2021年09月26日

週刊種牡馬ニュース 9/21 - 9/26

オールカマーはウインマリリンが突き抜け、重賞3勝目をあげました。これで牡馬混合重賞は日経賞に続く2勝目となりましたが、良馬場に限ればかなり安定した成績を残していますし、この秋はGIでも十分勝負になるのではないでしょうか。レイパパレはマークが厳しくなったのもあるでしょうが、やはり基本的には微妙に距離が長いのでしょうね。神戸新聞杯はステラヴェローチェが不良馬場をものともしない力強い伸びで重賞2勝目。菊花賞に強い*バゴ産駒だけに、本番も馬場が渋れば十分チャンスはありそうです。いっぽうのシャフリヤールは全く伸びずの4着。ダービー馬が秋初戦で複勝圏内すら外すのはタヤスツヨシ以来のようですが、今後はどのようなローテを進むのでしょうか。
【9/21(火)】

特になし。

【9/22(水)】

白山大賞典(GIII) (金沢 3歳上 D2100 12頭)
 1. メイショウカズサ (牡4) by *カジノドライヴ(USA) R2:10.3
 2. ミューチャリー (牡5) by *パイロ(USA) 3
 3. スワーヴアラミス (牡6) by ハーツクライ クビ
5番人気メイショウカズサが後続に3馬身の差をつけて逃げ切り、プロキオンSに続く重賞2勝目をあげた。2000m以上の距離実績がなく、JRA勢の中ではあまり評価が高くなかったが、プロキオンSでレコード勝ちをしているように時計が出る馬場がよかったのか、従来の記録を1秒以上更新する快走を見せた。ハナさえすんなり奪えるようならGI戦線でも面白い存在かも知れない。2着に船橋の2番人気ミューチャリーが入り、1番人気に支持された昨年の覇者マスターフェンサーは直線向いて伸びを欠き、4着に終わった。

フローラルC(重賞) (門別 2歳牝 D1600 8頭)
 1. コスモポポラリタ (牝2) by *ロージズインメイ(USA) 1:42.7
2番人気コスモポポラリタがゴール直前でハナ差交わし、重賞初勝利をあげた。前走はサッポロクラシックCの4着で、牝馬にはまだ先着を許していない。母父はヤマニンセラフィムで、BMSとして重賞初勝利となった。1番人気に支持されたエイシンヌプリは直線伸びを欠き3着に終わった。

2歳新馬戦 (大井 2歳 D1400 7頭)
 1. *ランディスシティ(USA) (牡2) by Runhappy (USA) 1:29.5
単勝元返しの*ランディスシティが持ったまま後続に4秒以上の差をつける大楽勝で Runhappy 産駒として日本初勝利をあげた。ここでは完全に力が違ったというところだが、勝ち時計は2歳馬の中でもそれほど目立つものではなく、どこまでやれるかは次走次第か。

【9/23(祝木)】

オーバルスプリント(GIII) (浦和 3歳上 D1400 12頭)
 1. テイエムサウスダン (牡4) by *サウスヴィグラス(USA) 1:24.6
 2. ティーズダンク (牡4) by スマートファルコン 2
 3. アランバローズ (牡3) by *ヘニーヒューズ(USA) 5
2番人気テイエムサウスダンが早め先頭から押し切り、重賞3勝目をあげた。同馬の母父は*アポロケンタッキーを出した Langfuhl 、さらに母系には Silver Deputy や Easy Goer など傍系のアメリカ血統が散りばめられており、*サウスヴィグラスの重賞馬としてはもっとも種牡馬として面白そうなタイプ。何とかGIを制して種牡馬入りをつかみ取ってほしい。2着は浦和の5番人気ティーズダンクが入り、以下6着のトロヴァオまで地方馬が入線。7着に4番人気サクセスエナジーで、圧倒的支持を受けたラプタスはハナを奪えず10着と大敗に終わった。

ウポポイオータムスプリント(重賞) (門別 3歳上 D1200 10頭)
 1. *ジャスパーシャイン(CAN) (牡4) by Violence (USA) 1:11.7
2番人気*ジャスパーシャインが後方一気の追い込みを決め、昨年の道営スプリント以来となる重賞2勝目をあげた。昨年は道営移籍後無傷の5連勝で重賞ウイナーにまで上り詰めたが、今年は今一つ。ここから昨年の勢いを取り戻すことができるだろうか。1番人気に支持されたアザワクは逃げ粘れず3着に終わった。

園田プリンセスC(重賞) (園田 2歳牝 D1400 11頭)
 1. グラーツィア (牝2) by ホッコータルマエ 1:31.2
3番人気の道営馬グラーツィアが後続に3馬身の差をつけて逃げ切り、重賞初勝利をあげた。ホッコータルマエ産駒は先日のママママカロニに続いての2歳重賞勝ちで、好調をキープしている。またBMSテレグノシスとしても重賞初勝利となった。1番人気に支持された道営のスティールノーヴァは2着。

