先日仕事先の方

(ギリシャ人淑女)と

雑談をしておりまして、

近々また日本に行くとの

わが予定を伝えたところ

「ああ!いいですねえ!

私もいつか日本に行きたくて!」

 

まあこういうのは

社交辞令だから、と

笑って流そうといたしましたら

「あら嫌だ笑わないで!

私は真剣なんです、

子供の頃から

いつか必ず

日本に行きたいと

願ってきました!」

 

可能であれば桜の季節に

1か月ほどかけて日本全国

津々浦々を観光したい、

名所や有名店にも

行きたいけれど、同時に

市井の人々の生活、

商店街や普通の学校の

通学路なども見てみたい、

と熱く語る女性の熱意は

絶対に付け焼刃のそれではなく、

「・・・いったいまた

何をきっかけに

そんなに日本に興味を

持たれたのです」

 

彼女は少し照れたように笑って

「ウフフ、よくある

話でしょうけど、その、

アニメ・・・の影響です」

 

おお、なるほど。

 

そうするとあれか、

日本初のアニメで

たぶん日本の生活様式を

描いている・・・

 

ジブリ?

 

 

 

 

『鬼滅』?

 

 

 

 

こちらの女性、お子様を

お持ちの様子でもあるし

やはりここは王道

『ポケモン』あたりかしら?

 

 

 

 

「ちなみにそのアニメとは?」

 

「『カバ丸』です」

 

・・・えっ?

 

「カバ・・・丸?」

 

「あら、私の

発音がおかしいかしら、

カバ丸、わかりませんか?」

 

「あれですよね、カバ丸、

伊賀のカバ丸、忍者の」

 

 

 

「そうそう!カバ丸!

勿論ご存知ですよね!」

 

・・・えーと、ご存知・・・

ではあると思います、

子供の頃にすごく楽しんで

原作漫画を読んだ記憶は

ございます、でもアニメは・・・

 

 

 

 

観ていたかな・・・?

 

漫画も内容とか

細かいところは・・・

 

「えっ?カバ丸って

ギリシャでそんなに

人気だったんですか?」

 

「そもそも当時、

私が子供の頃のギリシャは

外国から輸入された

テレビ作品・映画は基本的に

字幕で放映されておりました」

 

「はあ」

 

「でも『カバ丸』は子供向け、

ですから我が国としては珍しく

完全吹替放送だったのです。

そして日本語はどうやら

ギリシャ語に比べて

同じ内容を話すのに

時間がかかる言語らしく、

そこで何が起きたかと言いますと

吹き替えの声は同じことを

必ず2回繰り返したんです。

それが!子供心に!

滅茶苦茶面白くて!」

 

「は、はあ」

 

「『カバ丸』が

放送される時間は

子供たちにとってまさに

夢の時間でした…誰も彼もが

もう夢中でした・・・本当

大好き・・・あんな楽しい

テレビ番組にはたぶんもう

2度と私は巡り合えない・・・」

 

「そ、そこまでですか」

 

「そこまでです。あれは

私にとって初めての

異文化体験でした!

テレビ画面の中の

日本の生活に心から

興味を抱きました・・・

わかっていただけますか、

私が心底いつか

日本に行きたいことを」

 

「わかりました、理解しました。

いつか必ず

日本に遊びに来てください」

 

しかし日本文化に

興味を持つきっかけが

『伊賀のカバ丸』。

 

予想外で面白かったです。

 

 

カバ丸のことを鮮明に

覚えていらっしゃるあなたも

ちょっと!世代が!違うかな!

となってしまったアナタも

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