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今後の予定

<令和3年度 本試験分析会>

両試験の合格発表を受けて、令和4年(2022年)1月29日(土)の午前中、「令和3年度マンション管理士・管理業務主任者 本試験分析会」を行う予定です(詳細は後日)。

 

<令和4年度向け講座 一部受付開始>

令和4年度向けの講座について、一部受付を開始しています。

詳細は➡コチラへ(マンション管理サポートセンターのページ)

全体のラインナップは➡コチラへ(弊社HP)

 

令和3年度 管理業務主任者本試験の講評

本試験当日(令和3年12月5日)にライブ配信した動画はコチラ↓

 


皆さん、こんにちは。平柳です。
 

昨日の本試験講評のライブ配信(上記↑動画)をご覧くださった皆さんには既にお伝えしましたが、

改めまして、管理業務主任者試験受験生の皆さん、昨日は本試験、本当にお疲れさまでした!

持てる力を最大限出し切れましたでしょうか。

 

個数問題・計算問題への向き合い方など、試験前のブログで色々書いた内容を意識せざるを得ない場面が「これでもか」というくらいあって、厳しい試験だったと思います。

 

でも、「なんとか最後まであきらめずに頑張った!」と言える状態だったことを願うばかりです。

今回平柳は、JR池袋駅から少し離れた「大正大学」というところで受験してきました。

 

マンション管理士試験同様、今回も、回収するときの試験官の「なに?あなた2時間なにしてたの?」という好奇の目に気づかぬふりをして(笑)、マークシートは白紙で提出です。

 

もちろん、2時間を目いっぱい使って、本試験中に全問・全肢を分析して、受験生目線での回答のしやすさの観点からの「ランク付け」をして分析していました。

 

今回は管理業務主任者試験の全体・分野ごとの簡易講評と、12/5時点における予想合格ラインについて書きたいと思います。

 

1.全体的な講評

 

今年度本試験の全体的な特徴としては、

 

個数問題が大幅に増加した(例年6問前後➡12問)
過去に出題実績のない形式・内容の出題が増加した(「貸借対照表の穴埋め」、「賃貸住宅管理業法」、「マンション総合調査等の統計」等)
時間がかかる計算問題が出題された

建築設備分野は、比較的選択肢を絞れる問題が多かった。
・条文上明記されたものではない、実務的な事例を規定にあてはめさせる問題が出題された

・条文上の知識を前提に、一歩進んだ深い理解を問う問題が出題された
知識の正確性を問う問題が多数出題された

 

といったことが挙げられます。

 

これらは、一つ一つの要素としてはそれほどではないものもありますが、重なることによってじわりじわりと受験生を縛り付け、精神的・時間的に重い負担となってきます。

 

ですから、

 

今回の管理業務主任者試験を受験した多くの皆さんの、試験終了直後の素直な感想は、

 

「いやー、キツかったな…」

 

というところではないかと思いますが、その感覚は間違っていません。

 

特に後半の時間帯では、相当なプレッシャーと時間不足も含めた焦りを感じる状態に陥った受験生の方は多かっただろうと思われます。

 

これは当然、合格ラインの低下につながっていきます。

 

2.主な分野ごとの簡易講評

 

(1)民法分野

例年、問1~6の6問が民法単体の出題ですが、今年度は問5までの5問でした。

 

定番の分野・論点からの出題(問1:意思表示、問4:代理、問5:時効)もあった反面、管理業務主任者の受験生では手が回りづらい論点からの出題(問2:連帯債務の絶対効・相対効、問3:債権者代位権)もありました。

 

ただ、債権者代位権の問題については、管理業務主任者の過去問(H27-3)で正解に直結する内容が出題されていますので、やはり「過去問の重要性」が見て取れます。

 

なお、錯誤や保証(個人根保証)などはスルーされていますので、これらは次年度の重点項目になります。

 

(2)標準管理委託契約書及び滞納対応

民法が問5までだった関係で、例年は問7~9に配置される標準管理委託契約書が、今年度は1問前倒しになり、問6~8となりました。

 

また、問13にも標準管理委託契約書が1問出題されていますので、合計4問です。

 

問6・8は即答レベルの基本問題ですが、問7は個数問題であったこともあり、やや正解を導きづらかったかもしれません。

 

問13は、肢2が(出題の仕方が上手いですが受験生には)厳しい出題です。

 

