こころの羅針盤

ストレス曲線から幸福曲線へ、暗い感情の世界から明るい感情の世界へ移行させるための方便に「今日一日の、よかったことを挙げてみよう、数えてみよう！」的なことを、ときどき耳にします。「感謝できることを数えてみよう」というのもあったでしょうか。

わたしは長い間、どうも違うような気がして、この言い様が安易に使われすぎている気もして好きになれませんでした。相手によっては、かえって抑圧を深めることになりはしないか？たとえば「よかったこと」を数え上げたところで、「こんなによいことがあるにも関わらず、落ち込んでいる私はダメだ」と自己否定を強めてしまう場合だってありそうだと。。。でもタイミングを間違えなければ、あなたとわたしの状況を吟味して適切に使われるのであれば、やはり効果的な助言なのだと最近は思うようになりました。

その場合でも、よかったことを考えるのではなくて、嬉しかったことを思い出してみると表現するのが適切と感じます。そこに感情が、喜びや嬉しいといった感情が参加していなければ意味がないし感情の意識化が成ってイキイキとした知覚がでてくる、これが何より大事だと思うからなのです。

私自身、嬉しいことを数え上げることの効果を実感したこと。考え方が変化したのは、実はこれが一番大きかったのですが、シンプルに嬉しかったこと、感動したことをサラッと思い出す。思い出してニタニタする、一日の終わりに嬉しかったことを思い出して眠りにつく。。。美味しかったなあ、、とか。なかなかよいですよ。
（2021/10/9）
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