルなら。 それもアリか・・」

 

「何言ってるの、」

 

柚は笑ってバッグを肩から掛けた。

 

 

 

「税務署員がナンパしてくるってすごくない?」

 

まひるは笑いながら買ってきた寿司をパクついた。

 

成は無言でその寿司を食べながら

 

・・ほんとコイツなんでもしゃべるよな・・

 

妹の口になんの鍵もかけられないことを再認識した。

 

「顧客さんとこの従業員にも誘われたりしてるみたいなの。 あたしは一回もないなあ、」

 

・・そうだろうな

 

そう思ったものの

 

「まひるはしゃべるとダメなんだよ。 普通にしてりゃ普通にモテるだろ、」

 

一応フォローした。

 

「しゃべるとダメって。 致命的じゃない?」

 

そしてまたお気楽にアハハと笑った。

 

美人の母親に似て、見た目は悪くないのに

 

しゃべり出すとちょっと幼稚で、しゃべらなくていいことまでどんどんしゃべってしまう。

 

「ねえ。 ゆーちゃんと。 会ってないの?」

 

いきなりそう言われて、ギクっとした。

 

「・・別に、」

 

当たり障りない答えをした。

 

心を開き始めた彼女に言いよる男たちが・・。 まひるは呑気にその話を成にしたりしてます・・

 

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