金沢プリンセスC(重賞) (金沢 2歳牝 D1400 10頭)
 1. エムティアンジェ (牝2) by *マクフィ(GB) 1:28.3
3番人気エムティアンジェが2番手追走から抜け出し、重賞初勝利をあげた。同馬は元道営所属馬で、6戦1勝の成績を残して金沢に転厩しており、これが移籍初戦だった。*マクフィ産駒の地方重賞勝ち馬はスマイルミュに続く2頭目。1番人気に支持されたジェイケイミリミリは直線伸びを欠き4着だった。

【9/24(金)】

園田チャレンジC(重賞) (園田 3歳上 D1400 9頭)
 1. コウエイアンカ (セ6) by *プリサイスエンド(USA) 1:29.1
2番人気コウエイアンカが最後方から大外一気の追い込みを決め、重賞初勝利をあげた。中央3勝クラスから兵庫移籍直後はしばらくくすぶっていたが、今年7月に久々の勝利をあげると、そこから怒涛の4連勝で重賞勝利となった。圧倒的支持を受けた5連勝中のハナブサは伸びず4着に終わった。

2歳新馬戦 (笠松 2歳 D1800 8頭)
 8. ヒロノグレイ (牡2) by グレイレジェンド
新種牡馬グレイレジェンド産駒が初出走戦を迎えたが、後方のまま見せ場なくしんがり負けを喫した。グレイレジェンドは*トワイニング産駒で、中央で3勝をあげたほか、のちに道営の重賞・旭岳賞で2着に入った。初年度産駒は同馬1頭のみ。3代母はホワイトナルビーで、近親に「芦毛の伝説」ことオグリキャップがいる。

【9/25(土)】

ながつきS(OP) (中山 3歳上 D1200 16頭)
 1. ロイヤルパールス (牡6) by マツリダゴッホ 1:10.2
単勝158倍の15番人気ロイヤルパールスが抜け出し、オープン特別初勝利をあげた。今年1月に3勝クラスを単勝300倍で勝利して以来の勝ち星で、2回続けて単勝万馬券での勝利となった。2着に11番人気の*クーファピーカブー、3着に9番人気のシンシティが入り、3連単は425万馬券の大波乱となった。

野路菊S(OP) (中京 2歳 T2000 8頭)
 1. ロン (牝2) by シルバーステート R1:59.8
2番人気ロンが好位追走から4馬身抜け出し、従来の記録を0.8秒上回るレコードで快勝した。もともと中京2000は下位条件でしか使われなかったのでレコードの価値は置いておくとしても、牝馬がこの距離でこの勝ちっぷりは相当な器の予感。1番人気に支持されたマテンロウスカイは3着に終わった。

カンナS(OP) (中山 2歳 T1200 10頭)
 1. コラリン (牝2) by ダイワメジャー 1:08.8
1番人気に支持されたコラリンが直線突き抜け、オープン特別初勝利をあげた。これで未勝利戦に続く2連勝。スタートが合わず後方からの競馬となったが、慌てずきっちりと差し切った。ディーマジェスティ産駒の2番人気シゲルファンノユメが最後方追走から追いあげ2着に入った。

清秋ジャンプS(OP) (中山 3歳上 T3210 14頭)
 1. ベイビーステップ (牡7) by *タイキシャトル(USA) 3:36.3
4番人気ベイビーステップが2番手追走から直線差し切り、オープン特別初勝利をあげた。*タイキシャトル産駒のオープン特別勝利は昨年の都大路S(ベステンダンク)以来となる。単勝1倍台の圧倒的支持を受けたレンジストライクはレース中に故障(両後肢跛行)を発症したため、競走中止となった。

【9/26(日)】

オールカマー(GII) (中山 3歳上 T2200 16頭)
 1. ウインマリリン (牝4) by スクリーンヒーロー 2:11.9
 2. ウインキートス (牝4) by ゴールドシップ 1 1/2
 3. グローリーヴェイズ (牡6) by ディープインパクト クビ
2番人気ウインマリリンが好位追走からあっさり抜け出し、フローラS、日経賞に続く重賞3勝目をあげた。これで牡馬混合重賞は4戦2勝。日経賞ではワールドプレミアを、今回もグローリーヴェイズらGI馬を下しており、この勢いで秋のGI戦線でも大暴れすることになるかもしれない。2着に5番人気のウインキートスが入り、昨年に引き続き牝馬によるワンツーフィニッシュとなった。抜けた1番人気に支持されたレイパパレは好位追走から直線抜け出すも、最後は失速して4着。やはり同馬にって2200mは微妙に長いということだろうか。

