本土決戦IF 帝国陸軍は米上陸軍に痛撃を与えられるか? | 鳳山雑記帳アメブロ版

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※ この記事はヤフーブログにおいて2018年5月に書いた記事の転載です。

 

 推理作家、ノンフィクション作家檜山良昭氏に本土決戦三部作と呼ばれる「日本本土決戦」「ソ連本土決戦」「アメリカ本土決戦」というシミュレーション小説があります。一番能天気なのはアメリカ本土決戦で、米軍があり得ないようなミスを重ね日本軍がアメリカ西海岸に上陸するという一番娯楽色が高い作品です。逆に一番悲惨なのが日本本土決戦で、日本軍は善戦を重ねるものの米軍の上陸を許し軍人民間人を含め2000万人近い死者を出します。その上ソ連軍が北海道、東北まで侵略してきているという救いようのないラストでした。ソ連本土決戦はその中間。関特演からそのまま対ソ戦に突入したらどうなるかというIFで、沿海州とシベリアの一部を占領するもソ連軍の本格的反撃が始まり…というストーリーです。

 

 日本本土決戦は、三式、四式、五式という新鋭戦車が配備され、空でも秋水や火龍、橘花があるという日本にとっては理想的展開ですが、それでも最後はアメリカ軍の物量に押し切られ悲惨なラストを迎えます。いくら考えても、最低限のリアルさを追求すればそうならざるを得ません。この状況で勝つ展開はもはやSFでしかないのです。

 

 ここからは与太話なんですが、どうせ負けるにしても一度は米軍に痛撃を与え有利な条件で降伏できないものかと考えました。米軍の日本上陸作戦はダウンフォール作戦ですが、大きく二つに分かれていました。まず南九州に上陸するオリンピック作戦、そしてここを橋頭保にして関東に上陸するコロネット作戦です。米軍に痛撃を与えられるとしたらオリンピック作戦の時。関東に上陸されたらどう足掻いても手も足も出ません。実際、日本本土決戦でも石原莞爾大将率いる第12方面軍は九十九里浜相模湾から上陸を果たした米軍に東京を包囲された時点で降伏しています。檜山さんとしては、最後の一兵まで戦って玉砕すればさらに犠牲者が増えるので、当時の軍人事上ありえなくとも石原を起用し理性的な判断をさせたのでしょう。

 

 

 前置きが非常に長くなりましたが、米軍のオリンピック作戦、日本がそれに対抗する決号作戦を見ていきましょう。言うまでもありませんが、当時の戦況、日本の生産力、資源の状況は無視します。でないとまともな展開にはならないので。開始時期は米軍が予定した1945年11月とします。加えて原爆の開発が遅れたことも上陸作戦が実行された理由としましょう。

 

 米軍は史実通り、米英豪連合軍で空母(護衛空母含む)40隻、戦艦24隻、巡洋艦は不明(50隻は確実)、駆逐艦400隻以上。上陸兵力は米軍だけでも陸軍・海兵隊で16個師団。戦況によっては増援が次々と来る予定。一方、南九州の防衛を担当する第16方面軍は14個師団、6個独立混成旅団、2個独立戦車旅団。数の上では互角ですが、充足率、装備で大きく劣っていました。航空兵力は陸軍の第6航空軍と海軍の第5航空艦隊。

 

 これも史実通りではどうにもならないので、檜山さんの日本本土決戦以上の有利な状況にしましょう。まず大戦中に満洲大慶油田が発見され石油の心配がない事。陸軍は火龍、海軍は震電改というジェット戦闘機をそれぞれ1000機以上保有し主力戦闘機としている。地上部隊は、まず戦車は四式、五式が主力。加えて試製五式砲戦車ホリも大量保有。通常火砲の他に四式二〇糎噴進砲、四式四〇糎噴進砲、九八式臼砲硫黄島小笠原兵団並みの密度で装備。試製四式七糎噴進砲、試作九糎空挺隊用噴進砲なども数多く持っているという前提。南九州に展開する師団はすべて機動打撃師団並みの装備で完全充足状態とします。戦略予備の第216師団を鹿児島県の出水平野あたりまで下げても良いかもしれません。

 

 米軍は1945年11月なので、B-36ピースメーカーはまだ実戦配備できず、B-29が主力。P-80も少数。陸軍航空隊は航続距離の関係からP-51マスタングHが主力。海軍もF8FベアキャットF4Uコルセア、アベンジャー、ヘルダイバーあたりか。地上部隊は沖縄戦M4シャーマンが予想以上に損害を出したのでM26パーシングを本格導入するはず。

 

 米軍は作戦計画通り吹上浜に海兵3個師団から成る第5軍団、志布志湾に3個師団の第11軍団、背後の宮崎平野に3個師団の第1軍団を上陸させるでしょう。吹上浜の第5軍団に関しては現地の3個師団に頑張ってもらって、枕崎の独立戦車第6旅団、霧島周辺に展開した第77師団、熊本から南下した第216師団で挟撃したいですね。

 

 志布志湾の米第11軍団は対処が厳しい。最精鋭の第25師団と虎の子の独立戦車第5旅団は宮崎平野に上陸した米第1軍団に備えなければならないからです。最悪第77師団は志布志方面に振り向けなければならないでしょう。

 

 米軍は、事前に猛爆撃と艦砲射撃で日本軍を叩こうとします。しかし硫黄島のように十分な防御陣地を築けば損害は軽微に抑えられます。問題は日本軍が移動するとき、敵に制空権を取られているとノルマンディーのドイツ軍のように空爆でぼろぼろにされること。移動は夜間に限られるでしょうね。ですから第6航空軍と第5航空艦隊には頑張って欲しい。地上部隊が反撃するときに局地的にでも航空優勢が取れればなんとかなるはず。ただ攻撃するときは夜襲にならざるを得ないので厳しい所ではあります。

 

 硫黄島レベルの密度で火砲が配備されていれば、米上陸軍は大損害を出すと思います。戦場によっては損害が許容できないレベルになり一時撤退もあるかも?ただ志布志方面の日本軍兵力が薄いので、ここが真っ先に突破される気がします。

 

 米軍の損害次第ですが、硫黄島並みの損害を与えることができれば、無条件ではなく有利な条件で降伏することも可能になるかもしれません。満洲、朝鮮、台湾と南洋諸島放棄は仕方ないにしても陸海軍の保有は認めさせ、勝手な憲法制定もさせない。そうなれば現在の腐った日本にはなってないかもしれませんね。

 

 ただ余程うまくやらないと、日本本土決戦のように数千万の死者が出て石器時代に逆戻りする可能性もあります。私の能力ではここまでが限界でした。皆さんのご意見をお聞かせください。