先日、大一番の仕事を控え

現場で資料を確認したところ

・・・己のミスが発覚し・・・

 

まあでも私もそれなりに

経験を積んでいますしね、

若手のように失敗を隠そうとして

焦ったりはしないんですよ、と

「はーい皆さん、私は今

凄まじい間違いを

しでかしましたよー、

リカバリーにたぶん

1時間半は必要ですー」

 

こういう開き直りの利点は

それを聞いた同僚・上役が

即座に助言をくれることで

「・・・それ、たぶん

自分でどうこうする前に

ITの人たちに助けを

求めるといいのでは」

 

仕事においては

非常に腰の軽い私は

早速IT部にカチコミ、

もとい、駆け込み、

「これこれこういう状況です」

 

「あー、それはこっちに

任せてくれれば

チョチョイのチョイですよ」

 

大好き!

 

プロフェッショナルの技量!

 

・・・と、事態鎮静化を

皆に伝えて

一息ついたところで

私は自分の空腹に気が付きました。

 

たぶんミスを見つけてから

私の脳は自分でも

気づかないうちにフル稼働、

相当のカロリーを

消費したのだと思います。

 

値が吝嗇である私は

喫茶店の一人利用は

普段はあまりしないのですが

今日はこれからもう一仕事、

ここで何かお腹に入れるのも

悪い策ではあるまい、と

近くのカフェに入り

これからの仕事で使う

エネルギー量のことも考え

「カフェモカ(大)ください」

 

 

「はい」

 

注文を受けてくれた店員さんは

全身から新人らしい

緊張感と溌剌さを放っていて

あ、たぶん今日初めて

カウンター業務を

ひとりで任されたんだろうな、

という高揚感にあふれていました。

 

勤労意識に満ちた

若者っていいよねえ、

なんか青春って

感じだよねえ、と

彼女が私の頼んだ飲み物を

作る様子を眺めていると

まずカップにホット

チョコレートの粉を入れ

それを少量のお湯で伸ばし

そこにホットミルクを入れ

よく混ぜ、そしてそこで

おもむろにコーヒーを

注ぐべきところ、お姉さんたら

どぼどぼどぼと、それは・・・

それはどう見てもホットミルク!

 

つまりアナタが今作ったのは

カフェモカ(大)ではなく

ホットチョコレート

(大)なのでは・・・?

 

 

しかしお姉さんは笑顔で

「お待たせしました、

カフェモカ(大)でございます」

 

「あ、ありがとうございます」

 

席に座って飲料をすするも・・・

 

間違いない、

これはコーヒー成分ゼロ・・・!

 

私はしばし瞑目しました。

 

カウンターに戻り事態を説明し

カフェモカを作り直して

もらうこともできる、

でもその場合

このホットチョコレートは

高確率で破棄される。

 

もしかしたら私が

突発性鼻炎に罹患していて

コーヒー成分を

感知できないだけで

これはカフェモカで

あるのかもしれない。

 

あの店員さんは健気かつ

幸福そうに働いていた、

たぶん今日一日の仕事が

うまくいったにちがいない、

そこに水を注すのは可哀そう。

 

・・・ホット

チョコレートとして

これは過不足ない出来上がり。

 

私は黙ってホット

チョコレート(大)を

飲み干しました・・・

 

しばらく糖分を

控えたくなりました・・・

 

しかしおかげさまで

その後の大一番の仕事は

無事に乗り切ることができ、

私は多少

シュガーハイだったのか

久々に会う人たちにも

「相変わらずお元気そうで」と

賛辞の言葉(であると

信じたい)をいただき、

ただ問題はですね、

以降私はかなり激しい

胃もたれと戦う羽目に

陥ったのです・・・!

 

コーヒーのカフェインよりも

ホットチョコレートの

糖分が負担になるお年頃です。

 

 

 

我々は誰も失敗をする、

それにどう対処するかで

人間性が問われる

 

・・・私のカフェでの対応は

正しかったのでしょうか、

少なくとも現在私の胃は

「手前これは

一回きりにしろよ」と

チンピラのように凄んでいます

 

ああいう時に明るく

「これ注文と違うよ」

と言えるあなたも

ついその一言を

ぐっと呑み込んでしまうアナタも

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