メキシコシティーに元大統領たちが集まった。ブラジルのジウマ・フセフ、エクアドルのラファエル・コレア、パラグアイのフェルナンド・ルゴ。またリーモートで、アルゼンチンのアルベルト・フェルナンデス大統領、ボリビアのルイス・アルセ大統領、ブラジルのルラ・ダ・シルバ元大統領が参加した。

 

11月30日、「いま変革を!」と名づけた第7回の「プエブラ・グループ」の会合が始まり、極右の脅威と対決するため、ラテンアメリカの団結が呼びかけられた。討論のフォーラムには数十人のラテンアメリカとスペインの進歩主義の指導者が集まり、会議はメキシコシティーで出席しての会議が復活し、ホンジュラスでのヒオマラ・カストロの勝利を祝い、チリにおけるガブリエル・ボリクの12月の勝利、ブラジルでの来年のルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバの勝利の確信を表明した。またコロナウィルスによるパンデミックの社会的経済的な影響への心配も、討議の中心から外されることはなかった。

 

メキシコシティーでのプエブラ・グループの会合には、元大統領たちブラジルのジウマ・フセフ、エクアドルのラファエル・コレア、パラグアイのフェルナンド・ルゴ、コロンビアのエルネスト・サンペルほかが出席した。またリモートでアルゼンチンのアルベルト・フェルナンデス大統領、ボリビアのルイス・アルセ大統領、ブラジルのルラ・デ・シルバ元大統領が参加した。

 

「対等な立場」で交渉するための団結

 

「ラテンアメリカが一つになれば、多くが可能になる」、ブラジルのルラ・ダ・シルバ元大統領は、第7回の地域フォーラム、出席してのでは3回目の会議で表明した。ルラは「ラテンアメリカ・カリブの団結を再建」するために働かなければならないと言った。なぜなら「一つになれば中国、米国と対等な立場になれ、欧州連合とも良い条件での合意を達成することが出来る」。

 

このブラジル左翼の指導者は、2022年大統領選挙の有力候補者でもあるが、全体で働ければ、ラテンアメリカ諸国は、原料だけではなく、付加価値を持った製品を輸出することが可能となると指摘した。かれは別の段落の演説で、「国連はすでに過去に代表していたものを代表していない」と警告した。そのために「紛争を解決するための道徳的権威を持つ、新しい世界的な統治性、世界でより平等に貢献するもの」が必要であると主張した。

 

COVID-19のパンデミックは、会議に出席した指導者たちが、もっとも取り上げたテーマの一つであった。ルラはラテンアメリカ人の状態を悪化させたと指摘した。今日多くの労働者たちは職を失い、移民となり、飢餓状態になっている。一方ボリビアのルイス・アルセ大統領は、「すべてのものに注意を払うために、共同して対策を取る」ことを要請した。そして世界レベルでワクチンの分配に取り組むことを要求した。

 

「ファシストの登場」にたいする警戒

 

ボリビアの現状に言及して、アルセは「右派が再結集」して、2019年にエボ・モラレスにたいしておこなった「クーデター」を、繰り返す「条件」を作り出そうとしていると警告した。「非常に明白な選挙戦での勝利を法的に無効にして、政府を弱体化するための論拠にしようとし始めている。これは知ってもらいたいテーマだ」、大統領は11月29日ラパスでの、「祖国のための行進」終了の大集会での表明に繋げ語った。

 

同じ話の流れで、コロンビアのエルネスト・サンペル元大統領は、ラテンアメリカでの「ファシストの登場」を警告した。このテーマは出席したほかの元大統領からも告発がおこなわれた。たとえばエクアドルのラファエル・コレアとスペインのホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ。「このファシストの登場は、われわれに恐怖を抱かせるものではない。われわれはこれと対決する」、サンペルは語った。コレアも同じく「右派は選挙で勝てなかったものを、政治を合法化して勝利しようとしている」と見做した。

 

新自由主義にたいして、「プエブラ・グループは、ラテンアメリカの思考形成に貢献しなければならない」、エクアドル元大統領は表明した。「今日われわれにイデオロギーが過剰であると思い込ませようとしている。イデオロギー討論がもっとも有効であるときに。われわれのイデオロギー、進歩主義者のイデオロギーは、資本にたいして人間が優越しているというものだ。この資本の帝国が完全に支配している世界において」。

 

この点について、ブラジルのジウマ・フセフ元大統領は、ラテンアメリカにおいて、民主主義は「攻撃されている」と主張した。そしてその例として、2009年のホンジュラスのマヌエル・セラヤの打倒、2016年の彼女自身の罷免、2019年のボリビアのエボ・モラレスの退陣を挙げ、現在はペルーのペドロ・カスティジョがかれへの政治裁判で「攻撃されている」と指摘した。

 

ヒオマラ・カストロとガブリエル・カストロの賞賛

 

ラテンアメリカにおける「右翼化」への恐れ以上に、自由と再建党(リブレ)の大統領候補、ヒオマラ・カストロの勝利が祝われた。彼女は12年間の国民党(PN)政権を終わらせる。パラグアイのフェルナンド・ルゴ元大統領は、カストロの選挙での勝利は、「透明であり、大陸のすべてのものをよろこばせた」、「この優しい風は、嵐に変わり、誰もこれを押しとどめることは出来ないだろう」、と表明した。

 

関連してスペインのホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相が主張した:「ヒオマラ・カストロはホンジュラスの歴史で、初めての女性大統領になる。これは非常に重要なニュースだ。つねに多くの社会問題を抱えている中米にとって、これ以上なく重要なことだ。サパテロはまた、チリの左派候補、ガブリエル・ボリクにたいしても、「全面的支援」を表明した。ボリクは12月の大統領選挙第2回投票で、極右のホセ・アントニオ・カストと対決している。チリは「過去に戻ってはならない、われわれに痛みを感じさせる、心を痛ませる過去に」。

 

「ブラジルでのルラの勝利は、大陸と国際秩序を変えることになるだろう。メキシコとブラジルの強い絆、2つの国の進歩主義大統領のそれとともに、それは歴史的なときになるだろう」、スペインの元首相は、来年の選挙でブラジルのルラが勝利することに期待を表明した。

 

プエブロ・グループは、16カ国、54人の進歩主義リーダーが集まっている。この地域フォーラムの第7回会議は、11月30日にメキシコシティーで始まり、計画された行動は12月1日まで続けられる。その中心軸は、新しい発展の連帯モデルについての討論、パンデミックによって作り出された、深刻な政治的経済的社会的結果ののちの大陸への、進歩主義者の任務の決定にあると、主催者は指摘した。

(通算3493) (Pagina12のGuido Vassalloによる)

 

(左からコレア、エブラルド墨外相、サパテロ、フセフ。foto:Pagina12)