本日2回目の更新です。
 

今日は、宙組『宝塚110年の恋のうた』『Razzle Dazzle』3回目の観劇日でした。

私自身はこれが宙組トップスター キキちゃんこと芹香斗亜さんの見納めということになります。

 

本日のお席は、お世話になっている方にとっていただいたもので、1階S席のとても見やすいお席でした。

ありがたいですわぁ。

 

さて、私は初見ではざっと全体の感想を述べました。

 

 

そして2回目の観劇では、『宝塚110年の恋のうた』の感想を述べました。

 

 

本日3回目の観劇では『Razzle Dazzle』の感想のみを書く予定だったのですが、『宝塚110年の恋のうた』に関して、一つだけどうしても書きたいことができたので、ここに書かせていただきます!

 

その前に初日映像をご覧ください。

 

 

 宝塚110年の恋のうた

 

今年111年目を迎えた宝塚歌劇。

この作品は、トップスター芹香斗亜さん演じる藤原定家と、トップ娘役 春乃さくらさん演じる式子内親王の叶わなかった恋を軸にした物語に、宝塚110年の日本物の主題歌を散りばめた和物ショー。

演出の大野拓史先生の呼びかけで、ファンによる過去の日本物主題歌投票が行われていました。

 

私はそのアンケートに対して、散々迷った挙句、柴田侑宏先生の『あかねさす紫の花』から「紫に匂う花」を挙げました。

 

ところがですね、「紫に匂う花」は本編には入っていなかったのですよ。

残念!

ただ、せっかくのアンケートで選に漏れた主題歌をピックアップし、日替わり(?)で歌う場面が用意されておりました。

初見では『川霧の橋』、2回目の観劇時は『花のオランダ坂』より「私は桃の花が好き」が歌われました。

 

本日、「今日は何が歌われるかなー」と思っていたら、なんと『あかねさす紫の花』より「紫に匂う花」がピックアップされましたよ。歌ったのは嵐之真さんでした。

やったー!

きっとこのコーナーで一度は歌われるだろうと思ってはいましたが、ちょうど観劇日に当たるとは!感激!(昭和のダジャレ)

 

ただ、一つだけ気になったのは、場内に掲示される歌のタイトルが「紫に匂える花」になっていたこと。

違うよ!!「紫に匂う花」だよ!

どうしてこんな間違いが起こるんだろう。

謎だ。

 

 

 

 Razzle Dazzle

 

では今日の本題、『Razzle Dazzle』の個別の感想を。

その前に、初見時に掲載した私なりのあらすじまとめを再掲載します。

 

舞台は映画の都ハリウッド。

主人公は、幼い頃に両親を亡くし、莫大な財産を相続したレイモンド。ハリウッド近くにある高級なクラブのオーナーになったばかりだ。彼は「ハリウッド一裕福な孤児」と呼ばれているけれど、実際にはまだ大金を手にしてはいない。遺産は、実業家である彼の叔父(遠縁?)が管理しており、彼の一人娘アビーとレイモンドが結婚して初めて、莫大な財産を引き継ぐことができるのだ。

ただ、アビーは物質主義の女性で可愛げがなく、レイモンドはお金のために彼女と結婚する気にはなれない。この世には真実の愛があるはずだと夢見るレイモンドを冷笑するアビーは「あなたがモテるのはお金持ちだから。あなたがお金持ちだとは知らない人と”真実の愛”を叶えることができるかどうか賭けましょう。もしあなたが負けたら私と結婚するのよ」と言い出す。

しかし、ハリウッドではレイモンドがお金持ちであることを知らない人はいない。賭ける対象がいないのだ。

ところがそこに、ハリウッドでエキストラの仕事を得たいと田舎から出てきた一人の女性が現れるのだった……

(宙組『Razzle Dazzle』の大枠を私なりにご紹介しました)

 

昭和の時代、お正月公演は罪のない明るい作品が定番でした。老若男女、誰が見てもストーリーをすぐに理解でき、途中でハラハラさせられるものの、最後はハッピーエンド。お客さんの楽しい気分は終演後にも続いていて、主題歌の一節を口ずさみながら帰路につく…そんな作品。

『Razzle Dazzle』はそういった古い時代の良さを受け継ぎつつも、111年目の幕開けに相応しいおしゃれな作品だと思います。

はっきり言ってかなり秀逸。

この作品をトップスターのさよなら公演に当ててくれた劇団に感謝します。

 

ではそれぞれの感想です。芸名は基本的に敬称略で失礼します。

 

⚫︎レイモンド・ブルー:芹香斗亜

 私は基本的に男役さんの悩んでいるお顔、眉間に皺を寄せているお顔が大好物です。

 でも、キキちゃんに関しては、笑顔が一番好き。

 これまで複雑な役、ダークな役をこなすのも見てきましたが、最後が笑顔のレイモンド役で良かった。

 幼い頃に亡くなった両親の莫大な遺産を引き継ぐ苦労知らずの坊ちゃんなのだけど、根が素直というか、夢見る青年というか。他人を見下さないお金持ち(まだ全財産を受け取ってはいないけど)に育っているのだから、彼の後見人である叔父さんはものすごく良い教育を施したんじゃないでしょうか。

