奥歯のちょっとした違和感で来院された患者さん

まだ年齢は10代後半でお母さんと一緒に来院されました

 

レントゲン上では大きな問題は今は無いのでこの先の見通しと、今のうちに抜いたほうがメリットが大きい事、このままにしておくと将来手前の7番を巻き込んで悪くなる可能性の説明をさせていただきました。

 

 

 

メリットとしては

まだ根尖が完成していないので比較的抜きやすい事。

将来的に下顎管と言う太い神経を抱え込むリスクを排除できる事。

もし将来抜歯時にその神経を傷つけるとしびれや麻痺が残る可能性がある事。

抜歯後に7番の後ろに歯周ポケットが残る事を防げる事。

 

デメリットとしては

外科的な抜歯になるので術後の痛みが多少ある事。

 

抜かなければどうなる可能性があるか。

過去の症例のレントゲンをもとにご説明させていただきました。

20代後半の患者さんです

今まで痛みが無かったので親知らずはそのままになっていました

 

この場合手前の7番に痛みが出て、7番はかなり悪い状況になってしまっています。

親知らずの抜歯も歯根が下顎管に近接しているのでリスクを伴います。

抜歯したとしても7番の後ろがには深いポケットが残りそうです。

 

 

 

 

症状が無ければ抜歯はしないという選択をする患者さんの方が多いかもしれませんが、たまたまお母さんが親知らずの抜歯でひどく苦労した体験があって早めに抜く決断をされました。

 

3年前から使って頂いているコンフォート義歯の定期健診の患者さんです。

相変わらず何でも痛くなく食べられているそうです。

下の義歯のクッションのぼ部分も綺麗に使って頂いています。

 

 
 
かみ合わせの落ち着きで大事なことは上の写真の様に下の義歯を手に持った状態で上の義歯をその上に乗せて少し揺らしても落ちないと言うことです。
安定したかみ合わせが得られています

2016年 12歳の患者さんのレントゲンです。

右上7番の虫歯がひどく無理に残しても長くは使えない状態です

 

 

 

 

2018年 14歳の時のレントゲンです。

埋伏した8番が見られます

 

 

 

2024年 20歳時のレントゲン

7番の場所に8番が出てきました

 

 

 

 

多少の捻転はありますがしっかり下の7番と咬合しています。

行った治療は8番が7番の位置に自然に萌出するという予測のもとに7番の抜歯をしただけです。

これも立派な治療と考えます。