(2) オキナワへの旅 14. 「象徴天皇制」は定着? | 地球一人旅

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  14. 「象徴天皇制」は定着?

 

   ① 幼いぼくから見た「昭和天皇」

 

  母の話では、ぼくが幼い頃、テレビで昭和天皇を見、こう言ったようだ。

 

  「 母ちゃん、この人、何人(ナニジン)ね?」
  幼いぼくには、昭和天皇の顔・話し方が日本人とは思えなかったよう。

  「何を、言いようるんね、日本の一番偉い人よね 」
 
  「え~ 、偉いわけないじゃろ。
  『 あ、そう 』 以外は、どんな短いセリフも、紙見て言いよる。
  偉かったら、紙を見んでも、覚えてしゃべれるじゃろうに。」

 

 

  多分、「何が言いたいか、さっぱりわからない」と不満な読者が多そう。

 

  「教育(洗脳)」されてない子どもが見た天皇はこんなものだと言いたい。
  
( わが家では、天皇が話題になる事は、ほぼなく、天皇に関して教育・洗脳されずに育った。

   さらに、小学校でも、「右傾化」前であり、卒業式の「国歌斉唱」等も一切なかったのだ。 )

 

 

  ② ぼくは「普通の日本人」と違う?

  

  が、「世論調査」等を見ると、「普通の日本人」と、ぼくは違っているよう。

 

    ( その組織の世論調査に答えてる時点で、その組織を是認する傾向の人たちなわけで ……

   悪意がなくとも、「世論調査」の発表自体が、「世論操作」の役割を果たすので油断できず。   

   世論調査の諸問題→ AllAbout  Cherish   災害予測情報研究所   NHK放送文化研究所  )

 

 

  例えば、「NHK世論調査 2019」で 「皇室に親しみ感じている」人は71%。 

 

      (  「天皇」でなく、あえて「皇室」、「好感・尊敬」でなく「親しみ」という言葉を使用している。

    さすがに、「公共放送・皆様のNHK」、深い「配慮・忖度」が感じられる質問の仕方だ。

   と思ったが、なぜか、朝日や日経の世論調査も「皇室に親しみ」の語を使って質問している。

   ちなみに、「親しみ」を持つ・感じる人は、朝日では76%、日経では78%となっているよう。

   「皇室に親しみ」の語を使って質問するのが、いつのまにかトレンドになったのだろうか?

   「天皇」に関わる事は、質問の表現まで「右にならえ」の安全策採用という事なら怖すぎ。)

 

       ( NHKが「皇室の祖先は天照大神」と報道  参照 → LITERA   → BuzzFeed )

 

    あの「産経新聞」は、どんな表現を使用して質問してるか知りたくて、ネットで探してみた。

    が、世論調査で「不正捏造発覚」をやらかしたようなので、ここでは 「論外」としておく。

      参照:  東洋経済 ONLINE   朝日新聞 DIGITAL    LITERA     Business Journal  )

 

    ( 読売新聞や内閣府の世論調査は、同様の質問をネットで発見できなかったので比較不可。

   「いまさらそんな質問するまでもない」「質問する事自体が畏れ多い」とかが、理由とか? )

 

   ( 毎日新聞 は独自性を出さないと生き残れないと感じてか、かなり頑張った質問形式に。

      ナント、畏れ多くも「即位された天皇陛下に対してどのような感じを持っているか」と質問。

     毎日新聞が用意した様々な選択肢から、自分の「感じ」に合うものを選ばせているのだ。

    その結果は、「好感」 34% 「親しみ」 27% 「尊い」 9% 「おそれ多い」 3%

     「特に感じない」 10% 「関心がない」 5% 「反発・反感」 1% 「その他」 3%

    毎日新聞はこの結果を受け、「 天皇陛下に肯定的7割 」 との見出しにしている。 )

 

  

  国民の7割(「普通の日本人」?)が、「皇室に親しみ」を感じてるのはなぜ?

 

   「皇室の誰かが知り合い」などという国民は、極めて限られいるはずだ。

  皇室の誰にも会った事がない国民が、圧倒的に多いのではないか?

