原因としての仔犬

盲導犬候補生を一時預かりし

仔犬との生活の大変さを

痛感している今日この頃。

 

仔犬はね・・・!

 

成犬とは全く違う・・・!

 

そして生後5か月の仔犬と

15週の仔犬は

手のかかり具合が

またとんでもなく違う・・・!

 

 

さてところで話変わって。

 

わが夫(英国人)の同僚の

娘さんがここ数年間

闘病生活を送っていました。

 

難しい病気で、治療の

身体への負担も大きくて、

夫の同僚は家族一丸となって

彼女の闘病を支えていて、

わが夫も他の同僚も

せめてもの力になれればと

その同僚氏の仕事を手伝ったり

関連するチャリティーに

寄付をしたりしておりました。

 

(これはお互い様で

私が入院して

夫が大変だった頃は

この同僚氏は率先して

夫の仕事を

肩代わりしてくれた)

 

それがこの春くらいに

「今度の週末に娘の

快気祝いを開く」という

報告があり、そりゃもう

夫の職場は職員全員で大喜び。

 

まだ100パーセント完治、

予後に不安なし、という

状態ではないらしいけれども、

娘さんは少しずつ

日常生活に戻り始めて

家族も闘病前の生活を

取り返して、よかったね、

休暇を楽しんでおいでよ!と

夏のはじめに送り出し、で、

先日夫は久々に会議で

その同僚と顔を

合わせたそうなのですが。

 

・・・同僚氏、非常に

やつれていたそうです。

 

同僚氏の様子の顔色の悪さに

気が付いたのは夫だけではなく、

他の会議参加者も何人か

チラチラと不安そうに

同僚氏のことを見ていて、

会議終了後、これは

勇気をもって尋ねるべきか、と

わが夫が彼に近づき

「久しぶりだね、最後に

会ったのが夏前だったから・・・

なんかだとても

疲れている様子だけれども、

もしかして何かあった?」

 

「疲れている?何かあった?

・・・うん、僕は疲れているし

そして確かに何かがあったよ」

 

「・・・何があったか、

僕でよければ話を聞くけど・・・

無理にとは言わないけど・・・」

 

「ありがとうゴメス・・・

そうだな、君は経験者だから

僕の話をよく

理解してくれるかもしれない。

いや、ゴメスだけじゃなく

いい機会だから

他の皆も聞いてくれ」

 

同僚氏の周りに集まる人々。

 

「実は・・・この夏に・・・

予期せぬ出来事が起きて・・・」

 

「うん、娘さんのことかい」

 

「・・・ああ、そうだな、

娘が原因・・・でも、

娘だけが原因でもないんだ・・・

こんなこと、僕はまったく

予期していなかった・・・」

 

「うん・・・」

 

「わかるかい、僕は本当に

こんなこと望んでなかった」

 

「うん・・・!」

 

「でも色々あって・・・

色々あってね、この夏

・・・とうとう・・・うちに

仔犬が来ちゃって・・・」

 

「うん・・・え?なんだって?」

 

「うちに今、

仔犬がいるんだよね。

この世話が大変でさ、

僕の睡眠時間が

バリバリ削られているのよ」

 

「仔犬?」

 

「そう、仔犬。ゴメスの家にも

今、仔犬がいるんだろ?

わかってくれるよな、この大変さ。

ゴメスのところの仔犬はいくつ?

生後16週?

うちのはまだ10週でさあ!」

 

なんでも娘さんの治療が

一番苦しかった時期に

この同僚おとーさんは

「この治療を耐えたら!

お前が治ったら!お前の

望みをなんでも一つ

お父さんはかなえてやるから!」

 

「パパ、私は仔犬が欲しい」

 

「よし!仔犬だな!愛する娘よ、

お前が再び元気になったら

お父さんは可愛い仔犬を必ず

家族の一員として受け入れる!」

 

で、娘さんはこのたび

無事に元気になり

「パパ、約束したよね」

 

同僚氏は一応

抵抗を試みたそうなのですが

「いやー治療の甲斐あって

娘ったら本当に元気になって

僕はもう完全論破されちゃった」

 

そして仔犬がやって来て

「パパ、仔犬のトイレ

トレーニングはパパのお仕事ね、

夜2時間ごとのお世話頑張って」

 

「どうして!」

 

「だって私は睡眠をちゃんと

とらなくちゃいけないって

お医者様に言われているもの。

夜は寝なきゃだもの」

 

いやそれは娘さん

そこまで元気になって何よりです!

 

同僚氏のそれもいわば

幸せやつれっていうか・・・

 

仔犬が幸せを連れてくるように

幸せが仔犬を連れてくることもある。

 

同僚家族(もちろん仔犬も

家族の一員)に今後も幸あれと

心から願う私です。

 

 

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