天下御免のべらぼうめ! | 湘南逍遥
2025-01-21 06:11:56

天下御免のべらぼうめ!

テーマ:テレビ・映画

2025年のNHK大河ドラマにはそれほど期待はしていなかった。大河だぜ、大河。信長や秀吉や家康など日本史に燦然と輝く誰でも知っている偉人英雄が主人公じゃねえと。蔦屋重三郎なんざ、べらぼうめ!誰も知らねぇじゃねえか。

と思って眺める程度で見始めたのだが、これがなかなか、いつの間にか引き込まれてしまった。

しかし、この「べらぼう」だが、なんだかどこかで見たような…というか、なにか記憶の奥底の扉を開くような…。

そして扉から出てきたのが「♪天、天、天下御免丸!」の「天下御免」であった。

 

「天下御免」は大河ドラマではない。調べてみると1971年10月から1972年9月まで金曜の20時枠で放送されていたNHKの時代劇だった。山口崇演じる平賀源内、林隆三の小野右京之介、津坂匡章(現・秋野太作)の稲葉小僧が江戸の町で縦横無尽に活躍。杉田玄白、田沼意次など歴史上の人物が登場して、当時の日本の社会問題(ゴミ・公害問題、受験戦争、日本列島改造論)を風刺したストーリーが展開した。

「べらぼう」には平賀源内、田沼意次が出ていたから「天下御免」が記憶の底から思い出したのか?

いやいや、どうもドラマのタッチが似ているのだ。「べらぼう」にも今日的な話題とリンクするところが見受けられる。ちなみにだが「天下御免」の脚本は早坂暁、「べらぼう」は森下佳子。早坂は「夢千代日記」で、森下は「JIN‐仁-」だから両者とも稀代のストーリーテラーには違いない。

ちなみにもさらにちなみのどうでもいいことだが、私はこの頃はNHKの金曜時代劇を見ていたのだが、1972年7月から始まった「太陽にほえろ!」(日本テレビ系)にいつの間にかスライドしていた。

 

懐かしい「天下御免」だが、なぜか記憶の奥底で埋もれてしまったのは、当時のドラマの収録VTRは使い回しされていたためだ。つまりは再放送されることもなく、忘れ去られたしまったということ。この頃のドラマはとても良かったので(「男は度胸」とか「天下堂々」とか)、とても残念。まさにべらぼうな失敗であった。

 

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