 行きがかりで映画のエキストラとなったレイモンドが奴隷役としてこき使われ、あっちこっち走りまわり、クタクタになっている様子を演じるキキちゃんが可愛いやら面白いやら。

また、周りのエキストラがみんなお金持ちのレイモンドのことをスッと仲間として受け入れているところも見ていて気持ちが良い。

最近、嫌なニュースが多いので、こういうシンプルで気持ちが晴れ晴れするような作品を見るとほっとするというか、心が洗われるというか。

 主演した作品数は多くないかもしれないけれど、退団公演が大当たりの作品で本当に良かった。

 退団後、どのような道を歩まれるのかわかりませんが、良い未来をお祈りしております。

 

⚫︎ドロシー・レイン:春乃さくら

 映画出演を夢に見て、まずはエキストラ採用を目指しカンザスから出てきた女性。

 春乃さんは見た目がシュッとしているので「田舎娘」と呼ばれてもピンときませんが、性格が純朴なのが田舎の女の子らしさになるのかも。

 自分の淡い恋心が賭けに利用されたのだと知った時も、もっと怒って良いんだよ、と言ってあげたいくらいに控えめなのですよ。中島みゆきだったら「恨みます、恨みます🎵」って歌うシチュエーションなのに。

 でも、ドロシーが善人だというのは映画撮影中に表現されているんですよね。

 エキストラ仲間で あがり症のウエンディが振り付けを忘れて青くなっているときに、小声で「私を見て、左右反対に踊れば大丈夫」と教えてあげる場面が伏線になっているように思いました。こういうときに、ライバルを蹴落とそうとするのではなく、とっさに助けてあげる人なんだなって。

 ドロシーのこの場面を見て、私はNHKのうたのおねえさんのオーディション会場での はいだしょうこさんのエピソードを連想しました。控え室で何かわからないことがあって質問してくる女性に対して、みんなは迷惑がって(あるいはライバルに何か教えてその人を有利にしたくない気持ちで)無視していたのに、はいだ しょうこさんだけが話を聞いてあげて、丁寧に教えてあげた、と。実は質問者はスタッフで、その段階でオーディションが始まっていた、というお話。

 きっとドロシーも仲間に好かれてスター女優さんに育っていくんだろうなぁ、と思わせられました。

 よく考えたら、私は春乃さくらさんのお芝居ちゃんと見たのはこれが初めてです。あと何作かキキちゃんとの演技を見たかった気もします。

 

⚫︎トニー・デイヴィス:桜木みなと
 ハリウッドスターで、レイモンドの親友。

 賭けの対象となったドロシーを、レイモンドと競う設定。

 トニーは二番手が演じるにしては屈折がない素直な役で、桜木さんのキャリアからすると物足りない感じがしないでもありません。

 ただ、ハリウッドスターとして、バビロンの王役を華々しく演じている姿が美しかったですわ。次期トップスター、どんな作品を演じることになるのでしょう。楽しみにしています。

 

⚫︎シャーリーン・ムーア:瑠風輝
 ハリウッドの看板女優。レイモンドの元カノ。(レイモンドが引き継ぐであろう「遺産」目当て)。お酒もタバコも嗜み、「歌詞を覚えてないから、カンペ出して〜」などと要求する、なんとも自分勝手というか、周りを振り回す「大女優」です。

 175cm(本当はもう少し背が高いような気もする)の瑠風さんが女性役と聞いて最初はびっくりしました。でも初めてシャーリーンを見た時「あ、観月ありささんに似ている」と思いました。男役さんが演じる女の人、ではなくて、こういう女優さんが確かにいるという納得感です。

 シャーリーンはこの作品の印象を左右するとても大切な役だと思いました。

 というのも、この役を等身大の娘役さん(言いたいことわかります?)が演じたとしたらどうだったでしょう。ただのわがまま女優、空気を読まずに言ってはいけないことを口走る嫌なオンナになってしまったのではないかと思います。

 瑠風さんのあの押し出し、背の高さ、足の長さ、サバサバした感じ、それがシャーリーンを嫌味なく見せてくれて、最後までハッピーな物語に仕立ててくれたのだと思います。

 もしかしたらこの作品の1番の功労者かも。

 瑠風さんはこのあと星組に組み替え。どんな感じになるのかしらね。期待しましょう。

 

⚫︎アビゲイル:天彩峰里
 孤児となったレイモンドの後見人となったリチャードの娘。リチャードは航空事業や映画事業を束ねる社長なので、アビゲイルは「お嬢様」です。

 アビゲイルと結婚しないとレイモンドは莫大な遺産を受け取れないということになっておりますが、このお芝居にはそのあたりの説明が全くありません。ふわっと「そんなものかぁ」と流しながら見ておりました。