「毎月末日まで」に前月における書面交付が求められるのは、「管理事務の処理状況」ではなく、「会計の収支状況」についてです。

 

「管理事務の処理状況」について書面交付が求められるのは、「年次報告」の際だけです。

(なお、組合から「請求」がある場合には、管理事務の処理状況について「報告」は必要です)

 

また、滞納対応は、例年問10・11の2問ですが、今年度は1問増えて、問9・10・11の3問になりました。

 

問9・11は基本問題で正解を導けないといけませんが、問10は、正解肢が支払督促というマイナーな知識に関するものであることに加え、肢4の少額訴訟の知識(60万円以下であることが必要なのは、滞納額全額ではなく「訴額(請求額)」である)という知識が初出であることから、やや厳しかったかもしれません。

 

(3)会計・税務

今年度は税務からの出題はなく、問14・15・16の3問が会計からの出題でした。

 

問14は、貸借対照表の穴埋めという目新しい出題で、面食らった方も多いと思います。

 

しかし、内容的には、小学校の算数と漢字の意味を考えれば対処できるもので、決して難しくはありません。

 

また、問15・16の仕訳は、毎年定番の「発生主義の理解」が問われています。

 

合格レベルの受験生は、こうした問題は必ず得点してきますので、これを落とすとかなり痛いといえます。

 

(4)建築・設備

建築・設備系は、例年、「どんなに頑張っても半分以上は見たことも聞いたこともない問題・選択肢が出る」というのが傾向です。

 

この傾向は今年はやや弱まり、「比較的正解肢が判断しやすい問題が多い」というのが特徴です。

 

また、「長期修繕計画作成ガイドライン」は昨年に引き続き3問の出題です。

 

既に改訂されたものも公表されており、次年度から出題対象になりますので、引き続き目が離せません。

 

(5)区分所有法・標準管理規約

区分所有法・標準管理規約は、今年度は、

・区分所有法単体の問題:6問(問32・33・34・35・37・39)

・標準管理規約単体の問題:6問(問12・28・29・30・31・36)

・区分所有法と標準管理規約の複合:1問(問38)

と、なっています。

 

区分所有法でいくつかみると、問32では、敷地利用権の割合について、基本事項である「区分所有者相互間」のものではなく、「1人が複数の専有部分を所有していた場合」に関する出題がなされ(肢1)、一定程度勉強している受験生ほど判断しづらい内容が出題されました。

 

問33は、問題文柱書の「共用部分の変更」が「重大変更」であることを適切に読み取ったうえで各選択肢を検討することが求められています。ここで認定を誤ると正解は導けません。

 

問34は、建替え決議後の売渡請求が「参加者から『不参加者』へ」のものであることを踏まえ、「不参加者」に該当する者を判断させる出題でした。

 

肢4で正解を導ければよいのですが、そこに至るまでに肢1~3があり、立場を変えるのは一方通行(不参加➡参加はOK、参加➡不参加はNG)であるという、ややマンション管理士寄りのレベルの高い知識を使いこなすことが求められるため、厳しかったかもしれません。

 

また、標準管理規約でいくつかみると、問29・30で、団地型・複合用途型が出題されていますが、事例へのあてはめ問題であることに加え、個数問題形式での出題だったこともあり、受験生を相当悩ませたものと思われます。

 

また、問36では、久しぶりに「計算問題」が出題されました。

 

内容的には基本問題ではあるのですが、事例整理で間違いなく時間がかかりますし、本試験の緊張感の中で間違えずに計算をこなさなければならないうえに、なんとこの内容で個数問題です。

 

そうなると、あっという間に5分、10分が過ぎてしまいますから、残り14問もあることを考えれば、試験戦略的にはいったんスルーして、他の問題をひととおりやり終えた後に落ち着いてやるのがよいといえます。

 

区分所有法・標準管理規約とも、単なる「知識の有無」だけでなく、「基本の正確性」が重要である点は例年どおりですが、さらに「知識を具体的な事例にあてはめる」という、マンション管理士寄りの問題が散見されました。

 

ますます「付け焼刃」の学習では合格が難しい状況になってきたといえます。

 

(6)各種法令

問40~問45の各種法令については、問40、41、45あたりはなんとか正解を導きたいところです。

 

問42・43・44はなかなか厳しいですね。

 

問43はマンション総合調査を前提にした統計問題ですし、

 

問44はなんと賃貸住宅管理業法!