  7割の人は、どんなきっかけ・経緯で、「親しみ」 を感じるようになった?

  ( ぼく個人の「脳内辞書」では、知人でもない人に「親しみ」という言葉は使わないのだが…… )

 

 

  ③ テレビによる「世論操作」(洗脳)

 

  テレビ放送が「皇室に親しみ」を感じさせる役割を担ったとされている。

  ( 女性が男性より「親しみ」を感じる人が多いのは、「女性誌」の影響との意見もあるよう ) 

 

  特に、以前からその役割が指摘されてきたのは、皇室の「結婚報道」。

  「美智子様雅子様紀子様」 の結婚時は、「ブーム・社会現象」化も。

 

 

( 1958年 皇室初の「平民」出身の結婚相手で、「ミッチーブーム」 起こる。

結婚パレードの沿道には50万人の観衆がつめかけたと言われている。 )

 

 

( 1993年  「人格否定」「適応障害」の問題など、全く予想できなかった頃?  )

 

 

  これら結婚報道で「皇室に親しみ」を感じた国民が多いと言われている。

 

  また、新年・天皇誕生日の「一般参賀」の毎年放映も同様の役割を?

  「園遊会」等での、天皇と人気有名人の 「和やかな歓談」も効果的?

  「被災地訪問」で、「膝をついてお話になる陛下のお姿」が極め付き?

 

 

( 「産経新聞」 によれば、令和最初の新年一般参賀に141130人が集まった。主催者発表?)

 

 

  ( 東京都教育委員・米長邦雄棋士の「日本中の学校で国旗を掲げ国歌を斉唱させることが私の

  仕事」に対し、天皇が「やはり、強制になるということではないことが望ましい」と述べた名場面。

  参照 → お役立ち情報の杜(もり) 。触れて良いのかどうか、日産自動車の元会長カルロス・

   ゴーンの顔も見えるようだが …… 。2004年、外国人経営者として初めて藍綬褒章を受章してる

  ので …… この事も、今は極秘? )

 

 

  ( 1990年11月、明仁天皇は、雲仙普賢岳の噴火最中に避難所を訪れ、被災者に声をかけた。

  被災者は畳の上、天皇は、少し低い木の床に膝をついて「お話になられている」点に、注目。

  この様子は、テレビで全国に放映されて話題となり、以後災害があった時には、定番となった。

  もちろん、「神聖にして侵すべからず」の「昭和天皇」の時には、絶対にありえなかったことだ。 

 

 

 (「徳仁天皇」も、「昭仁天皇」の「膝つき路線」を継承? )

 

  確かに、これら報道をなにげに目にしてれば、いつの間にか親しみを?

  親しみを感じない人は「普通の日本人の心を持たない人」って事に?

 

 

 さらにこれらメディアは、「親しみ」だけでなく「尊敬」も常に演出している。

 

 それがわかりやすいのは、天皇(皇族)に対する絶対的な尊敬語の使用。

 バラェテイー番組では、口が悪いので有名な芸人も、必ず尊敬語使用。

 討論番組でも、「歯に衣着せぬ」事が売りの論客も尊敬語を使用してる。

  (新聞は、テレビと違って各社の特色があり、試行錯誤の歴史もあるが、ここでは、省略する。

  ネットでは、敬語不使用どころか、天皇・皇族への「罵倒雑言」すら、あふれているのだが。 )

 

 「局や番組制作側で敬語を強制した事はない」とか、言うかもしれない。

 が、「敬語不使用・不敬発言は干される」の噂だけで、強制など不要に。

  ( さらに、今だに、「余計な事を言うと右翼に襲撃される危険性が」との噂も底流にあるようだ。

  長崎の本島市長が市議会で「天皇にも戦争責任はあると思う」と発言、右翼に銃撃された事件。

  朝日新聞阪神支局が右翼に襲撃され、記者一人が射殺、一人が重症を負った事件等あった。) 

 

 

 天皇とアメリカ大統領会見報道では、日本語の常識的ルールすら無視。 

 日本社会では客には尊敬語使用、わが方には使わない( 謙譲語使用 )

 が、報道では、天皇に尊敬語使用、「お客様」の大統領には使用せず。


 日本語のルールを破ってまで、天皇のみ尊敬語使用は何がネライ!?

