今日は日帰りで東京に行っておりました。
東京宝塚劇場で宙組『カジノ・ロワイヤル 我が名はボンド』を見るためです。
今日の東京は曇りでした。
実は今週の水曜日、家族に突発的な出来事が起こりまして、東京に行くのは中止しようかとも思いました。
ところが、私が関西に残っていてもできることがないとわかったので、予定通り行くことにしたのです。
当初、宝塚友の会で宝塚大劇場公演のチケットが入手できませんでした。
宙組トップコンビのサヨナラ公演を見届けられないとは残念にも程がある。
通常、東京公演の方が競争倍率が高く、当たるはずがないけどヤケで申し込んだらこれがあたったんです。
あ、当たるというのは「購入の権利が当たった」という意味で、決してタダ券が当たったわけではありません。
その後、用事で見られなくなった方からチケットを譲っていただき、宝塚大劇場でも観られたんですけどね。
いろいろ言い訳しましたけど、東京公演をあきらめられなかった1番の理由はこれ。
当たっていたお席が1階3列という神席だったからなんです。
トップコンビのさよなら公演をこんな良いお席で見るなんて、なかなかありませんよ。
上手の通路寄り、ちょうどお芝居なんかで、スターさんが立ち止まる位置です。
トップスター真風涼帆さんが!キキちゃん(芹香斗亜)が!目の前で立ち止まってくれる!
衣装の生地、地模様まで見える距離で。なんなら縫い目まで見えそう。(←それは見えない)
ああ、東京まで来て良かった。
夢のようなお席でございましたよ。
ところで、ワタクシ今日は宝塚大劇場が本当に「大劇場」なんだなと実感しました。
というのも、劇場の後ろの扉から入って3列目を目指したら、あら?意外と近いじゃない?
宝塚大劇場の場合、劇場の後部入り口から入ったら3列目までもっと距離があります。奥行きが全然違うの。いつも当たり前のように行っている劇場の偉大さを知りましたワ。
さて、『カジノ・ロワイヤル 我が名はボンド』。
お時間のある方は、こちらで予習なさってくださいね。
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私自身の作品全体の感想は宝塚大劇場で見た時とほぼ変わっていません。
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茶々吉24時(2023年4月2日)
今日は、散文的に、観劇時に思ったことをポロポロと書いていきます。
まとまりのない文章になるかもしれませんが、よろしかったらお付き合いくださいね。
まずは、小池修一郎先生がいかに舞台の手練れであるかをしみじみ感じました。
比べて申し訳ないのですが、先日拝見した雪組『Lilac(ライラック)の夢路』が、私にとっては最初から最後までどうにも感情移入できない(のめり込めない)作品だっただけに余計にそう感じたのかもしれません。
まあ、原作があるという強みはあるにしても、それぞれのスターさんに見どころがあり、面白いわぁ、楽しいわぁ。
小説や映画にも言えると思うんですけど、不思議なことに、リアルさが作品の説得力になるとは限らないんですね。『カジノ・ロワイヤル』は、細部を分析したらリアリティはありません。荒唐無稽なんです。そんなことあり得ないでしょ、っていう場面がいっぱいある。だけど、理屈抜きで面白いんです。
二幕の終盤、ル・シッフルの秘密基地に場面が移ってからは、入れ替わり立ち替わり、どんどん人が投入されて、下手したらドタバタ喜劇になってしまいかねません。ジェームズ・ボンドを初めとして、アメリカ、フランス、ロシアのスパイが次々に登場。そこにロマノフ王朝の末裔やら、旧ナチスドイツの研究者やら、自分自身が皇帝になりたい男やら、革命を目指していた青年までもが入り乱れます。カオスです。ところが、小池先生の匙加減なのか、出演者の魅力なのか、はたまたその両方なのか、全く違和感なく楽しめちゃうのです。
そもそも、スーツ祭りと呼ばれるほど、スーツ姿の男役さんが舞台いっぱいにいて、派手に銃撃戦をしてくれる、ファンサービスここに極まれり!
