Departure(18) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

花やしきで

 

たくさんたくさん遊んだ。

 

子供みたいに。

 

 

 

 

 

「ねえ・・」

 

久しぶりのキスの後。

 

ひなたは愛おしそうに奏の顔に手をやった。

 

「ん?」

 

「まだ子供だけど。 大人みたいに・・愛し合ってるの。 なんか不思議、」

 

クスっと笑った。

 

 

奏が母と住んでいた浅草のマンションは、今年の春からリフォームが始まった。

 

半年が経ってほぼリフォームは終了した。

 

リビングと隣の部屋を繋げて防音工事を施した後、グランドピアノを入れる。

 

奏が日本にいる間の住まいと練習場を兼ねた場所となる。

 

その工事はほぼ終えていて、あとはグランドピアノを入れるだけになっていた。

 

高校生になってからはいつもここが二人の

 

秘密の場所

 

で。

 

初めての時も

 

この部屋だった。

 

 

かわいいかわいい彼女の頬に手を当てた。

 

「いつも。 ひなのこと思ってる、」

 

狭いベッドで抱き合って。

 

耳元でささやく。

 

「嘘、」

 

ひなたはぎゅっと奏に抱きついた。

 

「きっと。カナは・・ピアノで頭がいっぱいになっちゃう。あたしのことなんか。 忘れちゃう、」

 

声が震えた。

 

正直

 

すぐに否定できなかった。

 

「・・ひな以外の女の子は。 好きにならないよ。 その約束は。 絶対に守る、」

 

するとひなたはクスっと笑って

 

「正直なんだから。 カナは。 でも・・そんなカナのことが・・大好きになっちゃったから。 自分のせいだね、」

 

また彼にキスをした。

 

「・・見送りには。 行かないよ。 行っちゃったら・・ホントに遠く離れちゃうって、思っちゃうから・・」

 

「ひな・・。 頑張って。 チアの試合、出れるように。 絶対、出れるように・・」

 

奏は笑顔でひなたの手をぎゅっと握った。

 

「・・うん、」

 

少しだけ涙が出てしまった。

 

 

 

「ただいま・・」

 

ひなたはそおっとリビングに繋がるドアを開けた。

 

「あ、おかえりなさい。」

 

母が笑顔で顔を出す。

 

「・・おじゃまします、」

 

続いてやってきた奏に

 

「いらっしゃい。 今日の夕飯ね、すきやきにしたの。 どうぞ、」

 

「ありがとうございま・・」

 

とお辞儀をしかかった時、奥のソファに鎮座する志藤が目に入って思わず止まった・・

 

子供みたいに遊んだあとは。大人のように抱き合う二人。そして・・

 

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