 

 

 実は、ぼくがテレビ局の本質を実感したのは、昭和天皇が死んだ時だ。

 

  ( 「平成生まれの人」に「昭和天皇崩御」前後の日本の異常な状況を説明しても理解不可能? 

    参照 → exciteニュース    mixi    Ameba    HUFFPOST   20世紀玉手箱  )

 

 NHKはもちろん、民放全局が、ず~っと特別番組、その間CM一切なし。

 この状況は、死んだ日だけでなく、翌日になっても一日中続いたのだ。

 通常考えられない、全放送局・スポンサー企業の一致団結した行動!

 

 収入源のCMなしの特別番組を2日間放送で、損害は巨大な金額に?

 テレビ局には、それどころでない、それ以上に大切な事があったわけだ。

  ( もともと、テレビ放送事業は政府・総務省の認可制であり、それをめぐり様々な問題がある。 

   参照 → 日刊ゲンダイ1            YAHOOニュース   現代ビジネス  

 

 それまでの超自粛ムードである程度は予想してたが、それでも恐怖が。

 テレビ局はやはりそんな存在、日本はやはりそんな国だったと痛感した。

 

 

 天皇(制)に関し、テレビ放送は「世論操作・洗脳」の役割を果たしている。

 世論調査の「皇室への親しみが7割」などは、その「成果」に他ならない。

 

 

 そして、つくられた「親しみ」は、そのまま、現状肯定(象徴天皇制是認)に。

 

 毎日新聞世論調査(2019)によれば、「象徴天皇制 『支持』 74%」 との事。

 「皇室への親しみ7割層」が、見事に象徴天皇制をも是認しているのだ。

 

  ( 内容をよく読むと、「象徴天皇制を支持する」と答えた人、〇した人が74%でない事がわかる。

 「憲法の象徴天皇制についてどう思うか」を質問し、「現在の象徴天皇制でよい」と答えた人が

 74%だったのだ。ぼくに言わせれば、この「現在の象徴天皇制でよい」に〇しただけだと、象徴

 天皇制を言わば「是認」している事しか示さない。それを、毎日新聞は「支持」という言葉で発表。

 意図したかどうかは不明だが、「世論調査」が「世論操作」の役割も果たしている実例だ。) 

 

 この調査だと、「天皇制は廃止すべき」に〇した人は、7%だったとの事。

 これだと、「天皇制批判・廃止」などを口にすれば、「反日・非国民」扱い?

 (が、逆に、「もっと権威あるものに」も4%で、「天皇信者」たちも、「危機感」を感じる数字?)

 

 

 

 ④ 制度化 ( 「強制していない」の内実 )

 

 メディアの「ソフトな洗脳」と共に、権力による「ハードな洗脳」も進行。

 戦前・戦中ですら行っていない、「 国旗・国歌・元号の法制化 」がそれ。

 

    (建国記念の日」も、神話の「初代天皇の即位日」が選ばれており、「ハードな洗脳」の代表例。

  神話を信じるのは「信仰」の領域、政府が特定の信仰に基づいて制度化してよいはずがない。

  「神話に基づいて制定はどうかと思うけど、休日が増えるんだから、ま、いいんじゃないの」

  というのが、当時の「普通の日本人」」の反応で、政府の「なし崩し的制定」を許す事になった。

  参照 → 日本歴史学協会   note   Hatena Blog  CHRISTAN TODAY    こよみのページ )

 

 政府は、「強制はしておらず、自然に定着している」などと平気で大嘘を。

 わざわざ法制化しておいて、「強制してない」「自然に」とか、意味不明。

 

 事実、式の「国歌斉唱」をめぐり、1000人以上の教職員が処分されてる。

 大量処分で脅してまで歌わせようとして、「強制してない」は、怖すぎる。 

 前に書いたが、ぼくが子どもの時は学校で「君が代」斉唱などなかった。

  ( 「君が代不起立による停職・減給は違法」の最高裁判決 → 金曜日オンライン  →  マガ9  )

 

 

   「元号の強制」も、区役所等に、何か書類を提出すればすぐにわかる。

 元号を丸で囲まず、西暦で書いて出すと、「書き直しを要求」されるのだ。

 「強制ではなく、お願いしているだけです」等とキレイ事を言うのが定番。

 

 今、ぼくの免許証を見ると、「平成35年〇月〇日まで有効」との記載が。

 平成35年が令和・西暦では何年かすぐわからず、まだ有効か一瞬迷う。

 「変換表」等に頼るしかなく、「使用を強制してない」とか、フザケルナ!

