『野生の島のロズ』(吹替版・字幕版) | アディクトリポート

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『野生の島のロズ』吹替版

2025/3/6 イオンシネマ越谷レイクタウン スクリーン10 C-9

 

 Facebookで知人の映画通が絶賛してたが、

2月7日の公開からまるまる一月鑑賞の機会を逸し、

IMAX版の公開はとっくに終了。

子供向け作品なので、今では通常スクリーンで朝イチ上映のみ、

吹替版だけと言うことで、

かなり期待値を下げての鑑賞となった。

 

しかし開始10分ぐらいで、「ああ、これは寝ちゃう映画だ」と勘づき、

そのままスヤスヤ寝落ち。

 

中盤あたりまでたっぷり気を失い、

それから目が覚めて、「ここから挽回するのかな」と疑心暗鬼だったが…

いや、しっかり盛り返してくれました!

 

大感動作に嗚咽の号泣。

早くも2025年鑑賞作でナンバーワン候補となりました!

 

ドリームワークス・アニメーション作品って、

当初は「ピクサー作品をパクリ、先取りすりゃいいんだよ」とカッツェンバーグあたりがたくらんだ、

『アンツ』(1998・未見)

とかの失敗作と2Dセルアニメ風『プリンス・オブ・エジプト』とかの意欲作・成功作を交互に公開。

2016/03/02

 

定番タイトル『シュレック』(2001)の新路線が快調で、

第2弾も堅調だった同じ2004年に、

その後は
『マダガスカル』(2005)
『カンフー・パンダ』(2008)
『モンスターVSエイリアン』(2009)
Imax
等々、浮き沈みの中でも確実に成功作を積み重ね、
ついに『ヒックとドラゴン』(2010)に到達。

 

2作目『ヒックとドラゴン2』(2014)は日本公開が長らく未定。

3作目完結編『聖地への冒険』が、
見事に三部作を締めくくった。
 
と言う趣旨は、この記事(『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』・2020年01月17日)で同音異口に語ったが、
何せもう5年前なのであえて再掲。
 
オープニングタイトルで、
過去のドリームワークス・アニメ代表作が顔見せしたのでそれを思い出し、
関連画像探しのために、
改めて自分の過去ログをチェック。
 
これから書こうとしていたことは、全部5年前に書いていたと悟った。
 

(『野生の島のロズ』は、)日本では2025年2月7日に劇場公開された。

また、日本におけるドリームワークス作品では、2023年9月8日に劇場公開された『ドラキュラ/デメテル号最期の航海』(2023年)が興行的に失敗したことで、2024年12月13日からNetflixで配信された『セキュリティ・チェック』(2024年)以降のドリームワークスの実写作品はアンブリン・エンターテインメントの傘下で公開され、本作からはドリームワークスの実写・アニメ作品として初めて独立後に劇場公開された。

興行的にも成功を収めた本作なのに、日本公開が5ヶ月以上も遅れたのは、
こうした事情に加え、米国でユニバーサルが配給だと、
日本では東宝東和配給になる仕組みかつ、
映画配給については、UIP日本法人の解体に伴い2007年後期より東宝東和配給となり、年間配給本数が減少傾向にあった同社の配給映画の増加に繋がった。
 
日本公開が決まらない映画を拾うGAGAが共同配給。
 
2019年(平成31年)
  • 3月27日 - 東宝東和とギャガが共同配給契約を結び、2019年以降のDWA(ドリームワークス・アニメ)制作の全作品が日本でも劇場配給される事を発表。
 
とにかく ドリームワークス・アニメ作品はCGアニメの本家ピクサー/ディズニーが近年方向性を見失い、
クリエイターも世代交代して、自分たちでも手探り続きで、
必ずしも常に正解に辿り着いていないのと対照的である。
 
現ディズニー/マーベルMCU/スター・ウォーズ作品が軒並み、
  • 旧タイトルに頼り切りのくせに、死守すべき原則を覆す
  • 反対に変えても構わないところに限って、意地でも変えない
  • やり方のコツをつかんでおらず、デタラメ
  • 当たり外れの落差が激しい、いびつな不良品が「まともな作品」扱いで公開・宣伝される
等々の不具合続きの中、
ドリームワークスは既存タイトルに依存せず、
完全オリジナル作として『野生の島のロズ』を公開。
 
鑑賞中から考えてたが、この筋立てとキャラ設定なら、
微調整で『スター・ウォーズ/ドロイド・ストーリー』とかにもできそうなところ、
そういう依存症に陥らないところも高評価。
 
