桜は咲いていないのに、季節は夏のようですね。株式会社はこの亀谷です。
社会に出たのが2004年4月なので、今日で社会人人生20年目が終わります。
CCI初の新卒社員からキャリアをスタートし、Yahoo担当・電通グループ営業を経て、ひとりでCCI九州支社立ち上げ。その後、BBDOでもひとりで海外事業の新規担当をして、ひとりで上海駐在やって、売れるで全ての組織を作りあげ、ひとりで独立からのM&AからのMBO。
大したことは出来ていませんが、書き出すと割と濃い20年ですね。
どの時期も地獄のように働いていて、それなりに大変でしたが、話のネタには困らないほど挑戦出来た20年間でした。
40代を超え、働くってこういうことなんだろうなぁと思う部分が出来たので、今日はそれをまとめておきます。
私はここの軸がぶれないから働き続けていられていると思いますので、20代、30代、先が見えないなぁと思っている方は、ひとつの事例として参考にしていただければと思います。
何のために働くのか?そもそも働くとは何なのか?
そもそも仕事とは何なのか、働くとは何なのかを考えます。
辞書的な意味でいくと、仕事とは「何かを作り出す、または、成し遂げるための行動」で、働くとは「自分の時間と能力とを切り売りして、金銭的な対価を得ること」になります。
だから、働いて仕事をすると、結果に応じた金銭的な対価を得ることが出来ます。
ここでやり取りされているのは価値ですので、価値を生み出さないといけません。
価値の総量=金銭的な対価とするのであれば、人は、自分が持つ時間と能力で生み出せる価値を最大化することにより、金銭的な対価は最大化します。逆に言うと、能力を上げるか、時間をかけないと金銭的な対価は最大化されません。
さらに金銭的な対価は自己評価ではなく、他者評価になるため、他者に必要とされて対価を作り出すことができれば自然に返ってくるもので、自分が求めてどうにかなるものではありません。
そう考えると、働く上で自分が出来ることは、ただただ自分の能力を上げ、自分の能力で価値を提供できる可能性が高い場所に、時間を投下することだけになります。
ここの理論がひっくり返り、金銭的な対価からスタートすると、考えがどうしても他責になってしまいます。自分の価値に向き合うことができません。
そうするとベースの理論が破綻するため、どこかで伸び悩んでしまうので、注意が必要です。
組織で働くメリット・デメリット
組織は具体的に仕事を作りだしています。そこに所属することにより仕事に参加する機会を得ることができます。
自分一人の能力では価値に結びつけられない場合も、組織の一部として働くことにより、より大きな価値を生み出し、その分配を受けることが出来るようになります。
また組織で働くことで、世の中で必要とされる能力を知り、自分の能力と相性の良い能力を知ることも出来ます。スキルアップに時間を使うことで、自分に足りない能力を伸ばし、さらに価値を高める指針を作ることもできます。
組織という集団で働くことは、仕事の機会や能力的なリスクを分散させることにも繋がります。集団で行うことにより能力的な差を埋め、一定レベルでの価値の継続的な提供を可能とすることで、個人にとってはリスクヘッジにもなるでしょう。
逆に、組織で働くデメリットは、所属する対価として時間を縛られることです。
組織は、その組織で生まれる仕事のチャンスを最大化すべく、能力に合わせて時間を縛ります。
またもう一つのデメリットとして、能力の評価・対価の分配が適切に行われない可能性があります。ここは組織を評価するポイントになります。
ただしそれは契約によって行われるものであり、参加する機会+配当という対価とのバランスによって、時間を提供するべきかどうかは、個人も選ぶことができます。
個人で働くメリット・デメリット
最近、流行の個人で働くですが、上で書いた組織のメリット・デメリットが理解出来れば、その逆だと考えれば簡単です。
時間が自由になり、自分の能力を自分で評価できるようになるのが大きなメリットです。
逆にデメリットは、自分が生み出す価値が全てになるので、それによる仕事のチャンスや能力の波がデメリットになります。
あとは個人の場合、集団よりも、情報量や価値の規模が小さくなりがちなので、そこは意識してコントロールすべきでしょう。ここが意外と一番難しい気がします。
小さな仕事ばかりしていても、能力が伸びないので、短期的には時間的自由があって良いと感じても、長期的には自分の価値が減少してしまい、時間的な自由を失ってしまう可能性があることも理解しておく必要があります。
個人と個人とがつながることで集団を作り、組織と同様の流れを生み出すことも可能です。
税制度考えるとこちらの方がメリットは大きいのですが、ルールの縛りが弱くなってしまうため、組織とは違った意味で、集団の難しさを知り、組織であることのメリットに気付く機会も生まれるでしょう。
結局は世の中にどんな価値を提供して、生きていくかの選択でしかない。
働き続けるコツを考えたときに、この「価値を生み出す」という基本原理から外れてはいけないなぁと思っています。
お金が欲しいとか、名声が欲しいとか、いろいろな欲求がありますが、これは本質的には結果的についてくるものなので、求めるものではありません。
まだモテたいを、外見と内面を改善する努力で成し遂げようと考えるのであれば、それはその人と一緒にいる価値を作り出しているので良い気がします。
今は私は自分の会社をやらせていただいていますが、掲げる価値として「お客様の目標達成」と「社員の人的価値の最大化」をおいています。
仕事の特性上ですが、マーケティング業というのは「結果が全て」。目標を達成していれば、お客様は喜んで対価をお支払いいただけます。
そして、その結果を生み出すためには、個々の能力とコミットメントが絶対的に必要で、そのためにも会社は、一人一人の人的価値を最大化させることに徹底的にコミットする必要があります。
人が育てば、結果を提供できる人数が増え、さらに価値の総量が増えるから、結果的に売上が上がり、それを正しく分配することで、人的価値を最大化していく。
これが私が考えている仕組みです。
私は本当に欲がなくて、働くことは最高の暇つぶしだと思ってやっています。
社会人人生20年を経て、本質的に世の中をどうすれば良くできるのか、頑張っている人が報われる世の中にはどうすれば出来るかという方向に目が向くようになってきました。
地味で時間がかかるのですが、スーパーヒーローにはなれなくても、私くらいのレベルには誰でもなれます。
資本主義の世の中で生きていると、つい数値を追いがちになってしまったり、偽物の民主主義の中で生きていると、変な多数派に世論をもっていかれがちになります。
しかし、本質は価値を生み出すことにしかありません。
明日からの社会人21年目も、より良い社会に貢献できるように、自分の影響力が及ぶ範囲でまずは頑張っていこうと思います。
それでは、皆様、良い週末を!