 

確かに、賃貸住宅管理業法は新法ができて、賃貸不動産経営管理士の試験での重要な学習分野でもありますが、まさかの管理業務主任者試験での出題にはビックリです。

 

思わず、「出題範囲に明記されていたっけ?」と試験実施要項を確認してしまいました(笑)。

 

(7)マンション管理適正化法

最後に問46~50の「マンション管理適正化法」です。

 

問われている内容は基本的なものが多いですが、「数字の正確な記憶」「法改正内容の理解」も求められています。

 

ここもかなり「知識の正確性」が求められているといえますね。

 

以上が、分野ごとのざっとした分析です。


全体としてみると、やはり例年どおり、宅建の学習経験者や、管理業務主任者だけでなくマンション管理士もW受験する受験生(つまり、マンション管理士の過去問もやっている受験生)有利とな問題がかなりあります。

 

また、いつも講義で話しているとおり、過去問「を」勉強するのではなく、過去問「で」勉強していれば、正解を直接判断できたり、選択肢を絞れたり、考えるヒントがわかったりする問題・選択肢も相当数ありました。

 

試験の難易度がどうであれ上位20%程度に入り込めば合格することは変わりません。


合格にたどりつく「魔法のような学習方法」などないわけで、結局はやるべきことを腹をくくってやることができるか否かにかかってきます。

 

 

3.12/5時点での合格予想ライン

 

まだ受験生のデータは十分には集まってきていませんので、これから述べる合格予想ラインは、受験生データをものとにしたものではなく、当日の本試験の分析のみをもとにした12/5時点でのものです。

 

そのため、今年度受注させて頂いた複数の研修企業における、数百人の受講生の皆さんの成績や、いくつかの予備校に確認して得られる受講生データをもとに変わるかもしれませんが、

 

昨年度本試験では、合格率が23%超とちょっと高い状態で合格点37点であったこと、本試験中の分析結果と昨年の分析結果との比較などからすれば、今のところ「34点±1」が予想合格ラインです。

もちろん、既に試験は終わったわけですし、本当の結果は発表日までわかりません。

 

「結果が気になりすぎる!」というのはとってもよくわかるのですが、あまりあちこちの情報に振り回され過ぎないようにしてください。

 

とにもかくにも、皆さんは、様々な環境の中で時間を割き、努力を重ね、ここまでたどり着きました。


受験生の皆さん、皆さんは本当によく頑張りました!

まずはここまで頑張ったご自身を褒めてあげて、周りの協力して下さった方々に感謝しつつ、心身ともにゆっくりとした時間を過ごしてください。

 

4.マンション管理士・管理業務主任者 本試験分析会について

今年度のマンション管理士・管理業務主任者両試験を徹底的に分析する

 

「マンション管理士・管理業務主任者 本試験分析会」

 

は、令和4年(2022年)1月29日(土)午前に渋谷で実施を予定しております。

今回頑張った方にとっては総括として、来年受験を考えている方にとっては学習の指針として、今年の問題の分析を含めたお話を致しますので、ご興味のある方は是非ご参加ください。


本試験分析会のお知らせ等は、またいずれブログで告知いたしますので、ときどきブログを見に来てくださいね
 

5.最後に

 

株式会社イノベイティブ・エデュケーション(⇒HPはコチラ)は、今年度も(一社)マンション管理サポートセンターと共同で、多くの受講生の皆様により質の高いコンテンツを提供すべく活動してきました。

 

資格取得の講義は、「合格」という結果につながる「中身のある講義」でなければならないと考えています。

 

今後も「一人でも多くの受験生の皆さんの合格」につながるものをご提供できるように頑張っていきますので、どうぞよろしくお願い致します。
 

最後になりますが、

 

いつも講義で強調してきた「過去問『で』の勉強」、「合格への強い意欲」をもって努力を積み重ねてこられた受講生の皆さん、

 

平柳の執筆したTAC出版のテキスト、監修した日建学院のテキストをご利用くださった皆さん、

 

そして、

 

このブログを読んでくださっている受験生の皆さん、

 

皆さんの努力が実を結び、見事に合格していることを心から祈っております。


改めまして、マンション管理士・管理業務主任者受験生の皆さん、本当にお疲れ様でした!

 

2021年12月6日
平柳 将人

 

ここまで読んで下さった皆さん

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