 ただ、レイモンドってアビゲイルへのいたわりに欠ける部分があるんですね。

 それは幼い頃に孤児になって叔父に引き取られたためアビゲイルとはまるで兄妹みたいな感覚になっているせいかもしれませんが、いくら意に沿わない許嫁だったとしても、面と向かって「愛していないんだ、これっぽっちも!!」なんて言うんですよ。

よく考えたらレイモンドはヒドイこと言うなぁって感じですが、そう言われても仕方ないよね、というくらいアビゲイルも可愛げがないのです。結婚は経済的バランスのためにするものだ、というふうに。

とはいえ、アビゲイルが心底いやーな女の子だと、「他の女性を賭けの対象にする」部分が笑えない話になってしまいます。アビゲイルがただの「性格の悪い女」だったら、見終わったあとの気分が損なわれてしまいそうで、その辺りの匙加減が難しそう。

私は天彩さんのアビゲイルを見て、幼い頃から父親の仕事ぶりを見てきたことで、経営者目線で物事を考えられる女性に育ったのだろうと解釈しました。そして本当はレイモンドのことが好きなのだけれど、素直にいうこともできないんだろうなと。

レイモンドとの言葉の応酬が嫌味のないものに仕上がっているのはすごいと思えました。キキちゃんも天彩さんも。

物語の終わりには、アビゲイルとレイモンドは今後ビジネスパートナーとして協力し合うんだろうなと思えましたよ。

 

⚫︎リチャード:松風輝

⚫︎フランク:秋奈るい

 リチャードはアビゲイルの父親で大手航空会社と映画会社のオーナー。

 フランクはレイモンドの執事であり、レイモンドが経営することになったクラブ「Razzle Dazzle」の支配人でもある。

 ヒゲ部の私としましては、この ひげのイケオジ二人のビジュアルに惚れ惚れ。

 あー、素敵っ!好み!

 特に、慣れないクラブの支配人に任命されてウキウキ仕事を楽しんでいるフランクが超絶好みでした。この作品の中でお付き合いしたい人は誰かと聞かれたら迷わずフランクと答えますワ。

(そんなこと誰も質問してくれないだろうけどね)

 

⚫︎カイル:鷹翔千空

⚫︎オリバー:風色日向

⚫︎ミッキー:亜音有星

 エキストラ。今回個別の見せ場がなくて勿体無い気がしました。

 が、映画が大好きな性格のいいお兄さん三人、可愛らしかったです。

 先日、宙組のトークショーを拝見し、風色日向さんのオフのお話を聞かせてもらったことで、風色さんは舞台のどこにいてもパッとわかるようになりました。

 やっぱり「知る」ことって大事ですね。

 

⚫︎ヘレン・カッター:小春乃さよ

 人気コラムニスト。書くだけではなく、テレビでコメンテーターとしておしゃべりもします。

 小春乃さんの声のインパクトが凄すぎました。私が持っている「外国人のレポーターの喋り方イメージ」にぴったりハマっていたのです。一人だけ発声が違う感じ。

 私は声の仕事をしておりますが、以前はプロダクションに所属していました。そしてプロダクション主催のレッスンにも通っていたのですが、その頃のレッスンに「成り切る」というのが有ました。

想像してみてください。海外通販の日本語訳吹き替えとか、海外レポーター日本語吹き替えの声を。あれって、普通の喋り方じゃないです。大袈裟というか、メリハリ効きすぎと言うか。でもその不自然さが逆に「それっぽい」んですね。なだぎ武さんの芸を想像してもらったらわかりやすいかもしれません。

ヘレン役の小春乃さんの声はまさに「成り切る」レッスンのお手本のようでした。

すごいわー。

 

⚫︎フィナーレ

客席降り楽しい。

 

キキちゃんの歌う「Feeling Good」素敵。ちょっと瀬奈じゅん氏を思い出すが、キキちゃんの方が英語の発音がいい気がする。

キキちゃんが、緩めに結んでいたボウタイを気だるそうに解く仕草が色っぽすぎて座席で密かに悶絶。しかもそれをポイっとオケボックスに投げ込むのよ。色っぽいわぁ。

 

男役群舞の「So In Love」、振り付けがカッコいい!

でもこの曲はやっぱり亡きなーちゃん(元花組トップスター大浦みずき)を連想せずにはいられない。少しうるっとしてしまう。

 

フィナーレ、下手そでの端っこの二人が、すごく楽しそうにピョンピョンひときわ高くジャンプしているのがとてもイキイキしていて可愛い。初見の時、2回目もこの下手はしの二人が目に飛び込んできた。この元気な二人のお名前は?どなたかご存知でしたら教えてください。

 

 

本日の宙組観劇がMy千秋楽でした。

さよならショーが見たいから、東京の千秋楽のライブ中継を見に行きたいナ。

 

 

 

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