占い師の日記

おかえりなさい・・・・８


透明「(いやいや、落ち着け透明

　　　 少し情報を整理しよう・・・)」


明穂ちゃんは、頭を強く打ったことで、

あの世に残っている魂と何らかの理由で

リンクしてしまった・・・。

そのことで前世である玄馬さんの記憶が

逆流し、現世の明穂ちゃんの記憶よりも

玄馬さんの記憶の方が優位の状態にある・・・。

木人図上では、２つの木人図が重なっている

ところを視ると、明穂ちゃんの記憶は抹消

されているわけでは無いのだが、このまま

玄馬さんの木人図が明穂ちゃんの今世のルート

と認識されてしまうようなことがあれば

明穂ちゃんの人生はデリートされてしまう・・・。

確かに、玄馬さんの人生は壮絶なものだった為、

生まれて５年しか経っていない明穂ちゃんの記憶と

比べれば、かなり強い記憶が優先されてしまった

と考えるのが妥当なのかもしれない

その上、最初に玄馬さんに聞いた時に、

７５歳と言っていたが、木人図上では５６歳で

亡くなっているところを視ると、１９年の間

未練を持って彷徨っていた期間があるか

地獄門で情状酌量を得られずに、成仏まで

時間がかかった可能性が高い・・・。

そう考えれば、記憶に執着が存在しているため、

明穂ちゃんの記憶を凌駕してしまっているのも

頷ける・・・。


透明「(う～む・・・考えをまとめてみても

　　　やるべきことは明確なのだが・・・)

　　　玄馬さんとりあえず目を開けて

　　　いただいても大丈夫ですただ少し

　　　質問をさせていただいても良いですか」

明穂「なんじゃ」

透明「玄馬さんは、ご自分が今どこにいるのか

　　　理解されていますか」

明穂「・・・・う～む・・・ここは西洋か」

透明「やはり、今の現状を理解されていないですよね

　　　玄馬さんからすれば、信じられないかもしれませんが

　　　ここは玄馬さんが生まれた日本です」

明穂「」



今日イチびっくりした顔をする中身が玄馬さんの明穂ちゃん



透明「もう一つ、お聞きしたいのですが

　　　この世界に来る前にいた場所を

　　　玄馬さんは覚えていますか」

明穂「ここに・・・くるまえ・・・」

透明「思い出してくれませんか」


玄馬さんがフリーズしている・・・

この様子を見ると、やはりご自分が亡くなった

ことを思い出せないでいる可能性もあるな・・・。


明穂「わ、わしは・・・大怪我をして・・・。

　　　それからは、誰も私を見なくなって・・・。

　　　気がついた時には、渡し船にのってどこまでも

　　　どこまでも・・・歩いて・・・・。 」


やっぱり彷徨っていた期間があるみたいだなぁ

そこからは強制送還された形で、なかなか

情状酌量がもらえなかったとみて間違いないな



　　　　　　　　　続く・・・。

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