輝きの向こうに。 | シャアに恋して ~デスラー総統のロマン航路~
諸君、ご壮健かな。



燃えよ剣

土方歳三の生涯を、本人による昔語りの形で描いた作品。歴史は立場によりサイドストーリーがたくさん出てきて、いい。「青天を衝け」「るろうに剣心」を観たあとだけに格別だ。

徳川慶喜。
松平容保。
土方歳三・・・。

作品の角度により、善悪柔剛が流転のように入れ替わる。機動戦士ガンダムにも通ずるところがあり、やはり心を打つのは同じなのか。

 

土方歳三最後の戦い 北海道199日

土方歳三。


崩れ行く幕府を守るべくできた新撰組。 懸命に刃をふるい、開国を進める幕府を反対派から守ろうとする土方。


死と隣り合わせの熱く激しい時代に、魂を燃やした男。その不器用な生き方に誰もが心を打たれる。


 


大政奉還―徳川慶喜 (人物文庫)

 

しかしその幕府が政治を朝廷に返してしまう。そして斬り倒していた長州と薩摩に朝廷は錦の旗を渡す。


存在意義がなくなった新撰組が、朝敵となってしまったのだ。


時代の激流に流され、北へ北へ向かった土方歳三。最期は函館五稜郭で、弾丸の前に寂しく消えていく。



そして、昨日。一人の男が引退した。



北海道日本ハムファイターズ
斎藤佑樹。

いや、早稲田実業の斎藤佑樹といった方がしっくり来るかもしれない。

私は未だ彼を越える甲子園のスターに、巡りあっていない。それほど煌びやかで、伸びやかで、光輝いていた。


その後、早稲田大学を経てプロ野球に入った。そこで待っていたのはハンカチ王子と言われた彼には、
あまりにも厳しい試練。

肩を壊し股関節を壊し肘を壊し、まともに投げられない日々。いつしかスマイルは消え、寂しいような苦しいような表情に変わった。

そんな苦しむ彼を球団は見ていた。批判を浴びながら、何年も復活を祈っていた。そして二軍の若手はその背中を追っていた。


最後、二軍のメンバーで歌った彼のテーマ曲「100%勇気」。どれだけ慕われていたか、どれだけ応援されていたか。



最後は少し大人になった、佑ちゃんスマイル。


様々な声に応えようと、見返そうと、苦しみもがいたからこそ、こぼれたのであろう。







輝きのあとに待っている寂寥。我々のような凡人は持つことはないだろう。しかし、確実に心を打つことは、間違いないのだ。