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梅原デザイン事務所 梅原 真 様
いつも有り難うございます。
岸田内閣が発足しました。その所信表明では「成長と分配の好循環」だの「新しい資本主義の実現」だのと、一見社会主義か共産主義なのか?と思われるような言葉が。格差を生まない資本主義や分配を基本とした資本主義なんてものが実現できるものならお手並み拝見と行きたいところ。
しかし格差ができないような分配システムはそもそも民主主義や資本主義の前提から矛盾するように思われる。今のところ具体性が何もないため絵に描いた餅でしかない。この件はアベノミクス三本の矢、の時と同様に冷ややかに見守っているとしよう。今の政治家はヘンなコピーライターでも付いているのか?
さて、これに対抗して野党4党が衆院選をにらんだ共通政策で消費税減税を打ち出している。とかいう放送を例のサウナ同好会の中で聞いたもんだから近くにいた某鉄工所の社長さんが消費税こそは平等で公平な税金だ、などとウソブいてみせた。
止せばいいのに私も思わず消費税は低所得者にとっては大きく富裕層にとっては小さい不平等な税金である、と反論してしまったのだ。続けて彼曰く低所得者なんぞは努力が足りないから低所得なのであって救済不要だと言うのだ。そんなバカな・・・。
私は一つ小説でも書きたいと思って構想しているテーマがあります。その一つはバブル崩壊後から約10年続いた我々就職氷河期世代( 1993-2005年卒 )の生き方について。従って就職氷河期については幾多の文献を調査しているのですが、一旦派遣社員として社会人をスタートした我ら同世代たちのなんと多いことか。
バブルが崩壊し、他の世代と異なり新卒時に正社員の採用が極端に少なかったため彼らは派遣社員としてスタートせざるを得なかったのです。しかもその後の人生ずっと派遣は正社員に採用されにくい、いわゆる非正規ループに囚われて行く。
私はたまたま正社員に採用されましたが、それは自己アピールが少し上手だっただけで彼らの方が努力が足りないとか彼らよりサラリーマンとして優れているという訳ではなかったハズです。
そもそも人が人を選ぶのに本当に将来に渡ってその会社で活躍できる人材を数回の面接や適性試験なんかで正確に予言できる訳がない。たとえ優秀だったとしても数年で辞めて農業なんて始められたらそもそも採用した意味がない。だから運としか言いようがないのです。
そんなことも知らずに努力が足りないから所得が低いなんて一蹴するのは無知以外の何物でもない。想像力のない愚か者であることを自ら暴露するようなものです。それに、たとえ努力しても金銭的に裕福になれるかどうかはやはり運でしかないことを彼自身が知っているハズなんですが・・・
ここ数年、南海地震対策の避難タワー(鉄塔)需要でにわかに潤って数千万もする趣味の船やら御殿やら新車やらと急に羽振りが良くなった鉄工所の社長さん。3年前まで借金だらけで社長なんて名ばかりだ、と謙虚におっしゃっていたじゃないすか。
御社の社員はボクたちには大して還元されないとボヤいてましたよ。きっと今頃岸田内閣の「成長と分配」を謳う政策に淡い夢を見たいと思ってるんじゃないですかね。
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