神戸新聞杯(GII) (中京 3歳牡牝 T2200 10頭)
 1. ステラヴェローチェ (牡3) by *バゴ(FR) 2:18.0
 2. レッドジェネシス (牡3) by ディープインパクト 1/2
 3. モンテディオ (牡3) by ジャスタウェイ 3
2番人気ステラヴェローチェが後方追走から馬群を割って突き抜け、昨年のサウジアラビアロイヤルC以来となる重賞2勝目をあげた。同じく不良馬場だったサウジRCでも3馬身突き抜けたように渋った馬場は得意中の得意。GIでは3戦していずれも善戦するも勝ち切れていないが、ダービーで減った馬体も元に戻り、これで馬場が渋ろうものなら本番でも一気に突き抜ける可能性もあるだろう。逆に馬場に持ち味を殺されたのが圧倒的支持を受けたシャフリヤールで、勝ち馬から5馬身離された4着。全兄アルアインも不良の菊花賞で着外に終わっており、今後のローテが注目される。

ヴィーナススプリント(重賞) (盛岡 3歳上牝 D1200 12頭)
 1. キラットダイヤ (牝4) by *サウスヴィグラス(USA) 1:12.3
単勝1.4倍の圧倒的支持を受けたキラットダイヤが道中ハナに立ってそのまま後続を突き放し、早池峰スーパースプリント、岩鷲賞に続く重賞3連勝を飾った。後続に付けた着差は10馬身で、時計的にも今年のクラスターCなら十分入着が可能な優秀なものだ。岩手にスプリント重賞はあまり多くないので、そろそろ全国区で見てみたい。

2歳未勝利戦 (中京 2歳 D1800 10頭)
 1. コパノニコルソン (牡2) by コパノリッキー R1:51.2
1番人気コパノニコルソンが後続に2馬身の差をつけて押し切り、新種牡馬コパノリッキー産駒としてJRA初勝利をあげた。勝ち時計は従来の記録を1.1秒更新するレコード。地方では新種牡馬リーディングを独走しているものの、中央ではやや出遅れた感があったが、ここからどこまで巻き返せるだろうか。

新種牡馬の産駒としてはほかに中京ダート1400mで*ドレフォン産駒のシンリミテスが、中京芝1400mでサトノアラジン産駒のヴィルチュオーズが勝利。キタサンブラック産駒に至っては中山芝1600mでビジュノワールが、中京ダート1800mでオディロンが、中京芝2000mでトゥーサンが勝利するなど3勝の固め打ち。*ドレフォンが12勝で2歳リーディング首位は変わらないが、キタサンブラックが8勝でトップ10入りも見えてくる位置まで来ている。




この記事へのコメント

1. Posted by イエー 2021年09月26日 20:05
キタサンブラック産駒が今週は3勝❓凄いです!このまま突っ走れ!
2. Posted by は・は・浜田サンチーム 2021年09月26日 20:12
キタサンの予想を覆す活躍には驚きですね。
3. Posted by スズカドリーム 2021年09月26日 21:22
ランディスシティは話題になったけど、1つあとの1200新馬でも1分13秒8だし、周りが弱かっただけかもしれない
ママママカロニのほうが遥かに上かなぁ

それでもこういう期待馬が地方デビューするようになったのは興味深い傾向
地方の賞金が上がって来てるのと、中央の降級が無くなったのも大きいのかな
今や高知の新馬でも1着200万出るし
4. Posted by あ 2021年09月26日 22:00
ランディスシティは次がどうかは見たい
牧場評価はママママカロニよりいいらしいので
5. Posted by 浪漫 2021年09月27日 00:05
歴史は繰り返すと言われますが、ブラックタイド系が他を圧倒する未来もあるかもしれませんね
6. Posted by 鹿 2021年09月27日 00:50
サンデー、キタサンと突然変異が種牡馬としても成功しやすいラインだといいですな
7. Posted by あ 2021年09月27日 03:52
キタサンブラック産駒からキレのある馬が多く生まれている事に驚きです!
距離さえあれば芝ダート両方こなせそうなのも素晴らしい
8. Posted by ○○競馬 2021年09月27日 08:20
キタサンは母父のサクラバクシンオーが良い方向に出ているかも知れませんね。
9. Posted by 中城 2021年09月27日 10:15
地方リーディングはまだサウスヴィグラスがトップですが、来年にも陥落しそうなほど群雄割拠していて、見ていて面白いですね。どの馬が抜け出すのか。

あとバゴ産駒の重馬場での推進力と夏超えての成長は凄いですね。ステラヴェローチェのこれからに期待しています。

10. Posted by りきお 2021年09月27日 21:29
バゴ産駒は、ビッグウイークの頃にはすごく冷遇されていたように感じましたが、ここに来てノーザンFが配合した馬が立て続けに活躍するとは、ちょっと想像できませんでした。
クロノジェネシスが凱旋門賞で好走でもすれば、ステラヴェローチェがバゴの父系を受け継ぐことは間違いなさそうです。ディープの血を持っているのがどうかですが。
11. Posted by Organa 2021年09月27日 21:37
バゴほど種牡馬の評価が二転三転した馬はそうそういないでしょうね。当たり外れが大きくてトータルで見たらAEIなんかは平凡ですが、何よりノーザン産の質が極めて高くブランド化しているので、ステラヴェローチェは種牡馬としても評価されそうです。
12. Posted by イエー 2021年10月02日 13:51
キタサンブラック産駒、今週も勝利・新馬勝ち

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