昨日読み始めた『ヘーゲル論理学と弁証法』ですが、今日読んだ第2章はまるでお経のようで、何一つ理解できませんでした。早くも中断とします。


ヘーゲルを読むには、まずヘーゲル語を習得しなければといいますが、今読んでいるのは、あくまで解説本。もう少し易しく書けないものかと思いますが、大学の紀要論文をまとめた本では仕方ありません。まずは論理学よりもメジャーな『精神現象学』には一般向けの解説本があるので、それでヘーゲル語を学習することとします。


ところで、ヘーゲルの一番有名な言葉といえば、やはりこれではないでしょうか。


ミネルヴァのフクロウは、黄昏とともにはじめて飛び立つ。


ミネルヴァとはギリシア神話の知恵と戦いの女神のことで、彼女は飼っていたフクロウを黄昏時に町に飛ばして一日の出来事をさぐらせて己の知恵を深めたそう。


一つの出来事が終わった後で、その意味を読み取り、そこに知恵を見出す。つまり世界で起きたことの認識を通して、哲学は人間の精神をより自由にするということ(自由の実現ではなく、自由を自覚するという意味)。


現実を変革するには、まずは現実を認識しなければならない。とはいえ人生は短いので、認識だけに時間を取られてはダメ。昨日書いたように、大切なのは世界を変革することなのです。


へーゲルは「自我は、他なるものにおいて、自ら自身のもとにある」と言っていますが、個と世界の統一を、絶対知により少しでも果たすことが大切だということでしょう。