海外向け・多言語ウェブサイト制作は、中小企業が自社の強みを「言語化」する絶好のチャンス!

中小企業の国際展開の一環として海外向け・多言語ウェブサイトを始めるというのは悪くありません。特に中小企業においては日々の業務に追われてなかなかできない、自社や自社製品の強みを整理して、分かりやすく「言語化」 する良いチャンスです。ここに注目してどう始めるべきかを考えます。

「暗黙知」を「言語化」して「形式知」に変える

「言語化」された知識は「形式知」とも呼ばれます。文章・計算式・図表などで説明されるものです。企業の中だと作業手順、マニュアル、報告書・・・などがそれに当たります。営業や売り込みの場合だと営業や販促資料などが該当します。

「言語化」されていない知識には、職人技や職人気質などのようには個人的経験・勘などに基づき、言語化が難しく「習うより慣れろ」的な「暗黙知」もありますが、実際には日々の業務が忙しいなどの理由で 「言語化」 できていない知識も多いと思います。

特に自社や自社製品の強みを紹介する営業や販促資料となるとどうしても後回しになるのか、質・量ともに余り充実していない中小企業が少なくないように思います。

「言語化」すると伝達が容易に

言語化された形式知がなぜ重要かと言えば、例えば営業や販促資料などを渡すことですぐに知識が伝えられるからです。

例えば台湾の展示会に出展するとします。営業や販促資料が整備されていないと、ブース訪問者からの質問は毎回通訳を通して毎回日本側に確認するということになります。当然現場での手間と時間がかなり増えます。また一人とのやり取りで時間をかけている間に他の 訪問者への対応がおろそかになるリスクも増えることになります。

もし営業や販促資料があれば、それを流用してブース説明員向けの研修資料を短時間で作成できるかと思います。こうすれば説明員は事前に資料を読んで予習し、資料に載っていないことのみに絞って日本側に質問するように変更することができます。

台湾の展示会への出展ノウハウについてはこちらの記事もご参照ください。

言語化すると加工や流用、「使い回し」が簡単に

先ほどの展示会の例でいえば、営業や販促資料はブース説明員向けの研修資料だけでなく、さらに展示会で配布するパンフレットにも流用が利きます。つまり一度でも似たような内容を言語化すると色々なところで「使い回し」が可能なのです。

海外展示会のパンフレットの作成についてはこちらの記事もご参照ください。

ウェブサイトは「使いまわし」が利く内容(コンテンツ)がたっぷり

ウェブサイトを制作する場合、自社の顧客・潜在顧客にアピールできるように、自社や自社製品を分かりやすく紹介するため、文章や図表を組み合わせた記事を作成するはずです。近年ではこういったウェブサイトの内容を「コンテンツ」とも言います。

ウェブサイトの内容を頑張って作れば、パンフレットや営業・販促資料にも流用できます。つまりウェブサイトをきっかけに、いろいろな知識を「言語化」して「形式知」に変えていくわけです。

海外向けには分かりやすさは必須

特に台湾を含めた海外向けのアピールは、日本や日本の業界での常識が通用しない前提で臨まなければいけません。逆に日本では「当たり前」なことが、海外では「すごい」ことになるかもしれません。よって 「当たり前」 のことを含めて分かりやすく書いていく必要があります。

また日本語の原稿の段階から、自社や業界内でしか通じない専門用語は避け、業界初心者でもわかるように文章を書く必要があります。パングーが日本語で文章を書く場合はこういった部分も考慮して取材・執筆しています。

パングーで専門用語が多い記事の翻訳を行う際は分からない専門用語を調べるのに時間をかけています。場合によっては文章の中に専門用語の解説を入れる場合もあります。こういったことを日本語の原稿の段階から配慮すると、わかりやすい良い翻訳文になる可能性が高いのです。

分かりやすさがメディアなどによる伝達をさらに容易に

業界初心者でも分かりやすい文章は一般消費者や異業界、大学新卒や未経験者の採用者に自社を知ってもらうためなど、さらに使いまわしが利きます。

また文章が分かりやすいと読んだ人が他の人に「こんな会社あったよ」「こんな製品あったよ」と紹介する際も魅力が伝わりやすいです。

運が良ければメディアが紹介してくれるかもしれません。メディアの記者だって自社の専門領域に詳しいとは限りません。そういった意味でも分かりやすく書いておくと、 報道される際も自社の魅力が伝わりやすくなる可能性が高いのです。

パングーではこんなサービスも行っています。

「オンリーワン」の強みを分かりやすく

ウェブサイトに限らず、内容(コンテンツ)で最も重要なのは自社独自、「オンリーワン」の強みを分かりやすく説明することです。

そもそも日本である程度商売ができている以上、どの会社にも「オンリーワン」の強みは絶対にあるはずです。でも自社の人間では「当たり前すぎて気づかない」ことも多いのです。

例えばパングーが文章を書く前には徹底的に取材やヒアリングをしています。その際には敢えて「業界初心者」や「素人」の立場で会社やその製品・サービス、そしてそれを作り出した背景などを徹底的にお伺いし、いっしょに「オンリーワン」の強みを探すお手伝いをしています。

パングーではこんなサービスも行っています。

内容(コンテンツ)作りに予算と人員を

お金をかけて作ったのに、中身のないウェブサイトになってしまった場合。制作業者が悪いのかもしれませんが、何よりもきれいなデザインや動画、キャラクターなど・・・「見た目」ばかりに注目し、その「内容(コンテンツ)」に関心を持たない発注側にも大きな責任があります。文章を書いたり、それを補足する挿絵や図表の部分に価値を認めず、ほとんど予算をかけないわけです。

先ほど挙げたような「オンリーワン」の強みを探し出し、分かりやすく執筆するのは誰でも良いわけではありません。素人、特に文章を書くのが得意でない人が文章を書くと、読むに堪えない文章になります。宿題などでいやいや書かされる子供の読書感想文のようなものです。

一方、プロのライターが書く文章は分かりやすいです。なぜなら取材や文章構成、執筆など「言語化する能力」が高く、また取材や執筆、推敲などにそれなりの手間と時間を費やしているからです。

この記事だってパングーの中の人が一生懸命取材して考えて書いています。記事1本書くのに少なくとも15~30時間は費やしています。ただでは良い文章はできません。金を出すか、手間をかけるか、どちらかしかないのです。

継続した運用が重要

ウェブサイトは開始して数日で成果があがるものではありません。 継続して運用し、ネットユーザーの反応を見ながら、記事を追加したり、見直したり、長期的にコツコツ継続することによって大きな効果が上がるものなのです。

また短期間で数多くの記事を作成するより、ゆっくり取材し、丁寧に一本ずつ記事を書いていく方が良い記事ができやすいと思います。このウェブサイトも最初は数本の記事から始まりました。長年かけて少しずつ記事を追加したり、修正したりして今に至っています。

特に予算に制約がある場合は、まずは簡単な構成でウェブサイトをはじめ、ネットユーザーの反応を見ながら、徐々に記事を追加していくと良いかと思います。逆に言えば最初だけ予算をかけて、運用予算が無いということにならないようにしましょう。

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