本作の脚本と監督は『ヒックとドラゴン』のクリス・サンダース。
 
元々はディズニー畑で、
『美女と野獣』(1991)『アラジン』(1992)『ライオン・キング』(1994)の原案、
『ムーラン』(1998)の脚本、『リロ・アンド・スティッチ』(2002)の原案・脚本・ディーン・デュボアと共同で監督を最後に退社。
ドリームワークスでは『ヒックとドラゴン』三部作(2010・2014・2019)、
 

(後述する)『ロズ』字幕版の予告編で、『ヒックとドラゴン』が実写版になって今秋公開と知り、

クリス・サンダースがどう関与するのか(監督・脚本は別の人)が興味深い。

 
『クルードさんち』二部作(2013・2020)、
なぜか唐突な実写作品の『野生の呼び声』(2020)

そして本作『野生の島のロズ』へと連なる。
 
2023年9月28日、ドリームワークス・アニメーションピーター・ブラウンの小説シリーズ『野生のロボット』(The Wild Robot)を原作としたアニメーション映画の製作を発表した。
 

サンダースは、娘を通じてブラウンの本に出会ったものの、当時は読んでいなかった。

数年後、ドリームワークスで次のプロジェクトを探していた際に、この作品の映画化の機会を得た。

読了後、サンダースはすぐに物語に惹かれ、自身が映画化に最適だと感じたという。

これもまた、本作を、凋落著しいスター・ウォーズの一編などに貶(おとし)めなかった要因でもあろう。
 

本作は、2024年9月8日に第49回トロント国際映画祭で初上映され、9月27日にアメリカで公開された。

批評的にも商業的にも成功を収め、7,800万ドルの制作費に対して全世界で3億2,480万ドルの興行収入を記録し、2024年のアニメ映画として6番目に高い興行収入を達成した。また、第82回ゴールデングローブ賞アニメ映画賞や第78回英国アカデミー賞アニメ映画賞などにノミネートされた。

あいにくアカデミー受賞作は本作ではなく、『Flow』が受賞。

 

『野生の島のロズ』は続編の制作が進行中である。

ということもあり、他作鑑賞のために訪れたTOHOシネマズ日比谷で、

偶然字幕版が上映されてたので、地元の映画館のように早朝上映でもないので、

いそいそと出かけてワクワク鑑賞。

 

『野生の島のロズ』字幕版

2025/3/8 TOHOシネマズ日比谷 スクリーン2 D-5

↓TOHOシネマズ日比谷のロビーに設置されていた、実物大のロズのディスプレイ

心があるから、沁みて、響く!

これはもう、CGアニメの一つの最高到達点ですよ!

 

オリジナル音声のロズの声のルピタ・ニョンゴもよかったけど、

吹替版も抜群で、

上映中ずっと、「聞き覚えのある声だけど、誰だっけ?」と考えあぐねてたら、

エンディングのローマ字表記でなるほど納得。

(誰なのかは、読み進めればわかります)

 

この人、『Mr.インクレディブル』(2004)で黒髪の長女(バイオレット・パー)の声をアテてたが、

その声がジメジメと陰湿で、「この人、声優向きじゃないんでは」な印象だった。

しかし今回のロズの声で、あれは単なる役柄に合わせた演技にすぎず、自在に声質や演技を変えられるんだと判明。

 

そういや最近騒動があった「こじるり(小島瑠璃子)」が、

まさにハマり役のヴォイドを演じた、

『インクレディブル・ファミリー』(2008)での同じバイオレット役でも

カラッとハキハキして、とても聞きやすかったっけ。

 

彼女の役者としての力量は、

本人主演の『レジェンド&バタフライ』(2023)とか

『リボルバー・リリー』(2023)

なんかより、よほどロズの方がハマり役かつ代表作な気がした。

 

でもって吹替版でも字幕版でも落涙、号泣だったのは、

音楽の力によるところが大である!

 

 

 

 

音楽はクリス・バワーズが担当し、彼にとってフルアニメーション映画の音楽を手がけるのは初となった。

 

クリス・バワーズKris Bowers、1989年 - )は、アメリカ合衆国の作曲家、ピアニスト。

映画やテレビ番組などのスコアを数多く作曲。また、ホセ・ジェイムズ、マーカス・ミラー、カニエ・ウェストらと共演している。2011年にセロニアス・モンク国際ジャズ・ピアノ賞を受賞。テレビ特番『The Snowy Day』の音楽で、2017年デイタイム・エミー賞優秀音楽監督賞を受賞。2018年には映画『グリーンブック』のサウンドトラックを作曲。2019年にはリミテッドシリーズの『ボクらを見る目』のサウンドトラックを作曲し、プライムタイム・エミー賞 作曲賞 (リミテッドシリーズ部門)にノミネートされた。

 

まだ吹替版ならどのシネコンでも早朝1回の続映中なので、

未見の方は万難を廃してご覧ください。