「まにま」の大切さ | Life is the very ART

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試行錯誤しながら考え、気づき、実践する
そんな「にんげん 伊藤 義之」のBlog

9/22から開催される、

 

「愛知県文連美術展」

 

に出品する作品制作がひと段落つきました。

芸術などに真剣に取り組んでいると、

自分がいいと思おうが、嫌だと思おうが、

そんなことは全くお構いなしに、

 

「受け入れる」

 

しかないことが、ままあります。

 

 

例えば今わたしが絶賛苦しみ中(笑)である、

 

「墨色」

 

皆さんに一番馴染みのある、真っ黒な墨である

 

「濃墨」

 

と違い、今回の作品で使用しているのは、

 

「淡墨」

 

と呼ばれ、真っ黒の墨とは材料も違う墨を使います。

そしてこの「淡墨」の「墨色」が、

本当に思い通りにいかないものなのです。

 

わたしはものぐさなので、どうにか効率よく、

間違いなく墨色が良くなる方法はないものか、

そんなことをあれこれと試してはしくじり、

試してはしくじってきました。

 

現在の師匠につく前は、

基本的に墨汁しか使わない教室で勉強していたこともあり、

そもそも「墨を摺る」ということに対して、

あまりにもノウハウがない。

 

そこで、今の師匠についてから、墨の作り方を質問したところ・・・

 

「それは自分で創意工夫するものだ」

 

というつれない回答。

 

それならば、自分で何とかするしかあるまい、と、

ネットで調べてみたり、書籍を買いあさったり、

合宿で墨作りをしている先輩や先生方をチラ見しながら、

盗めるものがないかと観察をしたり、

そんなことを十年以上も続けてきました。

 

最近こそある程度確立した手順があり、

最低限の「墨色」は出せているものの、

ハッとするような美しい色は、

本当になかなか出せないものです。

 

目指すゴールとしては、

「作品の持つ意味や、表現したい雰囲気に合う『墨色』を出す」

 

これが達成されればいいわけですが、

「墨色」を構成する要素が複雑に絡み合います。

 

すぐに思いつくだけでも、

・使用する墨

・使用する水

・使用する水の温度

・使用する硯

・墨を摺る際の力、速度など

・使用する紙

・筆運び

・墨を水に溶かす手順

 

まだまだ本当はありますが、とにかく様々な要素が影響し合い、

とてもじゃないですが、全ての要素をバッチリ合わせることはできません。

やれることをやったら、あとはホントに神任せ。

 

今回の作品・・・

 

「随」

 

「まにま」と読みます。

波のまにまに・・・の「まにま」です。

 

辞書でその意味を調べると、

 

「他の意志や事態の成り行きに従うさま」

 

とあります。

「波のまにまに」という言葉であれば、

「波にゆられるまま」ぐらいの意味になるでしょうか。

 

 

「成り行きに従う」

 

まさに現在のわたしのことです。

 

自分の思いに対して、

決して思い通りにはなってくれない、墨。

 

思い通りにすることが不可能、ということは、

言い換えれば、わたしには主導権がない、ということです。

 

 

自分に主導権がないものがこの世にはある。それもたくさん。

 

 

このことを解っておかないと、人生は苦しみが多い。

 

「墨色」であれば、

人間の頑張りで70点から90点ぐらいまでは、何とかなる。

 

でも100点、さらに限界を超えた120点を取りたいと思っても、

その先は不確定なものにお任せしなければならない。

 

言い換えると「思い通りにならない」ということは、

自分が思う以上の結果、つまり100点満点を大きく超える方へも、

思い通りにならない可能性があるのです。

 

これは人生にぴったり重ね合わせることができると、

わたしは思っています。

 

人生も、割と自分の力で何とかなることもあれば、

泣いても喚いてもどうしようもないこともたくさんある。

むしろ思い通りにいかないことの方が、はるかに多いはず。

 

そこで、思い通りにならない!と駄々をこねて、

拗ねたり進むことを諦めたりしてしまいそうになる。

 

でもそれは、「思い通りにいく」と心のどこかで思っているから。

 

実はものごとは思い通りにはいかない。

 

これを受け入れることが、実はものすごく大切。

 

思い通りにいかないことを受け入れると、

自分に起きてくるものごとに、心穏やかに対峙できるだけでなく、

思い通りにいかない、思った以上に素晴らしいことも起こってきます。

 

いわゆるラッキーなことが良く起こる人は、

あんまりガツガツしていなくて、自然体で構えていられるような人です。

 

 

思い通りにいこうがいくまいが、自分のやれることをしっかりやる。

 

「人事を尽くして天命を待つ」

 

人としてやれることをやってしまったあとは、

起きてくることや結果は、神様が決めること。

私たちには決められないのなら、

それで思い悩むのは実に勿体ないこと。

 

自分に嬉しい結果が舞い込んできたなら、

ありがとうございますと感謝して喜び、

自分に厳しい結果がやって来たのなら、

次に活かしますと感謝して受け入れる。

 

書を勉強していると、思い通りにならないことばかり。

それを通じて人生との付き合い方を、わかりやすく勉強できる。

 

書道の素晴らしい一面だと、わたしは思っています。

 

 

 

でも、素晴らしい賞とか、くださってもいいのよ(笑)?

 

via Life is the very art.
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