「・・てことは。」
部屋を見回すと、確かにさっき6者会談が行われていた和室。
「ゆーちゃんち、泊まっちゃってんの? おれ。 あれ? オヤジたちは・・」
成は本当に自分が怖くなった。
「帰られました。 ナルさんがとってもよく寝ていたから・・母がここに布団を敷いて寝かせてあげましょうって。」
「うわ~~、図々しい! なにそれ・・」
他人事のように嘆く成がまたおかしくて柚は笑ってしまった。
「疲れてたんですね。 ・・あたしのために、すみません。」
そして神妙に言った。
「疲れてなかったってことはないけど・・。 にしてもさ、食ってる途中に寝る? 子供じゃん・・ なんか急にエネルギーが切れたみたいになっちゃって。 けっこう溜めてたのに、」
「エネルギー?」
「自分で自分の単純さに驚くわ、」
首をコキコキ回した。
「え、今何時・・?」
「ええと。 夜中の3時です、」
部屋に掛かっている時計を見た。
「・・ついててくれたの?」
横でずっとついていてくれたであろう彼女に申し訳なさそうに言った。
「なんか。 心配だったし。 夜中に目が覚めたらわけがわからなくてパニックになったらどうしようと思って、」
「情けね・・」
はあっとため息をついて彼女の手をぎゅっと握った。
「・・死んだオフクロが夢に出てきた・・」
「え、」
「『今度二人でこっちにいらっしゃい』って。 おれってば『うん!』とか言っちゃって。 三途の川は流れてなかったと思うんだけど・・」
「ホントに?」
「すげえ、やべえ夢見ちゃったよーーー。 行かなくてよかったーーー、」
心底ほっとした。
「お母さん、心配していたんでしょうね。 きっと、」
柚はしんみりと言った。
「・・かもしれないけど。」
成はあの未来の自分へ宛てた母の手紙を思い出していた。
息子の成長を見ることができない寂しさが綴られていた。
「・・結婚、許してもらえたの・・夢じゃないよね?」
そこでハッとして彼女に聞いた。
「夢じゃないですよ、」
そう言われてまた安堵した。
「よかったあああ、」
思わずそのまま彼女に抱きついた。
「ほんと。 よかった、」
そしてそっとキスをした。
死んだ母が夢に出てくるというカオスではありましたが、成は心から安堵します・・
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