トップコンビのさよなら公演を、ファンの涙を絞る方向ではなく、娯楽大作によるさらりとしたお別れにしたのは、真風涼帆さんと潤花さんのお二人にはよく似合っていると思いました。
大作二部構成のためショーがない公演ですが、フィナーレナンバーが素晴らしかったことも
満足度を引き上げていると思います。真風さんを囲む可憐な娘役さんたち、カッコ良すぎて悶絶する男役さんたちのダンスシーン、清楚な衣装のデュエットダンスなどなど。素敵でした。
●真風涼帆(以下芸名は敬称略)
星組時代からよく目立っていました。大きな体で、ちょっと不器用そうなところも、大器を感じさせるものでしたよ。
男役になるために生まれてきたかのような真風さんですが、今月の宝塚グラフを読んで知りました。宝塚音楽学校には三度目の受験で合格したんですって。びっくりしました。宝塚音楽学校の受験生を追いかけるテレビ番組などを見ていてわかるのは、受験生の尋常ではない努力と、合格発表を待つ時の張り詰めた気持ち。それを3回繰り返したなんて、あのおおらかそうに見える真風さんからは想像がつきません。思うに、素材の良さや才能だけでは宝塚歌劇のスターさんにはなれないんでしょうね。
入団してからも、努力や研鑽を積んで、ピークを迎えた時に退団していく、宝塚歌劇の美しさと儚さを感じますわ。
今日のお席は上手寄りだったので、コート姿の真風さんが上手から銀橋を渡って下手の袖にハケる場面では、かなり長い間、真風さんの後ろ姿を拝見することができました。美しかったです。ただ綺麗っていうだけではない、風格っていうんでしょうか。頂点を極めたんだなっていう、そんな後ろ姿でした。
●潤花
潤花さんはいい意味の図太さが魅力だと思っていました。
夢の国のお姫様のような娘役さんではなく、かなり現実の女性に近いリアルな娘役さん。
そのナチュラルさが好もしいと思って拝見しておりましたよ。
退団後のご活躍に期待しています。
●紫藤りゅう
寂しいのよ私は!紫藤りゅう氏の退団が惜しまれる。
以前から書いておりますが、彼女の頭の形、大きさ(小ささ)、肩幅、身長、スタイル、全てが完璧!コスチュームものより、スーツ姿が本当に素敵な人でした。
今回、フィナーレでは上手にいらっしゃって、緞帳が降りる時には ほぼ私の目の前。
私は気がつけば泣いていましたわ。
もうこのスーツ姿が見られないと思うと寂しくて!
紫藤りゅうロスになりそう。
●鷹翔千空
私の好みのお顔立ちではなくて、これまでノーマークだったのですが『カジノ・ロワイヤル』で突然ハマっちゃいました。
昭和の言葉で言うと「クサイ男役さん」なんですよね。
お芝居をしていても、踊っていても「かっこいい?俺ってかっこいいよな?」って言っている感じがするの。
何より、瞳が暗いのが良いわぁ。
ちなみに、過去に遡って瞳が暗い男役さんを挙げるとすると、代表格は大空祐飛さん。
私が男役さんに求めるのは「憂い」なんです。
例えば眉間のシワなんかが大好物です。
いつも瞳がキラッキラしている太陽タイプの男役さんより、屈折した目をしている男役さんが好き。
鷹翔さんの目の暗さは「憂い」というより「屈折」に見えます。
単純じゃないってことです。今後、ますます期待したいですわ。
●芹香斗亜
いつでもトップスターになれそうと思っていたキキちゃんがいよいよトップスターになりますね。若くして(ちょっと未熟な感じで)トップスターに就任するスターさんも魅力的ですが「どんな役でもできますよ」っていう貫禄十分のトップスターさんも頼もしい。
今後、作品に恵まれますように。楽しみにしています。
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