  ( パスポートと同じく、全部、「2023年まで有効」等の西暦表示にすれば、即、解決なのだが )

 

 役所等では、「不敬」なので、問題個所すべて、急ぎ「令和」に修正入力。

 「平成40年度完成予定」等やたら多く、労力も費用も「エグ過ぎ」との事。 
 

 ( 民間企業も付き合わされ、元号のせいで、国全体ではどれぐらいの実損になったのだろう?

 元号の問題点については → 長州新聞1   2   憲法道程    Ameba    ガラパゴス速報 )

 

 

 こんな不合理・不便を知りつつ、わざわざ法制化までして、なぜ元号を?

 

 元号使用が「日々洗脳」の役割を果たすと考える輩の仕業なのである。

  ( 「日本会議」、とりわけその中心の右翼団体・日本青年協議会が大活躍したと言われている )

 

 なぜ、彼らはそうまでして、現代版「国体護持」をやらかそうとしたのか?

 やらなければ「先細りしそう」との彼らなりの危機意識の表れなのでは?

 彼ら的には、「攻撃は最大の防御」「自衛のためのやむを得ぬ戦い」?

 

 

 ⑤ 「自然に定着」は虚構

 

 

 「日本の伝統・文化」 「すでに定着している」 「強制ではない」 ……

 

 「 国旗・国歌・元号の法制化 」の時に、繰り返し言われ続けたセリフ。

 その歴史的実態を冷静に見れば、すべてが欺瞞であり大嘘だとわかる。

 

  ( 元号は中国由来、「一世一元」も「日本の伝統」でなく、明治以降に始めた事にすぎない。

     明治前は、一般庶民のほとんどは、元号の存在はもちろん、天皇の存在も知らなかった。

  女性が天皇になれないのも、君が代の国歌扱いも明治以降、「伝統・文化」などではない。)

 

 

  実は、こうしたセリフは、「象徴天皇制」に関しても、言われ続けてきた。

 

 が、見てきたように、「象徴天皇制」も、自然に定着したわけではない。

 「天皇信者」側には「自然任せだと先細り・自然消滅も」との危機意識が。

 ( 今の天皇に男の子がいない事が「男系世襲制」にこだわる人達の危機意識を増幅? )

 

 で、あれこれと、ある時は露骨にある時は水面下で画策を続けてきた。

 

   ( 「日本の若者にとって皇室とは?  ~ 靖国神社、渋谷、東大で30人に聞いた~ 」 

  というネット記事が目についた。「天皇制は続けていくべきと思うか」という質問に対して、

  「思う」 27人、「どちらとも言えない」 3人、それ以外の答えは 0との結果だったよう。

  少人数の調査とはいえ、若者の間でも、「象徴天皇制が定着」しているかのようではある。

  が、「新天皇陛下の名前を答えられたのは2人だけだった」との事で、読む前に、「東大生なら

  クイズに強い」「靖国神社にいるなら右翼系」との偏見を持ってたので、この結果には驚いた。

  天皇の名前すら知らないのに、「天皇制は続けていくべき」の意識はどうやって形成された?) 

 

 

 「定着」した(かのような)現状は、世論操作洗脳)の結果に過ぎないのだ。

 

 

 ハッキリ言って、ぼく自身は、「象徴天皇制」にも反対している。

 

 が、見てきたように、普通に育てば、そんな考えにはならなかったはず。

 ぼくは、いかにして「危険思想を抱く反日・非国民に成り下がった」のか?

 

 それを説明した方が、理論的にどうこうより、わかりやすいと思うので。

 

 

 

  ( 続き 15. ぼくと「象徴天皇制」 ココ クリック )