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昨晩のNY原油(9月限)は反発。前週末比0.72ドル高の1バレル41.94ドルで終えた。米大統領令による経済対策の発動で景気懸念が後退し、原油に買いが入った。中国の需要回復の観測も相場を支えた。

コロナショック後の中国の需要が上向いているほか、世界的に石油消費の回復が続くと見通されていることが相場を押し上げた。サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコのアミン・ナセル最高経営責任者(CEO)が9日、「中国ではガソリンなどの需要がほぼコロナ前の水準に戻った」と述べたと伝わった。世界最大の石油消費国である米国で新型コロナウイルスの新規感染者数が抑制されつつあることや、追加の景気対策が近々合意に至ると期待されていることも支援要因。トランプ米大統領は8日、失業給付の上乗せなどを盛り込んだ経済対策を大統領令で発動した。与野党協議の難航で法案成立が遅れていたが、ひとまず米景気の落ち込みが回避されるとの安堵感が広がった。

ただ、世界第3位の消費国であるインドでは一日あたりの感染者数や死者数の拡大が継続。世界的に新型コロナウイルスの流行が一巡した兆候はまだ見られない。

国家安全法が導入された香港で民主活動家の逮捕が続いており、西側諸国と中国の対立が悪化・報復合戦に陥っていることは上値を抑えた。