そんなわけで

わが夫(英国人)の妹、

すなわちわが義妹は

昨年10月の

われらがおじ様の

コロナ入院(ICU直行)に際し

獅子奮迅の働きを見せたのです。

 

 

おじ様を文字通り

病院に担ぎ込み、

入院措置をもぎ取り

身内に連絡を入れ、

おじ様の希望に従って

遺言状の手配なども行い、

「わが義妹が親切で

特技が人助けであることは

私も理解しているが、

でもちょっと彼女は今回

活躍し過ぎじゃないか?

おじ様の実の息子たちは

すでに結婚して

家を出ているとはいえ

結構近くに

住んでいるって話だろう?」

 

「それなんですけどね。

僕の妹はおじ様の

息子さんたちに

『なるべく早く面会を』との

病院側の伝言を

伝えたらしいんですけどね、

彼らはお見舞いに行くことを

拒んでいるらしいんですよ」

 

えっ?

 

おじ様と

息子さんたちの間には

家庭内争議みたいなものが

存在していたの?

 

「どうして・・・だって

おじ様は今、正直かなり

危ない状態なんだろう?

多少わだかまりがあっても

そこはお互い

呑み込むべきでは?」

 

「妻ちゃん、ほら、

おじ様はコロナに関して

反ワクチン主義

だったでしょう?」

 

「・・・それが原因?

息子さんはおじ様が

ワクチンを拒否した上で

コロナに感染して結果的に

医療体制に負担を強いたことを

怒ったりしているのか?

それはわかるけど、

わかるけどさあ、でも・・・」

 

「いえ、そうじゃないんです。

僕も最初はそう思ったんですが

どうやら話は違うらしいんです」

 

「何がどう違うんだ?」

 

「おじ様は反ワクチン

主義者だったでしょ?

同時に息子さんたちも

反ワクチンの人たちで、

でもおじ様が『コロナは

大騒ぎするほどの病気じゃ

ない』派だったのに対し

息子さんたちは『コロナは

そもそも存在しない』派

らしいんですよ」

 

「・・・ん、待て、

今ちょっと理解に

時間がかかっている。

つまり息子さんたちは

筋金(スジガネ)が入って

いる、ということか」

 

「息子さんたちの世界には

コロナは存在しないんです。

故にコロナ感染者も

コロナ重症者も存在しないんです。

彼らにとって自分たちの父親が

存在しないコロナに罹って

しかも重体に陥って

ICUにいる、というのは

受け入れがたい事態

あるようなんです」

 

「・・・え、で、それで

お見舞いを拒否しているの?

いやだっておじ様は

実際に危険な状態じゃないか!」

 

ここでも八面六臂の

活躍を見せたのがわが義妹で、

彼女は一日かけて彼らに

お見舞いの重要性を悟らせ、

この日の夜、おじ様は

無事に息子さんたちに

会うことが出来たそうです。

 

 

よかったよかった

・・・で正解なのか?

 

色々複雑な世の中ですが、

しかし私は一つのことだけは

確信を持って申し上げられます、

義妹よ、アナタはよくやった。

 

続く。

 

 

おじ様自身は自宅で

半死半生になっていた時点で

「あ、これはコロナだわ、

それも俺はこれ

噂の重症化患者だわ」と

認識していた模様です

 

故に近所に住む

自分と同年代の

知人友人には助けを求めず

あえてわが義妹に

電話をかけたとのこと

 

当時の英国では

「若い人は滅多に

重症化しない」みたいな

扱いだったんですよね、コロナ

 

でも最近は若い人でも

後から後遺症が来るとも

言われていますし

やはり罹らないに

こしたことはことはないですよ

 

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